Google Vids、AIアバター機能を追加 ― Sora終了後も「自分主演AI動画」に再挑戦
2026年7月14日と16日、Googleは主要サービスに立て続けにアップデートを発表した。一つは、動画作成ツール「Google Vids」へのAIアバター機能追加、もう一つは、「Google Images」の大幅リニューアルだ。分野は異なるが、いずれもユーザーをGoogleのエコシステム内に長く留めるための施策という共通点がある。本稿では両発表の内容を整理し、ビジネス上の含意を解説する。
1. Google Vids ― 「自分主演」のAI動画作成
OpenAIの動画生成アプリ「Sora」がサービス終了した後も、「自分自身が主演するAI動画」というニーズへの関心は続いているとみられる。Googleは、7月16日、Google Vidsに新機能を追加すると発表した。ユーザーは、自撮り写真と音声録音をアップロードすることで、自分に似せたカスタムのデジタルアバターを作成できるようになる。
1-1. Gemini Omniによる動画生成・編集
同時に、Googleは、マルチモーダルモデル「Gemini Omni」をVidsに統合すると発表した。テキストプロンプトと参照画像を組み合わせることで、Omniが、それらを合成し、望みの動画を生成する仕組みだ。既存の動画についても、背景の入れ替えや照明の補正、エフェクト追加といった編集が可能になる。加えて、段階的な編集にも対応し、最初からやり直すことなく、都度修正を加えられるようになった。
1-2. ビジネスツールとしての位置づけと競合環境
これらのアップデートにより、Google Vidsは、Google Workspaceの一部として、社内アップデートやトレーニング動画といったビジネス用途での活用が想定されている。一方で、パーソナライズされたアバターや対話型の編集機能は、HeyGen、Synthesia、Captions、D-IDといった既存のAI動画スタートアップとの競合も強めることになりそうだ。
なお、Googleは、新しいAIアバターについて、アカウント保有者本人の肖像に紐づけられ、SynthIDによる不可視の電子透かしが付与されると説明している。アクセスは特定の地域に住む18歳以上のユーザーに限定されるという。
2. Google Images ― 検索から「発見」の場へ
もう一方の発表は、画像検索エンジン「Google Images」のリニューアルだ。Googleは、これを、Pinterestのような閲覧・発見体験へと転換する取り組みと位置付けており、同社の画像検索が誕生して25周年を迎えるタイミングでの発表となった。
2-1. 「For You」ギャラリーとコレクション機能
リニューアル後、Google Imagesにアクセスしたユーザーには、興味関心や閲覧履歴に基づいてパーソナライズされた「For You」ギャラリーが表示される。Pinterest同様、継続的な閲覧を前提とした設計で、Googleによればギャラリーはリアルタイムで更新されるという。
ユーザーは、気に入った画像を「コレクション」として保存でき、これはメインギャラリー上部にタブとして表示される。例えば、旅行の服装アイデアや、旅行先のインスピレーション、読書コーナーのデザイン案といったテーマ別に保存し、後から見返すことができる。この機能は現在、米国のデスクトップ環境・英語で、数週間かけて順次展開される予定であり、利用にはGoogleアカウントへのログインが必要となる。
2-2. AI Overviewsでの画像生成
もう一つの目玉が、検索結果内での直接的な画像生成機能だ。Googleは、既存のウェブ上に存在しない、非常に具体的なイメージを持つユーザー向けの機能だと説明しており、最新の画像生成モデル「Nano Banana」を用いて、テキストプロンプトから独自のビジュアルを生成する。部屋を赤く塗ったらどう見えるか、あるいは海辺をテーマにした寮の部屋のイメージなど、空間の再構成やアイデアの可視化にも活用できるという。この機能は、AIモードでの画像生成に対応済みの地域から、英語で順次展開が始まる。
