「あなた、コロナにかかってますよ」16話
新型コロナによる肺炎で入院した私。
見えない存在『田中』チョイスによる、
我が家の近所にある病院の、広くて快適な大部屋をひとり占めし、美味しい食事を提供していただくという
『あこがれのスイートルーム生活』(ただし、酸素チューブと点滴つき)
を送っている。(不謹慎な表現でスミマセン)
さて。鬼スパルタコーチ『田中』のいう、「オマエのやるべきこと」とはなんなのか。『田中』は、私にその仕事をさせるためにこのスイートルーム……もとい、病室を選んだというから私は”死ぬ気で”それに取り組まないとならない。
でもこの状況では、もうどうしたって「書くこと」しかないんだけど。笑
じつは私は、自宅で高熱にうなされてるときから
(くっそー、熱がさがったら絶対この顛末本にしてやるぞ!!)
と思っていた。だから『田中』に言われてすぐピンと来た。
看護スタッフさんに聞いたら、家族に荷物を持ってきてもらうことは可能だという。(ただし、病院入り口で警備員さん預けという形だけど)
なんだよー
だったらあの時、必死こいて荷づくりしなくてもよかったなー
と思わなくもなかったが、私は、娘に連絡して他に欲しいものいくつかとともに「コピー用紙いっぱい」をもってきてもらい、ひたすら書いた。
……いや、ひたすらは盛り過ぎた(申し訳ございません!)。
実をいうと、起きっぱなしは本当に疲れる。元気な時は何時間でも座っていられるのに(いや、これも盛りました!笑)なんと、10分もすると息が切れてくるのである。しかも点滴の針が右に刺さっているため(はじめに左利きって言っちゃったからね)、書くために右手を動かすと点滴が逆流してしまうのかそのたびに ♪ピコーンピコーン♪ とアラームがなりはじめ、ナースコールで「すみません、点滴エラー出ちゃいました」と止めてもらいに来てもらわねばならなくなるのである(苦笑)。
それでも私はその、10分15分のなかで出来る限り、小さな移動テーブルのうえで、コピー用紙にシャープペンで小さな文字をコツコツと書きためていった。疲れたら横になり、今度はスマホでブログを更新することにした。これまで大して更新していなかったが、とりあえず
入院したこと と 『田中』のこと
を、さらっと書いた。
さらっと書いたものの、心配だった。
うーん、、、『田中』のこと、いきなり書いちゃって大丈夫かな。
読んで引かれないかな。。。
ヒジョーに空気を読む私。たいしてアクセス数のつかないブログにもかかわらず、読み手の反応がとっても気になる。もちろんウソはついてないし、自分のブログだもの、何を書いたっていい。けど……。
しばらくしていいね!の数をチェックしたら、ゼロだった。
(やっぱり……)
なんだか気持ちが暗くなった。
やっぱりあんなこと書かなければよかった。
それからは落ち込んでしまって、なんだか何も手につかなくなってしまった。ひとりってこういうとき、気分転換できないのね。普段子どもたちがいて「ひとりになりたい…」と常々思っている私だけど、助けになっている瞬間も多々あるんだろうな、とふと思った。
すると。
オマエ、落ち込んでるんだろ。
どうせブログのいいねがついてないとか、そんな理由で
とすかさず鬼コーチのツッコミが入り、またハッとする私。
(急に話しかけられるのに慣れないのだ、まだ)
あのな、バズる前って必ず静かなときがあるんだよ。なんの反応もなくてシーンとする時間帯が。そこでイジイジしてちゃダメなんだ、ただ淡々と自分のすることをやってればいいんだよ。
…いいこと言うよね、うちの鬼コーチ。
私はさ、これまでいつだって周りの人の目を気にする人生を送ってきたんだよね。最近はそうじゃないように努力してたけど、それでもこんなに気にしちゃうんだもの。
結局、『田中』が言いたいのは、もう周りの反応にふりまわされる人生をやめて、
自分、自分の心のうちだけに集中する生活
をしてみろよ、ってことなんだよね。
何もすることなく、ひとりでいられる環境はどうしたって自分と向き合わざるを得ない。私は『田中』の話に深く納得してしまったのだった。

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