市場予想を超えたSnowflake決算に見るデータ基盤の次なる潮流
Snowflake(スノーフレーク)は、2025年第1四半期決算で市場予想を上回る業績を発表しました。調整後1株当たり利益(EPS)と売上高の両面でコンセンサスを上回った背景には、AIエージェントの普及に伴うデータ基盤需要の高まりがあり、ソフトウェアセクター全体の見通しにも大きな示唆を与えています。本稿では、①決算の概要、②大口顧客基盤の強み、③AIエージェントとデータ需要、④競合環境、⑤ソフトウェア業界への示唆と今後のSalesforce決算――の5つの切り口で解説します。
1. Snowflakeの2025年第1四半期決算ハイライト
1-1. 主要財務指標
調整後希薄化後EPS:0.24ドル(予想0.21ドル)
売上高:10.4億ドル(予想10.1億ドル)
前年比成長率:約26%増
「市場予想を上回る結果は、昨四半期の28%成長に続く好調さを示しており、景気後退懸念が依然としてくすぶる中でも同社のビジネスモデルが堅調に機能していることを裏付けています。」
1-2. 先行指標としてのガイダンス
第2四半期プロダクト売上見通し:10.4~10.0億ドル(コンセンサス10.3億ドル)
通期プロダクト売上見通し:43.3億ドル(市場予想42.9億ドル)
四半期末発表にもかかわらず、通期見通しを上方修正した点が好感され、発表後時間外取引で株価は約7%上昇しました。
2. 大口企業を中心とした顧客基盤の強さ
年間売上が100万ドル超の顧客:606社
Forbes Global 2000社:754社
総顧客数:11,000社
CEOのシェレダル・ラマスワミ氏は、「当社の成長は、大手企業との長期的なパートナーシップに支えられている」と強調し、組織規模や業種を問わずクラウドデータ基盤への依存度の高さを示しました。
3. AIエージェントが牽引するデータ需要
Citizens社テクノロジー株式調査部長パット・ウォール・レイヴンズ氏は、決算分析で次のように指摘しています。
「エージェントに仕事をさせるには“データ”が必要であり、多くの企業のデータがSnowflake上に存在する」
具体例として、マリオットホテルでの「レイトチェックアウト」リクエストをAIエージェントに任せる場合、予約情報や滞在履歴といったデータをリアルタイムに取得できるプラットフォームが不可欠です。こうしたニーズが、Snowflakeのプラットフォーム価値をさらに高めています。
4. Databricksとの競合環境
Snowflakeと並んで注目されるのが、データサイエンス特化型のDatabricksです。
Databricks:売上約30億ドル、前年比約60%成長、評価額約620億ドル
Snowflake:売上約45億ドル、前年比約26%成長、評価額はSnowflakeがやや上回る
Snowflakeは、「データウェアハウス機能の使いやすさ」を、Databricksは「AI/データサイエンス向け機能の充実」をそれぞれ強みに掲げ、両社はサンフランシスコで6月に連続してユーザー会議を開催予定です。
5. ソフトウェア業界への示唆とSalesforce決算を控えて
報告済み25社中13社が株価上昇:主に3月決算企業が中心
ソフトウェアは関税影響がない:ハードウェアと異なり、輸入関税による先行受注の影響は限定的
Salesforceの視点:第1四半期は約9%成長と比較的鈍化。AIエージェント製品「Agent Force」へのシフトがカギを握る
パット氏はSalesforceについて、
「Agent Forceの本格導入と消費量ベースの価格モデルが、今後の業績を左右する最大のカタリストになる」と分析。Snowflakeが示した“データ需要の強さ”が、SalesforceのAI戦略にとっても追い風となる可能性があります。
Snowflakeの決算好調は、AIエージェント時代におけるデータ基盤の中核的役割を鮮明にしました。Databricksとの競争、そしてSalesforceを始めとするソフトウェア大手の業績動向を見据えつつ、データプラットフォーム企業の戦略・技術革新に注目が集まります。今後の四半期決算では、AI関連製品の本格的な採用状況と収益貢献度が最大の焦点となるでしょう。
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