Coinbase × 予測市場:なぜ今「The Clearing Company」を買収したのか?——“Everything Exchange”への野望と規制の壁
2025年12月、米国の金融業界において、かつてない規模の地殻変動が観測されている。それは単なる新商品の追加や、UIの改善といった表層的な変化ではない。金融市場の構造そのもの、すなわち「何を」「どこで」「どのように」取引するかという根本的な定義の書き換えである。この変革の中心にいるのが、米国最大の暗号資産取引所Coinbase(コインベース、以下COIN)だ。
COINは、2025年12月、予測市場インフラを開発するスタートアップ「The Clearing Company」の買収に合意した。このニュースは、単体のM&A案件として見れば小規模な「人材獲得(アクハイアリング)」に見えるかもしれない。しかし、その背後にある文脈――直前のKalshi(カルシ)との提携、連邦規制当局(CFTC)と州規制当局の法廷闘争、そして、競合であるRobinhood(ロビンフッド)やDraftKings(ドラフトキングス)の猛追――を俯瞰するとき、COINが描く壮大な戦略が浮かび上がってくる。それは、暗号資産という枠を超え、あらゆる事象の結果を金融商品として取引可能にする「Everything Exchange(あらゆる交換所)」への脱皮である。
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