7月11日(金) 契約更新
契約更新、行ってきました。
ちょっと長くなるかもしれませんが読んでください。
今日は契約更新だったのでいつものファミレスで彼女と会いました。
僕はハンバーグセット、彼女はレタスサラダを頼みました。
一緒にハンバーグセットを食べていたころが懐かしいです。
僕のカバンには、おととい言われた契約書のコピーが入ってます。
昨日からメンデルの事が気になっている僕は早速彼女に聞きます。
「メンデルってだれ?」
彼女はきょとんとしています。
『そんな人知らないよ』
しらばっくれてます。
「知らないはずがないよ、SNSで繋がってるじゃん」
少し考え込んでから思い出したかのよう顔をして話します。
『あー、いつもコメントしてくる人かな』
『返信した事ないよ』
『そもそもフォロー返してないし』
『全く知らない他人だよ』
『それがどうかしたの?』
あれ?
これはしらばっくれてる?
本当に知らない他人?
わからなくなってきました。
『なんか詮索してる?』
彼女の声色が変わります。
まずいです。
せっかくの契約更新なのに余計なことをしてしまったかもしれません。
そんなことないよ、と取り繕うとハンバーグセットを食べ始めます。
彼女はいぶかしげな顔でこちらを見ています。
やばい、絶対ミスった。
彼女の反応を見る限り、メンデルは本当に他人っぽいです。
彼女が口を開きます。
『契約更新についてなんだけど』
『今までの契約料は全部倍になるけどそれでもいい?』
え?
倍?
って事は一ヶ月の契約金は40,000円じゃなく80,000円?
デートの料金も20,000円じゃなく40,000円?
なんで?
詮索したから?
倍なんて無理だよ。
既にいっぱいいっぱいなのに。
そんな金額とてもじゃないが払えるわけない。
彼女は続けます。
『よく考えたらやっぱりあれは浮気だった』
『別れないかわりに契約金アップね』
『いまだってなんか詮索してたし』
『はい、新しい契約書』
ご丁寧に金額が倍になってる契約書まで用意してます。
ボクに契約書を持ってこさせたのは、この新しい契約書と交換するためか。
…ボクにはわかります。
彼女は最初からこれが狙いだったんです。
絶対そのはず。
だからやけにすんなり許してくれたんだ。
ボクは最初から完全に騙されてたんだ。
しかし、やっぱり払えないものは払えません。
その事を彼女に伝えるが聞く耳をもってくれない。
「あの時女友達と会わなければ…」
今更になって後悔しました。
別にLINEで相談に乗ることもできたのに。
そうすればバレずに済んだし、料金が倍になることもなかった。
…ん?
そういえばなんで彼女はお金が必要なんだ?
本当に元カレとまだ繋がってるのか?
やっぱり気になるよな?
「その金額で契約したらなんでそんなにお金がほしいのか教えてくれる?」
やっぱりどうしても気になります。
なんでそこまでお金に固執するのか。
どんな理由があってお金が必要なのか。
『んー、まぁ色々とあってね』
『ちょっとトイレ行ってくるから戻ってくる間に決めといてね』
彼女はトイレに立ちました。
どうしよう、戻ってくるまでに決めないと。
でも倍額払うのは現実的じゃない。
払えるわけがない。
こうなったら元カレと繋がってるという証拠を掴むしかない。
彼女の弱みを握って、それを盾に契約金を下げるしかない。
そう思った僕は彼女のバッグを漁りました。
トイレにバッグを持って行かなかったのです。
こんな千載一遇のチャンスをみすみすと逃すわけにはいきません。
スマホも見たかったんですが、さすがにトイレにもっていきました。
スマホがないならバッグの中から何か探すしかない。
なんでもいい。なにかないか。
一心不乱にバッグを漁っていると、バッグの底にクリアファイルがありました。
僕はクリアファイルを取り、中を見ました。
中にはA4の用紙がありました。
ボクはその紙を見た瞬間に、その紙の意味する事が一瞬でわかりました。
その瞬間、彼女への愛が一気にさめていくのがわかりました。
彼女がトイレから帰ってきます。
無言でボクの前に座り、一言。
『決めたの?』
ナメた態度です。
ボクは彼女に言われて持ってきた契約書のコピーを半分に破り、それを重ねてまた半分に破り、彼女に投げつけました。
彼女は予想外のボクの行動にあっけにとられてました。
ボクは立ち上がり言いました。
「そういう事だったんだね」
「もう契約は終わりだよ」
「さよなら」
まだあっけにとられてる彼女を置いて家に帰りました。
そして家でいっぱい泣きました。
この1年の思い出を振り返りは泣き、また振り返りは泣き。
眼球が落ちるんじゃないかと思うくらい泣きました。
そして…今に至ります。
ボクは彼女と別れました。
多分もう会う事はないと思います。
会いたい気持ちもあるけど、会ったら忘れられなくなりそうです。
悲しいけれど、これでよかったんです。
お金の使い道もわかりました。
これなら納得して別れられます。
ボク達は一週間前に終わってたんです。
なるべくしてなったと思うしかない。
次はちゃんとした彼女を作りたいと思います。
これで終わりです。
終わりです。
