選挙「公報」は「広報」じゃない。
連日、衆議院選挙の話題で持ち切りである。
結果によっては、(ウワサだけでも、かなり動揺がみられる)株価や為替が大きく動く可能性もあるので、それを気にしているビジネスパーソンや投資家も多いだろう。私も、その隅っこにいるひとりだ。
個人的には、選挙が終わって当選してからが、政治家にとって「本番」のような気がするので、すこしモヤる。
日々の政治活動って地味だし、とくに国会議員さんともなれば、中央に行っていて地元から離れていることも多いので、「あの人、働いてはるなー」と実感しにくい。
だから、選挙のときに張り切っている人、目立っている人が、できる政治家のように思ってしまうことも。気をつけなくては・・・。
さて、
みなさんは投票前に、「せんきょこうほう」を見たり読んだりするだろうか? また、「せんきょこうほう」と聞いて、
選挙広報 だと思った人はいないだろうか?
正しくは、選挙公報だ。
「広報」と「公報」はどう違うのか?
「広報」と「公報」の違いは、情報発信の主体と目的です。
広報は企業や団体が事業や商品を広く知らせて信頼を得る活動(PR)です。一方、公報は官公庁や行政機関が条例・規則などを市民に周知する公的な報告です。
前者は広範な層への認知拡大、後者は正確な事実伝達を重視します。
また、戦前は「広報」を「弘報」と表記し、情報発信の一方向的な性質が強かったですが、戦後は「PR(双方向のコミュニケーション)」の考え方が導入され、親しみや理解を求める「広報」の表記が一般的となりました。
noteを検索したら、「広報」のプロを名乗る方が、「公報」のルールを解説してくれていた記事があったので、引用させていただく。
一般的な企業やお店の「広報」用ツールと違うのは、
サイズなど、いろいろ細かいルールが決まっていること。
しかも、「これで完成です」と提出したら、後から変更したり、アレンジして使うことができない。失敗できない。
レギュレーションを守りながら、他と差をつけるためのコツが、まとめられてあり、レイアウト案も載っていた。さすが、広報のプロ✨
以前の私なら、余白を活かし、写真やキャッチコピーを効果的にレイアウトしたデザインを見て、なるほど~ と思っただろう。
でも、今日の私は、ちょっと違うのだ。
視覚に障害がある人のための公報を手伝ってみたら・・・
というのも、知人の紹介で、
選挙公報の「読み上げ用データ」をつくる仕事を請負ったからだ。
ボランティアレベルの報酬しか出ないが、
・選挙権のある人には、できるだけ必要な情報を得て、投票に行ってほしい
・音声化しやすいテキストとは、どのようなものか?知りたい
・地域や党によって、読み上げデータへの対応に差があるか?知りたい
そんな気持ちから、引き受けることに。
本日が初日。
・・・想像以上に、大変な作業であった。それに、これって投票日に間に合うのだろうか? と心配にもなった。
視覚障害がある方にとって、選挙公報がどんなものなのか、当事者目線で教えてくれるのが、キャリア形成支援プロジェクトTUCURUさんのnoteだ。
文字読み取りの技術は年々進化を遂げているようなので、PDFでアップロードされている各選挙区の公報を、リーディングモードで読み上げることはできる。
だが、そのやり方だと、
凝ったデザインの公報ほど、テキストを読む順番がデタラメになり、まったく意味が通じなくなる!!!
キャッチコピー
3~5つほどの政策とその詳細が、違う組み合わせで読まれる
プロフィール(固有名詞は誤読だらけ)
詳しくはYoutubeへ(QRコードは読まれない)
比例は〇〇党へ(党名ロゴも読まれない)
候補者名(なんで、最後やねん!
てな具合だ。
これを候補者全員分、続けて聴かされたら、もう、誰が誰やらわからない。「知りたい」という気持ちがあっても、萎える。
これを、デザインによる目線の誘導なども考えて並べ直す。
候補者名、政党名、公認の有無
プロフィール(ルビ付きで)、URL、QRコードがどこにあるか
政策を詳細をひとかたまりずつ(改行とスペース活用)
これを読み上げるようにすれば、ストレスなく聴けるはず。
というわけ。
サンプルとして、今年の福井県議会補欠選挙の公報(一部抜粋)をお見せしよう。

ポッドキャストで紹介したら、視覚に障害をもっている常連リスナーさんが、「これは、点字の手法を生かしていますね」と教えてくれた。
なかには、最初からアナウンサーのような方に頼んで、音声ファイルを提供している選挙区もある。
しかし、今回のような急な選挙では、ていねいな対応はむずかしいだろう。
準備が必要なのは、立候補者だけではなくて、実は有権者にも「必要な情報を得るための時間」が必要なんだな と知った。
まぁ、私は困らないんだ。けど、さ。
選挙区、政党、さらに立候補者それぞれで、対応がバラバラなのだ(想像以上に)
五体満足で、ネットにもテレビにも新聞にもアクセスできる私は、ついつい選挙戦をイベントのように捉え、血沸き肉躍る?情報に食いついてしまう。
たとえば、「選挙ドットコムちゃんねる」。
ネット上で、各党のネット上での話題性を、ポジティブとネガティブとの比率で分析していた。
面白かった。けど、なんだか、こわいなー とも感じてる。
動画やXなどで、刺激的に語られる「選挙」は、
公報ではなく広報だし、それを超越した情報戦といったほうが、適切かもしれない。
そこに、障害を持つマイノリティな有権者が関与するスペースは、あるんだろうか。
票取り合戦だから、多数派の興味をひいた候補者や党が勝つ。
読み上げデータなんて、どうでもいい、後回し!
と考える人のほうが、「選挙に強い」のかもしれない。
だけど私は、何人もも選挙公報ファイルと向き合ってみて、ひとりでも多くの有権者に自分の思いを伝えようとしている人かどうか、以前よりずっとずっと気になるようになった。
時間がないからといって、複数候補者の公報をコピペで済ませている党がある一方、読み上げデータを自分たちでつくって提供している党もある。
やれ陰謀論だ、裏工作だ とSNS上はにぎやかだが、
ゴミ箱直行になりがちが公報だって、いろんなことが詰まっているのだ。
明日もデータ制作、がんばります。
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