OpenAI、Oracleと年間300億ドル契約 Stargateプロジェクトで4.5GW級データセンター構築へ
今年1月に米ホワイトハウスで発表された「Stargate(星際之門)プロジェクト」は、OpenAI、Oracle、SoftBank らが最大5,000億ドルを投じて展開するAIインフラ構築計画です。中でも特に注目を集めているのが、OpenAIとOracleによる年額300億ドル規模のデータセンター契約です。本記事では、この契約の詳細と両社(およびSoftBank)の動向を整理し、その意義と課題を解説します。
1. Stargateプロジェクトとは?
Stargate LLCは、OpenAI、Oracle、SoftBank、MGX が2025年1月21日に設立した合弁事業体です。2030年までに5,000億ドル規模の投資をめざし、米国を中心に複数のAI専用データセンターを建設する壮大なプロジェクトです。
OpenAIとSoftBankが40%ずつ、OracleとMGXはそれぞれ7%拠出。
初期段階では、米テキサス州アビリーンを含む複数センターが計画され、米国で10GW、将来的には世界展開へ。
2. OracleとOpenAIによる“年額約300億ドル”契約の中身
2‑1. 契約概要
TechCrunchが報じたところによれば、Oracleは、2025年6月30日のSEC提出資料で「年収300億ドル規模のクラウド契約」を明かしました。この顧客は、OpenAIであり、Stargateプロジェクトの一環として4.5GWのデータセンター容量をOracleに委託する内容です。
4.5GWはアメリカにおける通常のデータセンター容量を圧倒的に上回り、フーバーダム2基分相当、約400万世帯分の電力を必要とします。
2‑2. 契約の意義
OpenAIは、最新製品で前年550億ドルから年商1,000億ドル台へと急成長中。今回の契約はその3倍に相当する大規模な賭けとも言えます。
Oracleは、クラウドインフラ市場でアマゾンやマイクロソフトと伍する構えで、同契約により株価が過去最高に跳ね上がりました。
3. 拡張フェーズ:4.5GW→5GW以上へ
2025年7月22日には、OracleとOpenAIによるさらなる拡張が報じられました。
追加4.5GWを建設予定、すでにStargateの総容量は5GW超に。
この容量は約200万個超のAIチップを稼働させる規模です。
政府としては、中国とのAI競争に対応する米国インフラ強化の一環と捉えられています。
4. 課題と業界の懸念
4‑1. コスト負担とリスク
Oracleは、2024会計年度にCAPEX212億ドル、2025年度に250億ドル投資予定で、今後2年間で約500億ドルを拠出見込みです。
その結果、株価は上昇傾向ながらも、短期的には2〜3%の下落も。投資家からは“過大投資”への懸念も浮上しています。
4‑2. SoftBankの役割と進捗の停滞
SoftBankは、当初190億ドルを投資予定でしたが、契約実行に遅れが見られます。
Bisnowなどの報道では、SoftBank抜きでOpenAIは、OracleとCoreWeaveとともにデータセンター建設を進行中で、Stargateの初期構想から修正されているとの指摘もあります。
一方、SoftBank側は、仍然として100件超の案件進行中、10GW目標達成の意向を表明していますが、実行ペースに疑問ありとの見方も。
結論
OpenAIとOracleによる年額300億ドル規模の契約は、AIインフラ戦略としてのみならず、国家経済・技術競争の文脈でも極めて注目されるリスクとチャンスの塊です。今後の実行スピード、財務の健全性、SoftBankとの協調性などが鍵となり、プロジェクトの行方は業界全体の行方にも密接に絡んでいます。
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