降圧薬・利尿薬を飲んでいる高齢者は要注意。熱中症で脱水に気づきにくい理由と、経口補水液の選び方
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夏本番になると、熱中症のニュースを見る機会が増えます。「こまめに水分を」「エアコンを我慢しない」といった対策はよく知られるようになりましたが、実は見落とされがちなポイントがあります。
それは「血圧の薬を飲んでいるかどうか」で、脱水のリスクや気づきやすさが大きく変わるということです。
今日は、薬剤師の視点から、降圧薬・利尿薬と熱中症の関係、そして経口補水液の選び方について整理します。
降圧薬・利尿薬は「脱水に気づきにくくなる」薬
利尿薬は、体から余分な水分と塩分を尿として出すことで血圧を下げる薬です。仕組み自体が「脱水を起こしやすい方向」に働くため、暑い時期は特に注意が必要です。
さらに厄介なのが、降圧薬全般に言えることですが、脱水で血圧が下がったときの症状(めまい、ふらつき、だるさ)が、薬の効果による症状とよく似ている点です。
「薬が効いているだけ」なのか「脱水が進んでいる」のか、本人も家族も判断がつきにくくなります。
高齢者はもともと喉の渇きを感じにくく、脱水に気づくのが遅れがちです。そこに降圧薬・利尿薬の影響が重なると、「二重に気づきにくい」状態になってしまいます。
血圧の薬を飲んでいる方は、喉が渇いていなくても、時間を決めて水分をとる習慣をつけておくと安心です。
経口補水液は、誰でも自由に飲んでいいわけではない
熱中症対策としてOS-1などの経口補水液を常備している家庭も多いと思います。ふだんの水分補給にはドリンクタイプ、食欲がないときや飲み込みにくいときにはゼリータイプを使い分けている方もいます。
ただ、経口補水液は水分だけでなく、ナトリウムやカリウムといった電解質もしっかり含む設計になっているため、持病によっては注意が必要です。
心臓や腎臓に持病があり、医師から塩分(ナトリウム)やカリウムの制限を指示されている方は、自己判断で飲むのは危険です。まずかかりつけ医に相談してください。
糖尿病がある方は、糖分の量が気になる場合があります。医師や管理栄養士に相談したうえで、経口補水液を水で薄めて使うという方法もあります。
薄めても、一般的なスポーツドリンクと同程度かやや多いくらいの塩分・カリウムは確保できるため、極端に効果が落ちるわけではありません。
「熱中症対策=とりあえず経口補水液」ではなく、持病がある場合は事前に医師へ確認しておくことが大切です。
家族ができること:事前確認と、薬の名前の共有
離れて暮らす高齢の親がいる場合、家族としてできることは主に2つです。
ひとつは暑くなる前に、かかりつけ医へ「夏の水分補給量」や「熱中症時の対応」について確認しておいてもらうことです。降圧薬・利尿薬を飲んでいる方は特に、医師の指示が個別に変わることがあります。
もうひとつは、親がどんな薬を飲んでいるか、家族も把握しておくことです。「血圧の薬を飲んでいる」ことがわかっていれば、体調が悪そうなときに「薬の影響かもしれない」「脱水かもしれない」と早めに判断でき、対応が遅れずに済みます。
持病や服用中の薬との組み合わせで注意したい市販薬・経口補水液については、症状別・持病別にまとめたサイトも運営しています。
暑い季節を、できるだけ安心して過ごしてもらえたらと思います。
