鶏の部位と火入れの関係
焼き鳥の部位は、全部で十数種類ある。
それぞれに焼き方が違う。
火入れの強さも、時間も、置く場所も。
でも一本ずつ覚えようとすると混乱する。
大きく3つに分けて考えると、全部つながる。
キーワードはスポンジだ。
鶏の部位はスポンジで考える
部位ごとに、水分を含む量が違う。
その差が、火入れの差になる。
スポンジをイメージしてほしい。
水をたくさん含めるスポンジと、
あまり含めないスポンジ。
火を入れすぎると、
水分が抜けてパサパサになる。
火が足りないと、
生のまま残る。
どれだけ水分を含んでいるかで、最適な火入れが変わる。
第一グループ「水分を多く含む部位」
きも、ささみ、心臓、内臓系
このグループは水分を最大限に含んでいる。
高密度のスポンジだ。
火を入れすぎると一気に水分が抜ける。
パサパサになる。
だから**強火で一瞬で仕上げる。
**レア感を残すことで、水分が閉じ込められる。
特にきもは中心ゾーンの強火で仕上げる。
時間をかけてはいけない。
一瞬が勝負だ。
第二グループ「普通の水分量の部位」
もも、せせりなど肉系
このグループは普通のスポンジだ。
水分と油分のバランスがとれている。
焼き鳥の王道部位がここに入る。
火入れの基本を覚えるなら、
まずこのグループから入る。
強すぎず、弱すぎず。
じっくりと均一に火を通す。
第三グループ「油分が多い部位」
皮、ぼんじり、手羽先など
このグループは水分より油分が多い。
スポンジというより、油を含んだ布に近い。
脂が多いから炎が上がりやすい。
炭の真上で焼き、脂を煙に変えながら仕上げる。
**時間をかけてじっくり焼くことで、余分な脂が落ちて香ばしくなる。
**手羽先は奥の低温ゾーンでゆっくり仕上げる理由がここにある。
スポンジで考えると、全部つながる
水分多い → 強火・短時間・レア感 水分普通 → 中火・均一に火を通す 油分多い → 時間をかけて・脂を落とすこの3つを頭に入れておくだけで、新しい部位を焼く時も応用できる。
**部位を覚えるのではなく、性質を覚える。
**それが焼き鳥の火入れの本質だ。
焼き鳥は、対比の料理だ
もうひとつ、大切なことがある。
差を意識して食べると、美味しさが変わる。
水分が多い部位と、油分が多い部位を交互に食べる。
食感が大きいものと小さいもの。
噛んだ時の水分量が高いものと低いもの。
その差が明確なほど、美味しいと感じる。
大きい・小さい。高い・低い。柔らかい・歯ごたえがある。
対比が、美味しさをつくる。
だから焼き鳥は一種類だけ食べるより、
色々な部位を食べた方が美味い。
部位ごとの差が、口の中でコントラストになる。
水墨画の白と黒のように、差があるから美しい。
差があるから、美味い。
焼き鳥は、対比の料理だ。
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