屋根編 最終回:私たちの選択と、1年住んでみた正直な感想
これまで屋根の形、屋根材について書いてきました。
最終回の今回は、いろいろ学び、悩み、比較した末に出した
私たちの選択と、1年住んでみて感じたことを正直に書いていきます。
(写真は建築途中の我が家です。)
■ 私たちが屋根で大切にしたこと
前提にあったのは、
太陽の力をうまく活用する家にしたいという考えでした。
夏は暑すぎる。
でも冬は、そのエネルギーを少しでも取り込みたい。
機械に頼るだけでなく、
設計そのもので快適性を底上げしたい。
そのために考えたのが、
日射取得と日射遮蔽のコントロールです。
夏は防ぐ。
冬は入れる。
シンプルですが、
この考えを軸に屋根形状を決めました。
■ 屋根の形:寄棟 × 軒90cm
我が家は南側道路・ほぼ正方形の土地。
南側半分が庭と駐車場です。
そこで選んだのが、
軒を90cm出した寄棟造り。
90cmという数字は、
見た目のバランスだけでなく、
日射角度を踏まえた上での選択でした。
夏至前後の強い日差しは、
軒がしっかりと受け止め、
1階リビングの窓下端まで影を落とします。
一方、冬至前後は太陽高度が低いため、
日差しは室内奥まで届きます。
※もちろん、これは地域や敷地条件によって変わります。
我が家では、
「夏は防ぎ、冬は入れる」が成立しています。
そしてもう一つ。
外観はシンプルモダンです。
装飾を抑え、水平ラインを強調したデザイン。
その中で、深い軒はとても相性が良いと感じました。
陰影がはっきり出る。
少しどっしりとした安定感が生まれる。
落ち着いた佇まいになる。
機能を優先しましたが、
正直に言うと、この見た目が好きでした。
性能とデザイン。
どちらにも納得できたのが、この選択です。
■ 屋根材:アイジー工業 スーパーガルテクト
屋根材はガルバリウム鋼板。
具体的には
アイジー工業のスーパーガルテクトを選びました。
ガルバは錆を苦手とします。
そのため、まず考えたのは立地条件でした。
私の住んでいる地域は海から離れており、
塩害リスクは比較的低いエリアです。
この前提があったからこそ、
ガルバという選択肢が現実的になりました。
スーパーガルテクトは断熱材一体型の構造で、
屋根材自体に断熱層を持っています。
さらに遮音にも配慮された設計。
保証は
塗膜保証15年・穴あき保証25年。
重量、保証内容、施工実績、価格。
調べた中で、
「総合的に安心できる」と感じた商品でした。
突出した一点性能ではなく、
バランスの取れた屋根材。
それが決め手でした。
■ 見積もりの差額
当初の標準仕様は
スレート(コロニアルグラッサ)。
そこから
・スーパーガルテクトへ変更
・軒を90cmへ延長
この2点で増額は約90万円。
決して小さな金額ではありません。
何度も本当に必要か考えました。
ですが、
・軽量化による耐震面の安心感
・将来の再塗装頻度
・断熱・遮音性能の向上
・軒による日射制御効果
それぞれを単体ではなく、
「長期的な住み心地」として考えました。
何十年も住む前提であれば、
納得できる投資だと判断しました。
1年間住んでみて
春夏秋冬をすべて経験しました。
我が家は2階建てで、
寝室と書斎は2階にあります。
屋根に最も近い空間での体感です。
■ 断熱性
真夏(外気35℃以上)
2階の平均気温:約26℃
エアコンなしの14時頃で最高30℃
正直に言うと、
30℃で1日エアコンなしで過ごすのは厳しいです。
可能ではありますが、
快適とは言えません。
冬(外気0℃以下)
2階の平均気温:約17℃
エアコンなしの明け方で最低14℃
こちらも、
14℃で終日過ごすのは現実的ではありません。
ただし――
エアコンをつけると、
設定温度までスムーズに到達します。
冷暖房の効きが良いと感じています。
春と秋は、ほぼエアコンなしで20℃前後を維持。
大きな温度ムラを感じることはありません。
■ 遮音性
金属屋根で一番心配だったのが雨音でした。
実際の感想は、
聞こえるけれど、気になるほどではない。
豪雨時はもちろん音はします。
ですが、
会話や睡眠を妨げるレベルではありません。
以前住んでいたアパート(スレート)や
実家(瓦)と比べても、
特別うるさくなったとは感じていません。
「金属屋根=うるさい」という先入観は、
少なくとも我が家では当てはまりませんでした。
■ 今のところの結論
悩み、調べ、比較し、
増額も受け入れて選んだ今回の屋根。
今のところ、
私たちにとっては正解だったと感じています。
もちろん、
想定通りのメンテナンス周期になるのか。
長期耐久性はどうか。
それはこれから分かることです。
ですが、
自分たちの地域、気候、暮らし方を考え、
納得して選んだ。
そのプロセスに後悔はありません。
屋根編はこれで一区切り。
これから家づくりをされる方の、
何か一つの判断材料になれば嬉しいです。
次回は間取り編へ。
暮らしの中身へ進みます。
