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【企画案】新 恋愛シミュレーションゲーム



いやぁ、カービィのエアライダー、ワクワクしますね! 早く遊びたいです!


え? もう発売されてる……?
Switch2があれば? もう遊べる……?

いったい何の話をされているんですか……??

(泣)


しゅへと申します。

私は桜井政博さんによる自身のゲームのプレゼンが大好きです。きっと多くのゲームファンも同じでしょう。



私が特に好きなのは、桜井さんのゲームにはサプライズがある点です。他のゲームには無い発想の転換、「その手があったか!」という新しい要素がどこかに必ず入っています。

「スマブラ」で終点しか遊ばれない問題に対し、「全ステージを終点化できるようにする」という解決策を出したのがいい例ですね。

他にも、「パルテナ」における悪魔の窯、「エアライド」で初めて導入されたクリアチェッカー、「メテオス」の第二次点火など……。桜井さんのゲームには、それまでのゲームが抱えた問題点を発想の転換で(しかもより面白く)解決してしまった例がたくさんあります。



で、ここからが本題。

桜井さんが自らの仕事哲学、思考法を解説するという贅沢すぎるYouTubeチャンネルの動画を基に、私もひとつ、これまでにないゲームの企画を考えてみたいと思います。

もちろんゲーム制作の経験なんてありません。がんばる。


今回、私が取り組むのは「恋愛シミュレーション」というジャンルです。

いわゆる「ときメモ」や「ラブプラス」に代表される、キャラクターとの仮想恋愛を体験するゲームです。

なぜこれを選んだかというと、単に桜井さんから最も遠そうなゲームジャンルだからです。


まずはこちらの動画にある、「分解、考察、再構築」を恋愛シミュレーションに適用します。


【恋愛シミュレーションのゲーム性の分析】


恋愛シミュレーションをゲームと捉えた際に、このジャンルのゲーム性はどこに宿っているのかを考えます。

なお、ゲーム性は曖昧な概念ですが、これも以下の動画に紹介されるような桜井さんの定義に従います。


つまり、ゲーム性とは「リスクとリターン」のかけひきであると。

詳しくは動画を観ていただくのが一番ですが、日常用語としてのリスクとリターンからイメージされることと乖離はありません。虎穴に入らずんば虎子を得ず的なことです。


では、恋愛シミュレーションにおけるリスクとリターンとは何でしょう。

まず、一般的な恋愛シミュレーションゲームにおいて、プレイヤーがとれる行動はおおむね、以下の2つに分けられます。

行動内容の選択
→ 学園ものの恋愛シミュレーションであれば、1日の最初に提示される「今日は何をしようかな」に対する選択です。お目当てのキャラがいる体育館に行く、所持金が不足しているのでアルバイトをする、など。

会話内容の選択
→ 特定のキャラとの会話パートにおいて、主人公のセリフの選択肢が提示されることがあります。「キミはどんな髪型が好き?」とキャラが聞いてきて、「ポニーテール」「ショートボブ」「カチモリ」のうちどれかを選ぶ、のようなことです。

この2つの選択において、それぞれにリスクとリターンが存在します。

行動内容の選択
リスク:行動回数を消費する、会いに行かないキャラの好感度が上がらない(ないし下がる)
リターン:会いに行ったキャラの好感度が上がる、お金やパラメータ値などの報酬が手に入る

会話内容の選択
リスク:間違った選択肢は好感度を下げる
リターン:正解の選択肢は好感度を上げる、そのキャラに対しては何が正解で何が間違いかという(傾向性の)情報が手に入る



ここで、恋愛シミュレーションゲームにおける重要なメカニズムが3つ登場しました。好感度・行動回数・情報の3点です。

好感度
→ 好感度は文字通りキャラクターとの親密さを表す指標です。これと密接に関わっているのが「フラグ管理」、つまり特定の時期にイベントを発生させるために必要な好感度が設定されていることが多いです。

行動回数
多くの恋愛シミュレーションは主人公の行動回数に制限があります。たとえば学園ものであれば、高1の4月からスタートし高3の3月にエンディングとなる、といった具合です。3年間で150週、これをそのまま回数に当てはめて150回の行動回数が与えられたりします。

