AIにJ1順位予想をさせたら、マリノスが16位だった件
案の定、マリノスは16位だった
今回、20クラブ分の選手一覧・監督・2025年成績・百年構想リーグ成績をまとめたエクセルをもとに、AIに2026-27シーズンのJ1順位を予想してもらいました。
評価は100点満点。参照した項目は以下の7つです。
攻撃力・得点力
守備力・最終ライン
中盤の構成力
監督の采配・継続性
総合力・選手層の厚さ
補強評価
2025年成績・百年構想リーグの実績
※各項目に何点ずつ配分したかという数値的な内訳までは、AIの出力に示されていません。「百年構想リーグの結果をやや重めに評価している」という記述はありましたが、具体的な計算式までは非公開でした。
結果は次の通りです。

正直、驚きはありませんでした。
むしろ「案の定」という気持ちの方が強かったです。過去2年半の迷走を知っているマリノスファンなら、AIに聞くまでもなく、この評価はある程度予想できたのではないでしょうか。
この16位という数字を嘆くのではなく、根拠を一つひとつ分解して、どこが伸びれば順位が上がるのかを考えてみたいと思います。
AIが挙げた3つの根拠――新監督・2025年15位・百年構想13位
AIがマリノスを16位とした根拠は3つです。
1つ目は、新監督スティーブ コリカがオセアニア以外での指揮が初めてで未知数という点。2つ目は、2025年はホーランド監督解任などシーズン中の混乱が続き15位だったという前年成績。3つ目は、百年構想リーグでも13位という、2026年2〜6月に行われた直近の全20クラブ総当たり戦での結果です。
この3つは感情論ではなく、すべて数字と事実に基づいています。
興味深いのは、AIが同じ「新監督」というくくりでも、広島(新任ガウル監督)を4位、セレッソ大阪(新任マチン監督)を7位と評価している点です。
マリノスの16位は、単に「新監督だから低評価」なのではありません。直近2シーズンの成績不振と、コリカ監督個人の未知数(オセアニア以外での指揮経験がない)。この2つが重なって、評価を押し下げているのではないでしょうか。
2年半で7人目。「また変わるのか」という現実
AIの一覧表には、コリカ監督の欄に「新任」の一言しか書かれていません。
でも実際には、この裏に相当な迷走があります。
ケヴィン・マスカット監督が2023シーズンで退任。ハリー・キューウェルが就任するも2024年7月に解任。暫定でジョン・ハッチンソンが指揮を執りました。その後スティーブ・ホーランドが2024年12月に就任するも短期間で退任。2025年5月にパトリック・キスノーボが就任しますが、大島秀夫氏へのバトンタッチは同年6月24日付。在任期間は、わずか7週間ほどでした。
その大島秀夫監督も2026年6月に退任し、今季からスティーブ・コリカです。
数えると、2年半で7人の監督が入れ替わっています。1シーズンをまるまる指揮した監督すら、ほとんどいません。
AIから見れば「新任監督」の一行で片づいてしまいますが、ファンからすればこの数字だけで胃が痛くなります。この監督交代の連続こそが、AIの言う「未知数」の正体なのだと思います。
消えた「アタッキングフットボール」
マリノスには長らく「アタッキングフットボール」という合言葉がありました。アンジェ・ポステコグルー監督が築き、ケヴィン・マスカット監督が深化させたスタイルです。
キューウェル監督解任時、web Sportivaは「アタッキングフットボールは消えた」と評しました。その後の監督交代を経て、このコンセプトの実態はさらに曖昧になっていったように感じます。
今季、気になっているのは、コリカ監督体制になってから、スタッフも選手も誰一人として「アタッキングフットボール」という言葉を口にしていない、という声もちらほら聞こえてくることです。
これは、悪いことではないのかもしれません。ポステコグルーの亡霊を追いかけるのをやめた、という意味では健全な変化とも言えます。
ただ裏を返せば、今のマリノスが何を目指すチームなのか、その軸はまだ言語化されていません。この空白が、AIの評価にも滲み出ているように私には感じられます。
コリカ監督が目指す方向性――守備の再構築とサイドの"内側化"
コリカ監督は何を目指しているのか。
ヨコハマ・エクスプレスの新体制発表会レポートでは、コリカ監督自身が「攻撃ではアグレッシブにやっていく。そして守備でもアグレッシブにやっていく」と語ったと報じられています。加えて、Aリーグ時代のコリカ監督の戦術傾向として、守備からの再構築や、サイドの選手が内側に入ってプレーするスタイルへの志向が指摘されています。
こうした変化は、これまでのマリノスのイメージとは少し違います。
最初にこの情報を見たときは、本当にそれでマリノスらしさは保てるのか、という戸惑いもありました。ただ、監督交代のたびに戦術がバラバラだった状態から一歩進んで、コリカ監督なりの設計図が存在している。この点は、素直に評価していいはずです。
プレシーズン無敗。AIの"慎重評価"は本当に正しいのか
ここまでは悲観的な材料が多いように見えますが、明るい材料が一つあります。
マリノスは開幕前に行った4試合を無敗のまま、鹿島アントラーズとの開幕戦を迎えられる状態です。直近の練習試合ではJ1クラブ相手に1-0で勝利し、コリカ監督はクリーンシート(無失点)を達成できたことをポジティブに受け止めているとコメントしています。
もちろん練習試合であり、相手のコンディションや本気度もさまざまです。額面通りには受け取れません。
ただ、AIが「未知数」として慎重に見積もった評価が、開幕直前の現場の状況と本当に一致しているのか。この点は、まだ私にも判断がつきません。
守備の再構築という方向性が、無敗・失点僅少という結果にすでに表れ始めているのだとしたら、AIが参照しているデータ――2025年成績や百年構想リーグの結果――は、すでに過去のものになりつつある可能性もあります。開幕後、実際の試合を見ながら検証していきたいところです。
何が噛み合えば、16位より上に行けるのか
ここまでの分析から、マリノスが16位より上に行くために噛み合うべきポイントは3つだと思っています。
1つ目は、守備の再構築が机上の空論で終わらず、実際の試合で数字として表れること。2つ目は、サイドの選手が内側でプレーする新しいスタイルが、既存の選手たちにフィットすること。特に左サイド。3つ目は、この監督交代の連鎖がコリカ監督のところで一度止まることです。
AIの評価は「新監督だから未知数」という、慎重な見立てでした。でも、その未知数の中身を分解してみると、案外はっきりした観測ポイントが見えてきます。
8月7日、開幕戦の相手は王者・鹿島アントラーズです。この一戦で、プレシーズンの無敗がどこまで本物なのか、そして52点というAIの評価が正しかったのかどうか、早くも答え合わせが始まります。
私はこの開幕戦、どんな気持ちでキックオフを迎えることになるのでしょうか。皆さんは、コリカ体制の初陣、何位のマリノスを予想しますか。
