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ドミノ・ピザの半額終了は、値上げではなく撤退戦の始まりに見える

ドミノ・ピザが、長年続けてきたお持ち帰り半額をやめる。

代わりに、持ち帰りは30%引きへ。

さらに、ほぼ全ピザでモッツァレラチーズ20%増量

会社側は、安さだけで選ばれるブランドから、商品価値で選ばれるブランドへ変えると言っています。(食品産業新聞社ニュースWEB)

言い方はきれいです。

でも外食の現場目線で見ると、これはかなりはっきりしています。

ドミノ・ピザ日本事業の守りへの転換です。

安売りで客数を取りに行く段階は終わった。

不採算店を閉める。

値引きを減らす。

残った店で利益を出す。

つまり、ピザを大きく焼く時代から、焦げた部分を切り落とす時代に入ったわけです。

ドミノは、コロナ期に日本で急拡大しました。2020〜2023年に400店以上を出した一方、コロナ後に需要が落ち、2024年には日本で最大80店の閉鎖方針、2025年にはさらに日本国内172店の閉鎖計画が報じられています。(Reuters)

ただし、店舗数が半減したまでは言いすぎです。

2026年版の宅配ピザ店舗数ランキングでは、ドミノ・ピザは934店でまだ1位。ピザハット616店、ピザーラ531店を上回っています。(ニッポンソフト)

だから正確には、
半減ではなく、コロナ期の過剰出店分をかなり削っている
という見方が近い。

宅配ピザ店は、普通の飲食店より作りやすい。

広い客席はいらない。

内装もそこまで豪華でなくていい。

キッチンと配達拠点があれば成立する。

つまり、増やすのは比較的簡単です。

でも、簡単に増える店は、簡単に過密にもなります。

同じエリアに店を増やしすぎれば、自社の店同士で食い合う。

ピザを配る前に、自分の店同士でチーズを奪い合っていたわけです。

昔の宅配ピザには、かなり強い特権がありました。

熱い料理を家まで届けられる。

これだけで強かった。

でも今は違います。

Uber Eats。

出前館。

menu。

Rocket Now系の宅配サービス。

ファミレス。

牛丼。

寿司。

弁当。

町中華。

イタリアン。

いまや、かなり多くの飲食店が宅配に来ます。

つまり宅配ピザは、昔のような宅配できる飲食店の王様ではなくなった。

いまは、宅配アプリ内の1ジャンルです。

王様が、フードコートの一角に座らされたようなものです。

半額持ち帰りも、昔は強烈な武器でした。

「家で食べるならドミノ半額でいいや」

これはかなり効いた。

でも長く続けると、客は学習します。

定価で買うのは損。

こうなると、もう半額がキャンペーンではなく、実質の基準価格になります。

店側から見ると地獄です。

原材料費は上がる。

人件費も上がる。

電気代も上がる。

配達コストも上がる。

でも客は半額を待つ。

これは、店が自分で自分の首にクーポンを巻いている状態です。

今回の半額終了は、その首輪を外したいということです。

ただし、客は当然こう言います。

じゃあドミノじゃなくていい。

これも起きるでしょう。

半額だから買っていた客は離れます。

でも会社側は、おそらくそれを織り込んでいます。

利益の出ない客まで追いかけると、ピザより先に会社が焼ける。

焼きすぎです。

炭です。

ドミノの今後の勝ち筋は、もう半額ではありません。

近い。

早い。

味が安定している。

価格が読める。

アプリが使いやすい。

ここに戻れるかです。

「安いからドミノ」ではなく、
「迷ったらドミノで大きく外さない」
という位置に戻れるか。

これが勝負です。

一方で、ピザーラやピザハットも楽ではありません。

ただ、ピザーラは日本発で、運営はフォーシーズ。ドミノほど急拡大していないので、急ブレーキの反動は比較的小さい。

ピザハットは国内600店超を展開しており、店舗網は維持・拡大寄りです。(ビジネス+IT)

つまり、ドミノの苦戦は宅配ピザ全体の厳しさを映していますが、同時にドミノ自身のコロナ期拡大の反動でもあります。

私の評価は、ドミノ・ピザ日本事業:Cです。

知名度は強い。

配達網もある。

アプリも強い。

商品力もまだある。

でも、コロナ期の急拡大と値引き依存で、ブランドの筋肉がかなり傷んだ。

いまやるべきことは、派手な半額ではなく、地味な体質改善です。

不採算店を閉める。

値引きを絞る。

商品を少し良くする。

配達品質を安定させる。

この流れ自体は正しい。

ただ、客がどこまでついてくるかは別です。

半額をやめたドミノは、いよいよ本当の実力を見られます。

半額の魔法が切れたあと、ピザそのもので選ばれるのか。

ここからが本番です。

安売りのチラシで膨らませた生地は、冷めるとしぼみます。

残るのは、味と店舗網と現場の力です。

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