行動回数メカニズムは、「有限なリソース(資源)の管理」という側面を強く持っています。このリソースを「どのキャラに」「どう配分するか」という戦略性が生まれます。

情報
プレイヤーはゲームを進める中で、恋愛対象のキャラに関する「情報」を収集していきます。「何が好き?」「どんな話題に興味がある?」「抱えている悩みは何?」……。

これらの情報は、未来の選択肢を正しく選ぶための最大の武器になります。正しい選択肢を選んだリターンは、単に好感度が上がることだけではありません。「より深い情報が開示される」という、さらなるリターンがもたらされるのです。

この「情報収集 → 選択 → さらなる情報開示」というループこそが、プレイヤーが対象キャラを「知っていく」喜びそのものを形作ります。


小括

以上を踏まえて、改めて恋愛シミュレーションゲームの面白さを定義しましょう。

プレイヤーは、限られた行動回数をマネジメントして、特定のキャラクターの好感度を上げたり、情報を得たりする。

決められた行動回数内で規定の好感度に達すると特別なイベントが発生し、キャラとの関係性が深まったり、魅力的な物語が展開されたり、キャラ絵やボイスがもらえたりといった報酬がある。

これが一般的な恋愛シミュレーションの面白さとなります。


【恋愛シミュレーションゲームの再構築】


ではここから、分析して得られた要素に手を加えることで、新たな恋愛シミュレーションゲームの可能性を考えてみます。

今回は先ほど分析したメカニズムのうち、好感度システムに手を加えてみましょう。


好感度システムの再構築

好感度はさまざまなイベント開放、フラグ立てに必要な要素ですが、具体的にいまどれくらいの好感度なのかについては、明示されない場合が多いです。

これは行動回数マネジメントにおける不確定要素として機能しています。要は、いま自分の好感度が十分なのかの確信が持てない、というジリジリ感の演出です。それで、期日となり、晴れて夏祭りに出かける約束ができた!良かった!という開放につながる、と。

このように、好感度システムは行動回数マネジメントにおけるスパイスのような役割を果たしていますが、これがもし、好感度それ自体をマネジメントするようなメカニズムに変えてみたら、どうなるでしょう。

好感度が行動回数と同じくすべて数値化され、プレイヤー自身で管理できるようにすること。その上で、「好感度が低すぎれば嫌われる」だけでなく、「好感度が高すぎても良くない」ものとして再定義するのです。

一般的な恋愛シミュレーションにおいて、好感度は高ければ高いだけ良いものです。限られた行動回数の中で好感度を最大限まで高められれば、晴れて2人は結ばれ最高のエンディングが見られる。

これに対し、好感度の数値それ自体を「適切な幅にとどめる」というゲームにおいては、行動選択や会話選択に新たなリスクが生まれます。つまり、好感度が上がりすぎてしまうというリスクです。

すると、プレイヤーには妙なジレンマが生まれます。お気に入りのキャラがいて、このキャラと仲良くなっていろんな物語を楽しみたい。が、好感度を上げすぎると良くないことが起こるから、……うーん、という。


行動回数マネジメントではなく、好感度マネジメントという新たな恋愛シミュレーションゲームの可能性です。


そこで、こんな設定を考えてみました。





かなりバカバカしいですね、いかにも私が考えそうなことです。





【ゲームの流れ】


舞台となるのはA星〜D星の4つの惑星

ゲーム開始時に、ランダムでどれかの惑星に不時着します。

1つの惑星には、その惑星に暮らす「住人」と、特に深い関係を築くことができる3人のキャラクターがいます。特にキャラクターとの交流で、多くのst(スキトン)が得られます。ちなみにスキトンはスキンシップ・トンの略。スキトンが、すなわち燃料です。


主人公の宇宙船はワープ機能を失い、母星に帰れなくなりました。そこで主人公は、スキトンによる異星間航行で移動できるA星〜D星のどれか1つの星に永住することに決めます。

残りの人生を過ごす惑星ですから、しっかり内見してから決めましょう。ということで、各惑星の住人と交流しスキトンをためつつ、4つの惑星をすべて訪れて、最終的にどの星に住むかを決定するというのがゲームの目的になります。

