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肥満症治療薬市場の地殻変動:ファイザーによるMetsera買収が示す「次の勝ち筋」

2025年9月22日、製薬業界に激震が走った。巨大製薬企業ファイザー(Pfizer)が、臨床開発段階にあるバイオ医薬品企業メトセラ(Metsera)を最大73億ドルで買収すると発表したのである 。この一件は、単なる大型M&Aではない。年間1,000億ドル(約15兆円)市場へと急成長が見込まれる肥満症治療薬領域、いわゆる「GLP-1ゴールドラッシュ」において、イーライリリー(Eli Lilly)ノボノルディスク(Novo Nordisk)の二強体制に、業界の巨人が満を持して殴り込みをかける号砲である。  

ファイザーにとって、この買収は捲土重来を期すための乾坤一擲の賭けだ。同社は、自社開発の経口肥満症治療薬「ダヌグリプロン」をはじめとする複数の候補薬の開発を、肝機能障害などの安全性懸念から相次いで中止に追い込まれていた 。自社開発(Build)戦略の完全な失敗を認めた上で、有望な外部技術を獲得する(Buy)戦略へと大胆に舵を切ったのである。本買収は、ファイザーが、新型コロナウイルス関連製品の売上減少主力製品の特許切れ(パテントクリフ)という二つの大きな課題に直面する中、次なる成長の柱を確保するための極めて重要な戦略的行動と位置づけられる。  

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