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焼き鳥が串に刺さっている理由

職人が焼き鳥を焼くとき、

一番気をつけていることがある。

それは、火傷をさせないことだ。

肉は、放置した瞬間に硬くなる。
フライパンで肉を焼いて、
「あ、やりすぎた」となる、

あの状態だ。

水分は抜け、
繊維は締まり、食感は死ぬ。

だから、
焼き鳥は火傷させない為に串に刺さっている。
何度も何度も細かく返す。

トングでも菜箸でもない。

指先の感覚で、
肉の状態を読みながら返す。

それが焼き鳥という食べ物の本質だ。
滴ってきた肉汁を、
ひっくり返し肉に閉じ込める。

そのイメージで焼く。

串の構造にも、
設計がある。

焼き台は中心が一番高温だ。

だから串の先端の肉は大きい。
水分が抜けていくから、
その分を見越しているのだ
根本の肉は小さい。
低温だからだ焼ききれないのだ。

一本の串の中で、
焼き上がりを揃えるための設計。

美味い焼き鳥とは何か。

食感か。
肉汁か。
香りか。

それは全部だ。

どれか一つでも欠けたら、
それは焼き鳥じゃない。

全部揃って初めて意味がある。

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