その際、各惑星に住むキャラクターが、入居選択にとって最も重要な要素であることは言うまでもありません。

このキャラクターといっしょにいたい、だからこの星にする。この旅は、かけがえのないパートナーと出会うための旅でもあるのです。


【スキトン】


このゲームの根幹であるシステムが好感度燃料、スキトンです。

宇宙船には最大20000stまで貯められますが、それ以上のスキトンを獲得すると燃料タンクが爆発し宇宙船が吹き飛びます

各惑星にいるキャラクターは3人ですが、1人と交流を深めて最大まで仲良くなった場合、だいたい22000stくらいを1人で獲得できてしまいます。

つまり、最大まで仲良くなる=その星に永住、なのです。

あなたがまだ旅の途中であっても、仮にA星しか行ったことがなくても、22000stもの燃料を手にした瞬間に、他の星への移動手段は絶たれ、つまり他のキャラクターとの交流のチャンスも消滅します。

でも、それでいいなら、そうしましょう。

このキャラといっしょにいたいんだ!と思ったなら、迷いなく宇宙船をぶっ壊しましょう。それが愛です。


【惑星間航行のメリット】


では、最初の惑星で最高のキャラと出会えれば、そこで終わりにしていいのか。もちろん、終わりにしてもいいです。

しかし、もうこのキャラでいいかも……!と思ったとしても、あえてスキトンを16000〜18000st程度まで貯めて、その星を離れるメリットはあります。

A星からスタートして、B星→C星→D星と航行したとします。最後のD星でスキトンを貯めたら、そこで改めて、行ったことがあるA星(B星・C星)に戻ることができます。

もしくは、A星→B星→C星→B星(永住!)と航行することも可能です。スキトンが確保できる限り、行ったことがある星にはいつでも戻ることができます

そして、各キャラクターのイベントは、他の惑星での経験や入手アイテムによって分岐していくことがあります。

つまりお気に入りのキャラとのイベントを最大限楽しむために、あえて別の惑星に行くという選択もあるわけです。

それ以外にも、各惑星で容量ギリギリのstで出発しようとすると、そのときに一番仲のいいキャラから特殊なアイテムを渡されることがあります。

このアイテムを4つの星すべてで集めると、どの星にも永住しない、特別なエンディングが解放されるというウワサも……。




従来の恋愛シミュレーションが「愛を成就させる(100点を目指す)」ゲームだとしたら、このゲームは「愛を制御する(99点で止める)」ゲームです。

「特定のヒロインと結ばれる」という従来のゴール(リターン)を、このゲームでは「宇宙船の爆発=旅の強制終了」というペナルティ(リスク)として再定義しました。

「めちゃくちゃタイプな子に出会ってしまい、一瞬で燃料タンクが爆発して1つ目の星で旅が終わる」

「あえてギリギリを攻めて全惑星を周回し、ハーレムルート(全惑星コンプ)を目指す」


そんな、プレイヤーの性格が色濃く出るゲームになるのではないでしょうか。




とまぁ、こんなところで。

他にもいろいろ考えました。好感度を強制的に下げる緊急排熱システム、好感度を引力として活用するスイングバイ航法……。

が、そもそもこんなゲームねぇので

(ゲームのタイトル案 募集中です!)


桜井さんの「リスクとリターン」というレンズを通すと、方向性が定まっていそうなジャンルでも新しい遊びがいろいろと考えられますね。

では最後に、桜井さんのチャンネルで私が個人的に好きな動画を紹介して終わります。


生身の人間が動く映画などと違って、ゲーム上の映像では与えられる情報量が少ない。だからこそ身振りや演出を誇張するぐらいがちょうど良いのだそうです。

このお話はゲーム制作に限らず、より一般的な話として、パフォーマティブな言論がSNSで持て囃される理由を説明するのにも使えそうです。その人が何者なのかほとんどわからないような状況では、露悪的なくらいが安心できる。

こういう「ゲーム制作に限らず」も、桜井さんのお話の魅力ですね。


おわり。


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