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サイゼリヤフードファイト 環境考察2024秋


はじめに

サイゼリヤフードファイトが着実に市民権を得てきている。
SFFという略称もプレイヤー間で頻繁に使われるようになり、
楽しみ方も多様化してきているようだ。

2024年秋、このSFFブームを象徴する出来事があった。

SFFオフの開催である。

このチーム戦イベントの特徴は2つ。
初対面とランダムマッチでチームを組むこと、
そして遊戯王OCGとの複合競技であるということだ。

この2つの要素ゆえに、通常のSFFではお目にかかれない、珍しい光景が多く見られた。

未経験者がほとんどでありながらどのチームも目を見張るような構築を見せているのは、
遊戯王プレイヤーが常日頃から構築による自己表現能力を研鑽しているからだと推察する。

本記事ではこのイベントに焦点を当て、
これからの「SFF」の話をしよう。

複合競技としてのSFF


SFFの歴史を紐解くと、実は複合競技型はこのイベントがはじめてではない。

SFFの楽しみ方が広く検証された時代、
記録を伸ばすため、カロリー消費のため、
そしてなにより美味しく食べるために、
ランニング水泳をしてからSFFに臨むプレイスタイルが一定の人気を博していた。
移動手段も兼ねて、隣県の店舗まで自転車で向かう猛者も現れた。

複合競技型黎明期。当時は馬も活躍していた。

これはいつしか、前後の活動もSFFの一環として見做すプレイスタイルに発展し、複合競技型SFFとして一部で爆発的なブームとなった。

実はトライアスロンの起源は複合競技型SFFではないかという研究結果もあり、
家に帰るまでが遠足です」という言葉もまたこれが発祥であるとする文化人類学者もいる。

複合競技型最盛期。SFF以外の競技要素は激化の一途を辿った

複合競技型SFFでキーワードとなのは「ストーリー性」である。
SFFと他競技を一連の流れと見た時に、これらをどう表現するのか。
ここに面白さを見出すプレイヤーも多い。

一方で、縛られないことこそがSFFの本質である。
各競技を連動させるか否かは各プレイヤーの自由であることは忘れてはならない。

SFFオフ 2024秋 総括

前置きが長くなったが、SFFオフの話に戻そう。

あぷりこってぃ氏が主催した当該イベントは36名のSFFプレイヤーが参加した。
未経験の方が多く、SFFのさらなる流行を感じさせた。

イベントは遊戯王の対戦会後にSFFというアフターSFFであり、
どちらもランダムマッチによる初対面での4人チームで活動するスタイルであった。
対戦会ではチーム対抗でのクイズイベントやホワイトボードを使ったサイゼリヤ風間違い探しも催された。
プレイヤー間、特にチーム内での交流に焦点を当てた企画内容は主催のあぷりこってぃ氏の手腕が光っていた。

また、途中参加、途中離脱したSFFインストラクターのすてぽん氏の挨拶では

これからのSFFはみなさんで作ってください

という発言が職務怠慢責任放棄だと物議を呼んだ。

なお、筆者は遊戯王OCGに明るくないため対戦会関連の言及は避ける。

SFFでは、複合競技ならではの構築が散見された。
これは次項にて各論を述べる。

構築各論

チーム『IDenTiφs』

各々が食べたいものを尊重して楽しむ場にする』というコンセプトは、一見自由で穏やかな内容に見える。
一方でこれは自由の難しさ、窮屈さを真のテーマにしているとも受け取れる。
本イベントの遊戯王OCG対戦会のようなカジュアル交流会においては、お互いの希望を通すこと、尊重することの難しさがしばしば論点となる。
このチームはその問題提起と理想像をSFFで表現したのではないか。
すなわち、遊戯王対戦会と連動したテーマ性のある、複合競技型SFFならではの構築と言えるだろう。

チーム『S:P イタルナイト』

wow wow! 俺だけの wow wow!フルコース を作る』がコンセプトのこのチーム。
最後に「お前は こってぃ?」と主催者への問いかけで〆ている。

このように共用の注文フォーマットをベースに料理を当てはめていく構築はSFFでは『ザ・メニュー』と呼ばれ、
芸術点を平等に評価するのに最適なレギュレーションとして人気がある。

遊戯王のカジュアル交流会やKONAMI公式イベントでは、オリジナルの禁止カードや特殊ルールという独自の枠組みを用いたイベントがあり、その枠組みの中での表現力もまたプレイヤーの腕の見せ所である。
縛りがある中でこそ輝くものがあるのは確かである。
この「ザ・メニュー」もそれらのイベントに通ずるものがあり、このコンセプトは対戦会の流れを汲んでいると言える。そしてこのチームは枠組みの中で自由に表現をしてみせた。
主催者への問いかけは、チームからの挑戦状であろう。

チーム『外面似菩薩内心如美食』

1ページ1メニューずつ選ぶ』というコンセプトはSFFにおける『ドラフト戦』の亜種といえよう。
ドラフト戦の醍醐味は、自由形では選択し得ないメニューが選択肢に上がる点にある。
遊戯王におけるドラフト戦も採用の自由度を失うことで新たなカードとの出会いがある。
本イベントのランダムマッチもまたドラフト戦と同じく偶然の出会いを楽しめるイベントであり、
本イベントのコンセプトをSFFコンセプトでなぞる技法は巧みと言わざるを得まい。

