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【10/11 - 10/17】注目の海外スタートアップの大型資金調達

近年、AIスタートアップが大型資金調達の主役を独占してきたが、今週は久しぶりに「バイオテック」分野がトップを奪還した。肥満治療や脱毛治療といった「ヘルスケア再興」の兆しが、スタートアップ資金の流れを変えつつある。


1. 肥満治療ベンチャー Kailera Therapeutics が6億ドル調達


マサチューセッツ州ウォルサムのKailera Therapeuticsが、シリーズBラウンドで6億ドル(約900億円)を調達した。リード投資家はBain Capital Private Equity。
同社は、肥満治療用の注射薬を開発しており、年内に第3相臨床試験を開始する予定だ。
GLP-1関連の新薬ブームが世界的に加速する中、Kaileraは次世代の「ポスト・オゼンピック」候補として注目を集めている。

「AIではなく“体内テック”が次のフロンティアだ」
─ Crunchbase報道より

2. 民間航空の新形態:Bondが3.5億ドルを確保


次点には、プライベート機の部分所有サービスを提供するBondが入った。
KKRの管理ファンドなどから総額3億5,000万ドルを調達。航空機の分割オーナーシップという新しい形態で、富裕層やエグゼクティブ層の移動ニーズを取り込む。

2-1. 航空業界の「サブスクリプション化」

従来のチャーター方式と異なり、Bondでは複数の利用者が1機を共同保有し、利用時間を分け合う。サブスクリプション経済の波が航空分野にも押し寄せている。

3. HR×Fintechの成長企業:DeelとVantacaが同額300Mドル


3位には、2社が同額で並んだ

  • Deel:HR・給与支払いプラットフォーム。Ribbit Capitala16zCoatueらが主導し、評価額は173億ドルに達した。年間経常収益(ARR)はすでに10億ドルを突破しており、グローバル雇用の効率化を進めるリーディングプレイヤー。

  • Vantaca:住宅管理会社向けソフトウェアを提供。Cove Hill Partners主導の3億ドル超の投資で、評価額は12億5,000万ドル。米住宅管理市場のデジタル化を推進する。

4. バイオファーマの躍進:Kardiganが2億5,400万ドル


心血管疾患治療薬を開発するKardiganが、シリーズBで2億5,400万ドルを調達。T. Rowe Price、Fidelity、Sequoia Heritageなど名門投資家が名を連ねる。
バイオファーマ全体の投資額は回復傾向にあり、医療系スタートアップが再び脚光を浴びている。

5. Fintechの堅実成長:Upgradeが1億6,500万ドル調達


2017年設立のUpgradeは、オンラインローンやクレジットカードを提供するフィンテック企業。Neuberger Bermanが主導するシリーズGで1億6,500万ドルを確保。累計資金調達額は7億5,000万ドル超に達した。

5-1. 消費者金融の再定義

従来の銀行が抱える信用コストをテクノロジーで軽減し、低コストでの貸付・口座開設を可能にしている。AIバブルの陰で、地に足のついたFintech勢の存在感も再び強まっている。

6. 美容・脱毛領域の新潮流:VeraDermicsとPelageが続々登場


皮膚・毛髪関連の2社が注目された。

  • VeraDermics(シリーズC、1億5,000万ドル)
     経口の発毛治療薬を開発。資金は臨床試験の継続に充当。

  • Pelage Pharmaceuticals(シリーズB、1億2,000万ドル)
     GoogleのGVArch Venture Partnersが出資。
     休眠中の毛包幹細胞を再活性化させる外用分子治療を開発中。

「髪の再生」は美容市場でも巨大テーマであり、これらの企業は医療・美容の垣根を超えた領域で期待されている。

7. 医療インフラとテレヘルスも堅調


  • Peptilogics(7,800万ドル)
     手術関連感染症を防ぐペプチド治療を開発。

  • MD Integrations(7,700万ドル)
     テレヘルスブランド向けの医師ネットワークを提供。
     デジタルヘルス基盤として、医療アクセスの民主化を進める。

8. 総括:AIの次は「身体への投資」


2025年10月第3週の米国メガディールは、AIからバイオ・ヘルスケアへと主役が移りつつあることを象徴している。
肥満・心血管・毛髪といった“人間の根源的課題”に挑むスタートアップが再び資金を集める構図は、パンデミック後の「身体回帰」トレンドを反映している。

「バイオはAIの次に世界を変える産業だ」
─ 投資家の間ではそんな声も高まっている。

10月11日〜17日に報告された米国企業の調達ラウンドでは、上位10社だけで約25億ドル超の資金が動いた。
テクノロジーの進化が人間の身体と融合する「バイオ×テック」時代の幕開けを、今週の資金動向が鮮やかに示している。

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