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【2/6】VCファンド設立1選

フランス・パリを拠点とする比較的新しいベンチャーキャピタル(VC)ファーム「Emblem」は、初回ファンドの最終クローズを発表しました。最初のクローズから18か月を経て、Emblemチームは、合計8,000万ユーロ(約8,500万ドル)を確保することに成功しました。


1. 厳しい資金調達環境の中での成功


1-1. VC市場の現状と課題

2024年のVC市場は、引き続き厳しい状況にあります。Atomicoの「State of European Tech」最新レポートによると、ベンチャー投資は3年連続で減少しています。その主な理由として、買収やIPO(新規株式公開)がほとんど進んでいないことが挙げられます。

その結果、VCという投資カテゴリー自体の魅力が低下しており、多くのVCファームがフォローオンファンドの調達に苦戦しています。特に、AIブームが起こっているにもかかわらず、その資金調達環境は、依然として厳しいままです。

1-2. Emblemの成功要因

こうした市場環境の中で、Emblemは、当初設定した調達上限(ハードキャップ)に達し、成功を収めました。この成果の背景には、創業者のBénédicte de Raphélis Soissan氏とGuillaume Durao氏の経験と投資実績があると言えるでしょう。

彼らは、VCファーム設立前から、ビジネスエンジェルとしていくつかの注目企業に投資していました。その中には、仮想通貨トレーディングカードゲームの「Sorare」、ペット保険スタートアップ「Dalma」、培養肉企業「Gourmey」などが含まれます。

2. Emblemの投資戦略とポートフォリオ


2-1. 投資戦略とラウンド規模

Emblemは、シードステージの投資を専門とし、初回ファンドでは、25~30件の投資を計画しています。基本的には、シードラウンドの主導投資家または共同主導投資家として投資を行い、投資額は、50万ユーロ(約54万ドル)から300万ユーロ(約320万ドル)の範囲で設定されています。

また、好機があれば他のリード投資家のフォロワーとしての投資も視野に入れています。

2-2. 投資実績と注目スタートアップ

Emblemは、2023年3月の最初のクローズ以来、すでに16のスタートアップに投資を行っています。これらの企業は、業界や地域の面でも多様性を持っており、代表的なものとして以下が挙げられます。

  • Pivot:調達ツールを開発するCoupaの競合企業

  • The Mobile-First Company:VoodooなどのコンシューマーアプリスタジオにインスパイアされたB2Bモバイルアプリスタジオ

  • Altrove:AIとラボオートメーションを活用し、新素材の研究開発を加速する企業

  • Volta:B2B取引に特化したオンラインコマースプラットフォーム(ShopifyのB2B版)

地理的にも分散しており、16件の投資のうち8件がフランス、6件がデンマークやスウェーデンを含む北欧地域、さらにアメリカとイタリアにも1件ずつ投資が行われています。

3. Emblemの出資者と今後の展望


3-1. 出資者の構成

Emblemの初回ファンドには、200人以上のリミテッドパートナー(LP)が投資しています。これには、家族経営の投資会社(ファミリーオフィス)やテック業界の起業家が含まれます。

特に、注目すべきは、以下のような著名企業の創業者が投資している点です。

  • Unity

  • Pleo

  • Qonto

  • 3shape

  • Spendesk

  • Voodoo

  • Pennylane

  • JobandTalent

  • Ledger

  • Zendesk

彼らの出資額は、ファンド全体の50%以上を占めるとされています。

また、ファンド・オブ・ファンズ(複数のファンドを運用する投資ファンド)や、デンマーク政府系ファンド(EIFO)およびフランス政府系ファンド(Bpifrance)からの出資も確保しています。

3-2. 次のファンドに向けた展望

Emblemは、すでに次のファンドの計画を進めており、現在のファンドとほぼ同規模のものを目指しているといいます。

「今は、しばらく資金調達の必要がないので、その時間を楽しみたい。しかし、投資市場から完全に離れてしまうのは避けたい」とRaphélis Soissan氏はTechCrunchの取材で語っています。

「4年間で資金を投資しきる計画だが、すでに約半分を使っている。つまり、1年後にはまた資金調達を開始する必要があるだろう」と今後の展望についても言及しています。

厳しいVC市場の中で成功を収めたEmblemは、強力な投資ネットワークと戦略的な投資先の選定によって、初回ファンドの8,500万ドル調達を実現しました。

シードステージを中心とした25~30件の投資計画のうち、すでに16件が実行されており、今後の展開にも期待が寄せられています。

また、フランスと北欧を中心に、国際的な投資家からも支援を受けている点が特徴的です。VC市場が困難な状況にある中で、Emblemの今後の投資戦略と次のファンドの成長に注目が集まります。


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