キッザニアの余韻と、父の反省
今日もいつも通りの朝。
いつもと違うのは、嫁と子どもたちが俺の起きる時間にはもう起きていたこと。今日はみんなでキッザニアへ行くらしい。
こんな光景はめったにない。普段の朝は一人で過ごすことが多く、少し寂しく感じることもある。でも今日は違った。
いつもより早起きした子どもたちは、まだ完全には目が覚めていない様子。眠そうにボーっとしている姿が、なんだかかわいかった。
「じゃあな。楽しんでおいでや!」
そう声をかけて家を後にする。
久しぶりに「行ってきます」のタイミングで、子どもたちとタッチをした。
ほんの一瞬のことやったけど、それだけで朝から少しうれしい気持ちになれた。
出勤してしばらくすると電話が鳴った。
後輩からだった。
「扁桃腺が腫れて熱が出てるので、今日休みます。」
昨日もかなり暑かったし、もしかしたら熱中症も重なっていたんちゃうかなと思う。
「まじか……。」
今日は材料の入荷、ウェイトの積み込み、曲げ加工をお願いしていた加工屋さんへの引き取りなど、やることが山ほどある。
後輩が休みになったことで、一人で回せるように朝から工程を組み直すことになった。
まずは倉庫の鍵を開け、フォークリフトを出す。
盆休み中に入る工事の資材を一つずつ確認し、準備漏れがないかチェックする。
今のところは大丈夫そう。
そうこうしているうちに、型鋼関係の鋼材屋さんが到着し、荷下ろし開始。さらに別の材料も次々と届く。
朝から慌ただしく動き回っていると、今度は現場から電話。
内容を聞いて思わず、「それ、わざわざ電話せなあかん内容なん?」と心の中でツッコミを入れてしまう。
そんなこんなで、朝からバタバタ全開のスタートになった。
幸い、今日は発注業務はほとんどなかった。ただ、その代わりに材料や荷物の入荷がとにかく多い。
在庫用で発注していた電気部品も大量に届く。
昼前にはウェイトの引き取りが来た。うちの工場で積み込むのは7.5t。無事に積み終えてひと安心。
昼過ぎになると、早く曲げ加工品の引き取りに行きたい。でも次から次へと入荷が続いて、なかなか会社を離れられない。
夕方前になっても、一軒だけ来るはずの材料が届かない。
確認のため電話をすると、
「受け取り表のハンコ欄に違う会社のハンコが押してあります。」
とのこと。
……そんなん知らんがな。
どうやら配送の人が、別の会社で荷物を降ろしてしまったらしい。
「すぐに引き取ってお届けします。」
そう言ってもらえたけど、こちらももう待っていられない。曲げ加工品の引き取りに向かうことにした。
無事に引き取って会社へ戻ると、届いていなかった材料もちゃんと到着していた。
結果オーライ。よかった、よかった。
現場組はまだ戻ってきていなかったけど、自分はそこで仕事を終えて帰宅した。
家に帰ると、嫁と子どもたちはちょうどお風呂に入っていた。
キッザニアでたくさん遊んで疲れているから、ご飯の途中で眠くなってもいいように先に入ってたみたい。
そのあと家族みんなで晩ご飯。
今日一日の出来事を子どもたちが楽しそうに話してくれた。
相当楽しかったみたい。
俺は仕事で行けなかったけど、子どもたちがそんな笑顔で話してくれるなら、それだけで十分やと思えた。
ご飯を食べ終えて、自分もお風呂へ。
上がってから少しゆっくりしていると、子どもたちは寝る時間。でもまだYouTubeを見ながらのんびりしている。
嫁が先に寝に行った。
「そろそろ歯磨きしなあかんで。」
そう声をかけても、なかなか動かない。
しばらくしてもう一度、
「歯磨きしいや。」
と言うと、
「歯ブラシ取ってきて。」
そんなやり取りが続いて、つい我慢できず、
「いい加減にしなさい! 自分で取りにいかんかい!」
と強く言ってしまった。
怒らせるなよ、と思う反面、しょうもないことで怒ってしまったな、と反省する自分もいる。
仕事で朝からずっとバタバタして、気を張りっぱなしやった一日。疲れていたこともあって、いつもなら笑って流せるようなことにも余裕がなくなってしまっていたんやと思う。
子どもたちにとっては、すごく楽しい一日やったはず。
最後も笑顔で終わらせてあげなあかんかったな、と少し反省。
明日はもう少し心に余裕を持って過ごしたい。
