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メルクリウスの囁き



絃と弦とのみちびきに

時を結んで翳を織る

鳴きの糸目の声さえも

象るものと絃に舞う

括る空音の色に観る

かがよう声は時に映え

風にささやく語り部のみち


時のながれに身を澄まし

匂うあしたの翳を聴く

かがよう歌は時をこえ

星のはやしの空に降る

眠れる森のひとしずく

語りていまは遥かなる

旅路の果ての夜明けの空に


時のかぎろう空に聴く

わすれた明日の残り香を

色に燃やして風に舞う

こころ模様の言の葉も

流すなみだの人にさえ

身にそむ夢のひとしずく

文よむ花の水脈と語りて


朝露のせた夢の野に

ひかる明日の足あとを

時のあわいの影はゆく

匂う言の葉舞うそらに

まなざし映えて風を聴く

時をかぞえし麗しの

みもすそ川の歌の声音に


時のながれの経糸を

くぐる杼(ひ)の矢はゆくりなく

こころの絃を結びゆく

星を掬いて鈴の音に

はるかな空のうたを聴く

遠きふるさと忘れじの

匂いと色の懸想のはてに


旅路の空の色に見る

うつ世に映えるまぼろしの

奇(くす)しき声に時は舞う

巡りてひらく約束の

星の語りはいまここに

注ぐまなざし色深く

道はこころのしじまのなかに


さだめの絃のただなかに

未知の手招き舞い踊る

時をつらぬく絃の音に

黙した明日が眼をひらく

響きの色も鮮やかに

夢もうつつの花と咲く

うつ世に贈る忘れ形見と









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