足元にあるもので暮らしを豊かに。ほっと一息、みんなの隠れ家。《たべものや 月のうさぎ》
小川町駅周辺から少し離れ、大きな道路から少しずつ裏道へ誘われていくと、大きな木の下に隠れ家のようにふと現れるのが「たべものや月のうさぎ」です。

お店の佇まいや周囲の眺め、家具や小物の一つひとつがおとぎ話のよう。うさぎがひょこっと顔を出しそうな、あたたかな居心地です。どこを切り取っても画になる空間に、シャッターを切る手が止まらないとはこのこと。計算されたこだわりと洗練された自然の美しさが調和しています。


お店を切り盛りする大畑さんは、土地ごとに育まれてきた暮らしの知恵や工夫が、近年うまく次の世代に受け継がれていない現状に問題意識を抱いてきました。そこで、自らが日々の暮らしの中で身につけてきた知恵を伝えていきたいという思いが芽生えたといいます。

「たべものや月のうさぎ」のテーマは「足元にあるもので暮らしを豊かに」。できるかぎり足元にある季節のものを使った料理と暮らしの提案を行いながら、足元と世界の大きな動きはつながっているという視点も大切にしています。


私たちは今、さまざまな国の料理を口にしていますが、それらが日本に伝わり、私たちの食卓にのぼるまでには、世界の歴史—とりわけ紛争や文化—の背景を抜きに語れません。そこで「世界は食べ物でつながっている」をテーマに、ワークショップも定期的に開催。国の違いによる差別意識が完全になくなることはないかもしれませんが、世界の大きな動きの中で、今目の前にある一皿の意味に思いを馳せています。

「たべものや月のうさぎ」を始めたきっかけは、小川町の学童クラブで15〜16年ほど働いていた頃のこと。施設で子どもたちの食事を作るなかで、やがて彼らも大人になり、日々の生活に追われていくのだろうと感じました。そんなときでも、誰もが必要とする食べ物を口にしながら、ほっと一息つける居場所をつくりたい。そう考え、まずは秩父にお店を構えることになりました。

開店準備で蔵の改装に通っていたころ、東秩父村の自宅から秩父市へ峠を越える道すがら、朝も夜もいつも月が寄り添ってくれていました。月を身近に感じられたこと、誰にとっても親しみ深い存在であること、そして日本の「月にはうさぎが住む」という物語性。そうした思いを重ねて「月のうさぎ」と名付けました。お店は開店から16年、小川町に移って6年になるそうです。

大畑さんは、小川町の“ちょうどよさ”が好きだと言います。町の中心のサイズ感。少し歩けば川があり山があり、どこも適度に整備されて穏やか。畑や田んぼが身近で、野菜もいつもそばにある。肩ひじ張らなくても自然の中でゆったり過ごせる。一生懸命働く現代の人たちに、落ち着いて休める安心の場を提供したい、そんな思いを抱いています。

店内にはギャラリーや図書室があったり、月に一度「月一」という市も開催。町内外の農家さんや焼き菓子屋さん、コーヒー屋さんなどが出店します。11月には、焼き物の展示やケーキバイキング、野草茶の提供など、規模の大きなワークショップも予定しているそう。どうぞ楽しみにお待ちください。

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・住所 :埼玉県比企郡小川町大字角山726-1
・営業時間:11:30 - 17:00
・定休日 :月・火・水
・TEL :0493-74-5303
・予約 :大人数の場合は推奨・当日ならお電話
・駐車場 :あり(多めにご用意ございます)
【各種サイト】
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編集:鈴木 林夏子(地域おこし協力隊)
