No015_モバイルバッテリー【登山の道具をまとめて紹介しよう】
登山を始めてから、モバイルバッテリーに対する考え方が少し変わってきたので、少し纏めておこうと思います。
以前は単純に、
軽い方が良い
大容量が良い
急速充電できた方が良い
小さい方が良い
当然そう考えていましたし、
今でもそれ自体は間違っていない大前提だと思っています。
実際、最近のモバイルバッテリーの進化は本当に凄いなぁと思います。
昔では考えられないようなサイズだし、
ノートPCまで充電できる時代になりました。
なのですが、
山へ行くようになってからは、少しずつ
「スペック表だけでは測れない部分」が見えてきたような気がします。
もちろん、
これから書く内容はあくまで私自身の感覚や経験に基づく話で、
私は技術者でも研究者でもありませんから、
正しい解釈ではない部分もあるかもしれません。
それでも、現場で感じたこととして、
誰かの道具選びの考え方の参考になればと思い、
少しだけ整理してみようと思います。
山では、「理論値」より「再現性」が重要な気がする。ってことについて
2,000mを超える環境では、電子機器が普段通り動かない事があります。こないだ行った八ヶ岳の赤岳鉱泉では、SOTOのウインドマスターの電子着火がうまく機能しませんでした。
もちろんこのバーナー自体、信頼性は高い製品です。
それでも、
低温
湿気
環境変化
などによって、「いつも通り」うまくいかない瞬間があります。
そのため、私はフリンジ式(火打ち石式)のライターを必ず補助として持って行ってます。
補助なのに必ず必要という(笑)
これは「スペック不足」への不安というより、
「必要な時に、いつも通り動かす。」ことに対する備えなのだと考えています。
モバイルバッテリーにも言える、少し似てる部分
5月の北アルプス 残雪期の立山でも、モバイルバッテリーが普段通り動かないように感じる場面がありました。
残量はあります。
壊れているわけでもありません。
ただ、妙に不安定になる感覚がありました。
後から調べると、リチウムイオン電池は低温下では内部抵抗が増え、電圧が不安定になりやすいようです。
つまり、
「容量が減る」というより、
「必要な瞬間に、必要な電圧を維持できない」
という事が起きるらしいのです。
これが山では少し怖い事ですよね。
そんな事を、グルグルと考えている時期がありました。
私が使っているモバイルバッテリー
そんなことがあったものだから、
現在、私は用途によってモババを使い分けています。
Silicon Power(20,000mAh と 10,000mAh)

このモバイルバッテリー、
急速充電性能は、正直そこまで高くありません。
ただ、
軽い(20,000mahで311g / 10,000mahで171g) これはかなり軽いです。
ちゃんとしてるメーカー
比較的安価
発熱が少ない気がする
動作が安定している印象がある
という安心感があります。
スマートウォッチ、 カメラ、 ヘッドライト、 イヤホン、 ココヘリなどには必要充分です。派手さは全くありません。地味です・・・。
SP(シリコンパワー)知らない人からすると、大丈夫なん?と思われてしまいそうな面持ちです。。。
ですが、褒めるとしたら「無理をしていない感じ」がある気がしています。乱暴な褒め方か?
いやまぁ、これは完全に感覚的な部分ですけど。
ただ、
出力を無理に上げていない
高密度化を攻めすぎていない
熱設計に余裕がありそう。なんとなく。
といった方向性が、私にしてみれば結果的に安心感に繋がっているのかもしれません。
CIO SMARTCOBY Pro SLIM
一方で、ノートパソコンのSurfaceの充電などには
高出力なCIO製も使っています。
小さい。軽い。高出力。
街でも山でも非常に便利です。けっこう尖ったスペックで、これは大ヒット商品ですから知っている方も多いかもしれません。
ただ、以前一度、筐体膨張がありました。
メーカーへ連絡すると、対応は非常に迅速で、丁寧に状況も確認されて、信頼が持てました。
無料で交換対応に応じて下さいました。
ま、それでも、テント内で充電している時などは、少しだけ緊張感があります。やっぱり凄いけど、攻めたスペックだと感じますもん。
これは多分、
「小型・高出力・高密度」
という技術的な難しさを、私自身どこかで感じていて、メーカーの技術レベルを疑う訳ではなくて、物理的に心配って感覚があるからなのかもしれません。
つまり世の理みたいな感じの話です。
いうなればスポーツカーと普通車を比べるみたいなイメージでしょうか。
「最強の1台」ではなく、「役割分担」
以前は、
「全部これ1台で済ませたい」
と思っていました。軽いし、考えなくて良いし。
ただ最近は少し考え方が変わって来てまして、
高出力が必要な機器
長時間安定してほしい機器
低温環境
テント泊
行動中
それぞれで求める性格が違うような気がしています。オールマイティ万能型があればそれがいいんですけど、なんか良いのないか探してるところです。
そのため現在は、
・CIO → 高出力・機動力
・Silicon Power → 安定運用
という使い分けになっています。
これは結果的に、熱負荷や役割の分散にもなっているのかもしれません。
「保守的」という考え方
面白いのは、この感覚が仕事にも少し似ている気がする事です。
世の中には、
速い人
攻める人
小さく高性能を作る人(求める人)
がいます。一方で、
慎重な人
再現性を重視する人
余裕を残す人(あそびの部分というか余白というか)
もいます。
どちらが正しい、という話ではないと思います。
ただ、山のような「失敗コストが高い環境」では、
「少し重くても、確実」が強い場面があります。
この関係性にモバイルバッテリーが、少し似ているなぁと感じたのです。
モバイルバッテリー業界は、今かなり「スペック競争」になっている気がします
最近は、
小型化
大容量化
高出力化
超急速充電
の競争がどんどん進んでいます。
もちろん、それ自体は素晴らしい技術進歩だと思います。
ただ、その一方で、
私たち使う側が、「スペックの数字」だけに引っ張られ過ぎない事も大切なのではないか
と感じています。(余計なお世話かもしれませんが笑)
特に山では、
発熱
再現性
低温耐性
安定性
「必要な時に動くか」
の方が重要になる場面があります。
これは、実際に山へ行くようになって初めて気づいた感覚でした。
モバイルバッテリーは「道具」なのか、「消耗インフラ」なのか
ここが一番難しい問でした。
私は本来、良く言えば道具を長く使いたいタイプです。悪く言えば貧乏性です。
山道具にも当然愛着が湧きます。
ただ、リチウムイオン電池は、経過時間でも劣化が進行します。
使わなくても老化していきます。
だから、完全に「一生モノ」として扱うのは難しい。
これは少し寂しく感じます。モバイルバッテリーも、これまでものすごく沢山使用してきましたからね。
だから最近は、こう考えるようになりました
無理をしていない設計を選ぶ
用途を分ける
安全装備として考える
数年単位の更新を計画的に入れる
ただし、「使い方の思想(本文の考え方)」は持ち続ける
「スペック最強」ではなく、
「現場でどう振る舞ってくれるのか」
を見る。
これは、山をやるようになって、少しずつ身についた感覚なのかもしれません。
まだ私自身も学んでいる途中ですし、この考え方が完全に正しいのかは分かりません。
それでも、誰かがモバイルバッテリーを選ぶ時に、
「数字だけでは見えない部分」
「実際の使われ方」
「安心して使える感覚」
について考えるきっかけになれば嬉しく思います。
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