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「問い」で動かす組織へ:AI時代における好奇心と働き方の再設計

「アイデアは答えではなく、“問い”である」。INBOUND 2025の最終日、Perplexity CEOのアラヴィンド・スリニヴァスは、会場にこう投げかけた。勝ち続ける個人とチームは、もっとも多く・よい問いを立てる――彼の主張の核心はここにある。


1. なぜ今、「問い」が競争力になるのか


1-1. AI時代の分業――人は問い、AIは答える

過去の知的労働は、調査チームの組成やコンサルの起用など「答えを集める」ための長い手続きに支配されていた。だが、生成AIの普及で、優位性は良質な問いをどれだけ速く回せるかに移っている。スリニヴァスは、会議の起点を資料ではなく、「解くべき問題と、それに必要な問いの棚卸し」に置くと述べる。“最初に問うべきは、解決に必要な事実は何か”――この作法が会議の生産性を10倍にするというわけだ。

1-2. 変わるものと、変わらないもの

登壇で彼は、5年後に何が変わるかより何が変わらないかを問う視点を重視した。変わらない土台が「好奇心」であり、これを組織文化として守り抜けるかが分岐点になる。

2. 「正確さ」が生む次の問い――Perplexityの設計思想


2-1. 正確な答えは、“次の問い”の土台

Perplexityのコアは、出典付きの正確な回答だ。回答が信頼できるからこそ、受け手は安心して次の問いを重ねられる。論文が引用で“次の研究”の基盤を築くように、出典と検証可能性をプロダクトの中心に据える――これが創業時からの一貫した思想である。

2-2. 「Comet」――問いをどこでも回すためのブラウザ

2025年7月、Perplexityは、AIネイティブのブラウザCometを発表した。メール、カレンダー、Slack、ウェブ上の文脈を横断し、要約・追跡・自動化までをサイドバーのアシスタントが支援する。「好奇心を推進力に変える」というコンセプトは、問い→答え→次の問いのループを、タブやアプリの境界を超えて回し続ける設計に現れている。

「答えの後に“次の問い”が生まれる。だからこそ正確さは贅沢ではなく“存在条件”だ」

3. 会議と仕事の作法をアップデートする


3-1. 会議を“質問リスト化”する

会議の冒頭で「必要な既知/未知」をリスト化し、世界・競合・自社データ・顧客・プロダクトの5視点で問いを洗い出す。参加者は、“答えを持つ人”より“良い問いを投げる人”に評価軸を置く――これがスリニヴァスの実践だ。

3-2. Answers → Actions(行動)へ

この数年は、会話的AIで“良い答え”に到達する時代だった。これからは答えを連鎖させて行動に落とす局面に入る。CometのようなAIブラウザは、資料収集→要約→下書き→調整→送信の“面倒な連結作業”を肩代わりし、人は問いと意思決定に集中できる。

4. セキュアに“問いを回す”ための前提条件


4-1. 認証・機密の取り扱い

AIがメールやSlackに横断アクセスするほど、認証・秘密情報の保護は、死活的になる。Perplexityは、1Passwordと組み、Cometにおける資格情報の暗号化・自動入力・二要素コード管理など、エンドツーエンドでの保護をうたう。“速度×安全”の両立は、全社導入の関門を下げる。

4-2. 業界の地殻変動

ブラウザは、“AI前提”へと再編されつつある。ChromeもGeminiの組み込みを進め、AIブラウザがメインストリーム化する流れは不可逆だ。つまり、問いをどれだけ高速に・安全に回せるかがブラウザ選定とワークフロー設計の新しい評価軸になる。

好奇心を“速度”へ


好奇心は才能ではなく、運用だ。正確な答え→次の問い→行動というループをブラウザという作業OSで回し続ける組織が、もっとも早く学び、試し、改善する。INBOUND 2025で提示されたのは、派手な未来予想ではない。問いを中心に据え直す“働き方の再設計”である。明日の会議から、あなたの組織の作法を変えてみよう。

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