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2026.06.17 注目の海外スタートアップの資金調達4選

2026年6月17日、スタートアップ業界では複数の注目すべき資金調達が同時に発表されました。AIワールドモデルを開発するOdyssey、攻撃的サイバー戦技術を手がけるTwenty、海外旅行者向けクレジットカードのKarta、そして自己免疫疾患治療薬を開発するTriveni Bioです。本記事では、これら4社の資金調達内容を整理しながら、それぞれが示す業界トレンドについて解説します。


1. Odyssey ― 「世界をシミュレートするAI」に14.5億ドルの評価


1-1. AmazonとAMDが選んだワールドモデル企業

パロアルトを拠点とするAI研究企業Odysseyは、シリーズBラウンドで3.1億ドルを調達し、評価額14.5億ドルに達したと発表しました。このラウンドはNatural Capitalが主導し、Amazon、AMD Ventures、Google Ventures、EQT、そしてCIA系ファンドであるIn-Q-Telが参加しました。著名な個人投資家としてGoogleのチーフサイエンティストであるJeff DeanやY CombinatorのCEOであるGarry Tanも名を連ねています。

Odysseyが手がける「ワールドモデル」とは、現実世界を物理法則やシナリオに基づいてシミュレートし、人間の介入なしに行動できるAIシステムを指します。同社共同創業者兼CEOのオリバー・キャメロン氏は、**「過去数年間でスケーリング、相互作用性、マルチモダリティ、物理精度において大きな飛躍があり、この分野は今、非常に速いペースで進化している」**と述べています。

1-2. 4ヶ月前のNVIDIA出資から一転、AWSとの提携

興味深いのは、わずか4ヶ月前にNVIDIAのベンチャー部門がOdysseyのシリーズAに出資していたにもかかわらず、今回はAmazonの半導体「Trainium」を採用する方向に転じたという点です。OdysseyはAWSを優先クラウドプロバイダーとする契約を結び、高性能機械学習向けに設計された特殊チップへのアクセスを得たとされています。 Yahoo Finance

従業員数55名、これまでの調達総額が2700万ドルという同社の規模を踏まえると、今回のラウンドは1人当たりの資本集中度において市場で最も高い水準のAI企業の一つとなっています。競合にはRunwayやWorld Labs、Google DeepMindのGenieなどが存在し、同社の使命には防衛分野での活用も明記されている点も注目に値します。

2. Karta ― 「クレジット履歴がない」海外旅行者向けカードの急成長


2-1. 1年で売上10倍という成長スピード

マイアミを拠点とするフィンテック企業Kartaは、Galaxy VenturesとCommunity Investment Management(CIM)が主導する形で、1500万ドルのシリーズAと1.25億ドルのクレジットファシリティを合わせた総額1.4億ドルの資金調達を発表しました。

同社の成長スピードは際立っています。2025年に売上が10倍に成長し、2026年第1四半期だけで売上と総決済額(TPV)が四半期ベースで4倍に拡大したとされています。 globenewswire

2-2. 「米国でクレジット履歴がない」という課題への解決策

Kartaが解決を目指す課題は明確です。多くの海外旅行者は自国で確立されたクレジット履歴を持っているにもかかわらず、米国では「クレジット不可視」の状態にあり、デビットカードやプリペイドカード、高額な外国為替手数料が発生する自国のクレジットカードに頼らざるを得ない状況にあります。

Kartaのカードは、80以上のプライベートバンクや資産運用会社を通じて提供され、SSNやITINを必要とせず数分で承認され、最大20万ドルの信用枠を提供する仕組みです。さらに、WhatsAppを基盤とした24時間対応のAIコンシェルジュを備え、ホテルや レストランの予約、航空会社への直接連絡による予約変更まで代行する機能も特徴的です。

3. Twenty ― 攻撃的サイバー能力を「産業化」する防衛テック


3-1. 急成長する事業実績

米国発行のクレジットカードを海外旅行者向けに提供するKartaは、シリーズAで1500万ドル、さらに1.25億ドルの信用枠を含む合計1.4億ドルの資金調達を発表しました。2025年には事業規模が10倍に成長し、2026年第1四半期だけで売上高と決済総額(TPV)がさらに4倍に拡大したとされ、年末までに年間決済総額12億ドルを目指すという目標が示されています。

3-2. 「クレジット不可視」という課題への着眼

Kartaが着目したのは、海外で確立されたクレジット履歴を持つ国際的な旅行者が、米国では「クレジット不可視」の状態に置かれ、デビットカードや外貨手数料の高いカードに頼らざるを得ないという構造的な課題です。SSNやITINが不要で、最短数分で承認され、最大20万ドルの信用枠を提供する仕組みにより、この課題に対応しているとされています。

AIコンシェルジュ機能も特徴的で、WhatsApp上で24時間対応し、ブラウジングや電話、メールを行い、顧客に代わって購入を行うためのワンタイム仮想カードを生成できるとのことです。

4. Triveni Bio ― AIブーム下でも資金が集まる「精緻な臨床仮説」


5-1. シリーズCで臨床試験を拡大

免疫・炎症性疾患向けの抗体治療薬を開発するTriveni Bioは、シリーズCラウンドで6500万ドルを調達したと発表しました。ラウンドはAscenta CapitalとJanus Henderson Investorsが共同主導し、Deep Track Capitalも大きく参加したとされています。

この資金は、アトピー性皮膚炎を対象としたフェーズ2臨床試験を拡大するために使用される予定で、IL-13とKLK5/7を同時に標的とする二重特異性抗体TRIV-573の開発を後押しするとのことです。

5-2. スピード感のある臨床開発体制

同社の特徴として、1年足らずの間に2つの薬剤候補を臨床段階に進めたスピード感が評価されている点が挙げられます。新たに取締役会に加わったエヴァン・ラクリン氏は、「このチームが2つの資産を1年も経たないうちに臨床段階へ進めたスピードは、彼らの実行力の証だ」と述べています。

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