チーム『ノーマウス』

チームメンバーのデッキ内最高攻撃力と総額を合わせる』というレギュレーションはSFFでは『ゼロワン』と呼ばれ古くより広く楽しまれている。

今回ここに遊戯王OCGのステータスを絡めることで対戦交流会との連動を取っているのは複合競技型SFFをよく理解している証と言えよう。

ゼロワンはポピュラーでありながらもメニュー選択の自由度の低さから最も窮屈なレギュレーションと呼ばれることもあり、『SFFはゼロワンに始まりゼロワンに終わる』という格言の通り奥の深い競技である。

ましてや設定金額をランダム性の高い方法に委ねているこのチームは、基本を踏襲しつつも高難度なレギュレーションに挑戦する、修羅のチームと言えよう

チーム『パスタ処理班Eチーム』

肉系品目全制覇』のコンセプトは、SFFにおける『限定構築』の流れを汲むものと推察する。

正確にはこれはレギュレーションではなく構築論であり、すなわちどんなレギュレーションであれプレイヤーの強い意志があれば組み込める戦略である。

限定構築として有名なのが八王子をメインに活躍する鉄板単チーム『A-chi-chiであり、限定構築と聞いてこのチームを想起するSFFプレイヤーも多いのではなかろうか。

遊戯王においてはモンスターのみを採用する【フルモン】は有名だが、罠カードのみで構築する猛者も存在する。
SFF、遊戯王どちらにおいても、限定構築はレシピの派手さの裏にある繊細な構築論こそが魅力であり、そんな高度な戦略をを初陣で披露したこのチームには脱帽である。

チーム『海造族-イエローコーン号』

イエローコーンを含むすべての前菜と間違い探しの制覇』という2軸のコンセプトのうち、前者は先述の『限定構築戦』の流れを汲んでいる。しかし、食材への着眼点が面白い。

コーンという名バイプレイヤーに焦点を当てた構築は、遊戯王ファンデッキ界隈における『エース構築』や『一本槍』を連想させる。勝ちではなく見せ方説得力に重きを置く構築論は遊戯王カジュアルプレイヤーならではの視点であり、遊戯王を前提とする複合競技型イベントだからこそ生まれた構築かもしれない。

チーム『S.F.F. ZELOS』

チーム名の由来たる《巨大要塞ゼロス》にちなんだ最大面積メニューと巨大戦艦の攻撃力に換算したチャレンジ量の設定』というコンセプトは新しいSFFの楽しみ方を提案している。

これはすなわち、食べた量をモンスターへのダメージになぞらえ、食べるごとに撃破していくというコンセプトにすることでSFFに別のゲーム性を与えている。

目的の変換は遊戯王カジュアル構築においても玄人テクニックとして散見されるものであり、たとえば遊戯王OCG外のモチーフを遊戯王のカードやデッキで再現するコンセプトデッキは新たな楽しみ方や目的を提示する。

SFFの殻を突き破らんとするこのコンセプトは、熟練プレイヤーほど唸らされてしまう高度な戦略と言える。

チーム『Tab↓』

アレンジ』というコンセプトは、まさに遊戯王カジュアルプレイヤーの本懐であり本質だろう。

高度かつ強力にデザインされたカード群やテーマという枠を如何に取り払い、どうやって独自性を見出すかは多くのカジュアルプレイヤーが目指すところである。
サイゼリヤが提供する完成された料理独自の構築論を追加して、さらなる高みへ昇華させんとするこのコンセプトは、SFFへの、サイゼリヤへのチャレンジであり、この溢れるエネルギーはこれからのSFFが更なる発展を遂げることを私に確信させた。

チーム『U.A.(運営) パーフェクトチーム』

運営チームは遅刻者や早退者を多く含むため、2名での挑戦となった。
お互いのコンセプトを当て合う』という楽しみ方はSFFでもあまり類を見ないコンセプトである。
一方で、『感想戦』はSFFプレイヤーの多くが経験するイベントであり、「感想戦をするためにSFFをしている」というプレイヤーもまれに存在する。

遊戯王カジュアル界隈では、試合後にお互いのデッキコンセプトを紹介しあったり質問したりする、まさに感想戦の文化が根強く人気である。たった一度の対戦では披露しきれない自らの構築や構築論を共有することではじめてオリジナルデッキとしての完成を見ると言っても過言ではない。

そういう意味で、遊戯王対戦交流会の締めとして感想戦にゲーム性を持たせたこのコンセプトは複合競技型SFFとして搦手でありながらも説得力のある、運営チームとしての威厳を見せるコンセプトであろう。

おわりに

イベント後、とあるポストを見かけた。

SFF複合型イベントは、二次会確約型イベントとして思わぬ効果を生んでいたようだ。

SFFを通じて新たな出会いと楽しみが生まれたことを、今じっくりと噛み締めている。

SFF創始メンバー、発展に尽力した方々、そしてすべてのSFFプレイヤーに感謝と祈りを。


画像:Artvee

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