【読書感想】考察する若者たち
この本は一言で言うと
「令和に入って流行ったものを元に、なぜ若者たちの考え方が「正解」を求めるようになったのかを考察する」
である。
本書の冒頭ではまず、若者の「物事への考え方」として、身体で実感できる素朴な感覚や感情を、より直接的な「意味ある時間」に変えた方が良いという考え方へと変化していることを指摘している。
その根底には「意味ある時間」を求める若い世代の消費行動は「報(むく)われ行動」であることと述べられている。
行動が報われることを望むのである。
その代表的な例として、考察動画の流行を挙げている。
ひと昔前は、考察よりも批評の方が多かったそうだ。
確かに私自身、近年YouTubeで考察動画をよく目にするようになった。
私は考察動画はあまり好きではないので嬉しくない変化である。
ここで作中で定義されている「考察」と「批評」を示す。
【考察】
作者が提示する謎を解くこと=正解がある
【批評】
作者も把握していない謎を解くこと=正解がない
正解のない「批評」よりも、正解と思しきものがある「考察」を若者は求めるようになっている、というわけだ。
これは完全に個人の話になるのだが、私は作者の提示する正解を探す考察よりも、自分だけの正解を探す批評の方が好みだ。
ではなぜこのような変化が起きたのか?
それで本文では、「令和に流行したもの」と「平成に流行したもの」を対比させながら、その理由が分析されていく。
例の一つとして挙げられていたのは「萌え」と「推し」だ。
確かに私が学生の頃は「萌え」という言葉をよく聞いたが、最近はほとんど耳にしなくなった。
身近な感覚としても、時代の移り変わりを感じる。
終盤では、「報われ行動」から距離を取るためのヒントも示されている。
若者文化やコンテンツの見方に少しでも違和感を覚えたことがある人なら、一度読んでみる価値のある一冊だと思う。
最後になるが、この記事を最後まで読んで頂いてありがとうございました!
よければフォローしてもらえたら嬉しいです。
