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18章                                 つながれて外に出た

扉は、前触れなく開いた。

金属のぶつかる音が、空気を切るように響く。
それまで続いていた流れが、そこで一度途切れる。

「マイケル」

名前が呼ばれる。

はっきりとした声だった。

マイケルが顔を上げる。
一瞬だけこちらを見るが、何も言わない。

そのまま立ち上がる。

周囲の視線が一度集まり、すぐに散る。

続けて自分の名前も呼ばれる。

身体が先に動く。
理由を考えるよりも早く、前に出ている。

外に出ると、空気の温度がわずかに違った。

廊下は同じように長い。
同じ色、同じ構造。

ただ進む方向が変わるだけで、流れが切り替わる。

二列に並ばされる。

周囲には、同じように呼ばれた外国人たちがいる。
名前が点呼され、短い返答が返る。

英語と、聞き慣れない発音と、単語だけのやり取りが混ざる。

やがて手錠がかけられる。

今度は一人ではない。

隣の男と、同じ金属でつながれる。

わずかな距離が固定される。

歩幅も、動きも、共有される。

外に出る。

光が強い。

だが、その意味は変わらない。

目の前には、装甲車のようなバスが停まっていた。

窓は小さく、外はほとんど見えない。

扉が開き、順番に乗り込む。

中は狭く、金属の質感がそのまま残っている。

座席は固く、互いの距離も近い。

男女で分けられ、女性たちは別の入口へと誘導されていく。

こちらは前の列に座らされる。

手錠は外れない。

隣の男の呼吸が、すぐ近くにある。

言葉は交わさない。

扉が閉まる。

外の音が一段低くなる。

エンジンがかかり、振動が背中に伝わる。

バスは動き出す。

窓の外はほとんど見えない。
ただ光だけが流れていく。

どこへ向かっているのかは分からない。

誰も尋ねない。

マイケルは正面を見たまま座っている。

その姿勢は変わらない。

バスは一定の速度で進み続ける。

止まる気配は、まだない。

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