トレーラーハウスマガジン⑨ レスキュー隊の後方支援車を提案します
こんにちは。
スタジオスケッチです。
トレーラーハウスの新たな提案を発信する【トレーラーハウスマガジン】。
今回はトレーラーハウスを使ったレスキュー隊の後方支援車を提案します。

災害時の後方支援という大切な役割
災害時のレスキュー隊や自衛隊の方々の救助活動に敬意を表しますと共に、最前線の現場は想像できないほど過酷なものではないかと思っております。
その上で、少しでも設計者として役に立つことはできなかと考えていた折り、レスキュー隊に後方支援車というものがあることを知りました。大規模災害の現場で長時間活動する隊員の環境改善や補給を担う車両です。
支援車は四つに区分されていて、
・I型: 災害現場で長期活動する隊員の生活をサポートする機能
(シャワー、トイレ等)が充実した大型車両。
・II型: コンテナを着脱可能で、資機材搬送に特化。
・III型: トラックベースで、20人以上の人員輸送や資機材運搬に対応。
・IV型: 現場での通信・指揮支援に特化した小型〜中型車両。
となります。
このうちI型については、総務省消防局「緊急消防援助隊の後方支援のあり方について」という公開資料で車両の仕様が紹介されていたので、転載させていただきます。

から転載
この資料には、東日本大震災での後方支援の支援体制についての調査結果も公開されています。以下、その一部を転載させていただきます。

から転載
ここで注目しましたのは下段の「うまくいかなかった事案」についての、
① 防寒や暖房の面で不足するところがあった。
④ 衛生面の装備が十分ではなかった。
です。
後方支援車は車両ベースで作られているようですので、創意工夫は十分にされていても、建築ベースの空間と比べると断熱性能や衛生設備に対しては限界があります。
これらの点は、建築ベースでつくる「トレーラーハウス」により解決できるかもしれません。
建築技術を用いることで改善できること
具体的には住宅同等の断熱性能へ高めた上で、トイレやキッチンなどの水回り動線と分離して十分な換気性能を有することで居住環境は変わります。できればトイレについては、トイレカーとして分離した方が良いかもしれません。
同時に、女性の社会進出への支援のため、更衣室も必要であると思います。
内装材は必要に応じて、消臭・抗菌の機能を持つ建材にすると同時に、清掃のし易さも配慮します。
そして、トレーラーハウス内部の機能を「就寝・衛生・基地局」に集約し、物資の搬送は別車両に役割を担ってもらうようにします。人が滞在する環境への機能性向上に特化することで居住環境を高め、レスキュー隊の方々の身体的負担を軽減させることができるよう、全体の設計像を打ち立てます。
このようなコンセプトのもと、後方支援トレーラーハウスを設計してみました。
後方支援トレーラーハウスの企画提案



ベッド・対策基地・更衣室の3つを有するものを、後方支援トレーラーハウスとしました。トイレはあえて別のトレーラーハウスとしています。現在、トイレトレーラーハウスは多機能で衛生的な車両が増えてきています。あえてベッドと一体化するより、日々進化している可動型トイレを積極的に取り入れた方が良いでしょう。
物資の積載輸送についても、専用の別車両とすることを前提としています。トレーラーハウスはシャーシの性能上、積載重量の制限があるため物資の輸送には不向きです。
プランについては対策基地とベッドの間に、男女別の更衣室を設けました。対策基地とベッドの間にもう一部屋(更衣室)を設けることで、就寝中での対策基地からの音漏れを減らします。もちろん、対策基地とベッドと間の壁は遮音仕様とします。
ベッドはロフトを設けることで、就寝できる人数を増やします。それぞれのベッドは遮光カーテンで区切ります。ベッドごとに照明と電源を配置します。
エアコンは対策基地、ベッドそれぞれに1台づつ設置します。
緊急時の電力確保のために屋根には軽量のペロブスカイトを設置して、対策基地に蓄電池も設置します。同時に発電車などの外部からの電力供給に、プラグイン接続できるように設計します。
このように隊員の方々への居住環境を改善しつつ、有事のエネルギー対策についても対応できるようにすること。衛生管理が必要な車両は清掃管理や設備の更新も含めて別車両としておくこと。このような全体計画を中心に考えてみました。
災害支援の最前線だからこそ必要な環境を届けたい
昨今、自衛隊の方々への処遇改善が推進されています。同じように災害支援の最前線の方々へも、後方支援トレーラーハウスなどを用いていただき、就労環境の改善に役立てていただければと思います。
もちろん、自衛隊の方々の活動や災害医療支援の方々にも、お役立ていただければと思います。
