取材撮影で印象に残った俳優・女優たち
今回は昔の仕事での撮影の振り返りです。
昔、業界紙の記者をしていました。その時、取材でドラマをはじめ、いろいろなイベントの撮影をすることがあり、舞台上の俳優や女優を数多く撮影しました。



そんなイベント撮影の中で、特に印象的だった俳優・女優を振り返りたいと思います。
連写不要!タッキー(滝沢秀明)
今まで撮影した人物で、誰が最高か、と問われれば、迷わずタッキー(滝沢秀明)と答えています。
理由はなぜか。ほんの数分、数ショットで完璧な撮影ができるからです。
2026年にタイで行われたイベントでの終了後の囲み取材でのこと。舞台上に現れたタッキーは質疑応答の後、フォトセッションに臨みました。時間は数分。私が切ったシャッターは十数回。それで十分でした。完璧な立ち姿。完璧な表情。口が歪んだり、白目になったり、いわゆる変顔になることが全くなかったのです。厳しいセルフコントロールを垣間見た気がしました。これぞプロです!
カメラマンに対するプロフェッショナル~橋本マナミ
会見中の撮影で誰が素晴らしかったか、と問われれば、挙げたいのが橋本マナミさんです。「国民の愛人」など、ビミョーなキャッチフレーズを付けられ、また、きわどいグラビアが雑誌をはじめ賑わした時期がありましたね。
その最盛期のこと。あるラジオ×自転車のイベントに登場した橋本マナミさんは、イベントの趣旨に従い、自前の自転車とサイクルウェアで登場しました。当時の“需要”に沿ってでしょうか、自転車に跨がる橋本マナミさんは、ピチピチのサイクルウェアで、お尻を突き出し気味だったりと、サービス精神旺盛だったのですが、何よりすごかったのが、会見で記者の質問に答えながら、カメラマン一人ひとりにポーズと表情を向けていたこと。カメラマンは十数人いたでしょうか。「ハイ、●●ですね」「ええ●●ですよ」などと答えながら、カメラマン一人ひとりに視線を向ける。それってめっちゃプロじゃないですか。だから当然、失敗写真はなし。そりゃ、一世を風靡するし、グラビアで引っ張りだこになるよな――心底そう思いました。
印象的だったタレントたち~能年玲奈、堺雅人、満島ひかり、新垣結衣……
このほか、多くのタレントを撮影しました。いろんなエピソードを書きたいのですが、ここでは印象的だった人だけ記します。
女優で顔の造形が一番奇麗だったのは誰か、と問われれば、能年玲奈(現:のん)さんと答えています。「あまちゃん」が評価され、ドラマの表彰イベントで各賞を総なめにしたときのこと。舞台に現れた能年玲奈さんは本当に美しかった。凜とした表情、きめ細かな肌、ファインダー越しのその造形は完璧に見えました。現在、モデルとしても活躍している彼女。その事実に納得がいきます。
次に、「眼力」について。これが最もすごかったは堺雅人さんでしょうか。一見、いつも微笑んでいるような独特の表情ですよね。でも本当は違う。やはりドラマの表彰式でのこと。インタビュアーに向ける真剣な眼差し、その奥に爛々と光る眼。「目力」は圧巻でした。あの目で睨まれたら、共演者も真剣に臨まなければならないでしょう。そんな生命感、力感に溢れた眼でした。一流の俳優は違うな、と撮影だけで分かった刹那でした。
一方、女優とは何か、俳優とは何か、をファインダーで考えさせられる人もいます。満島ひかりさんは素晴らしい女優で、大好きな作品も多いのですが、ファインダー越しの彼女はテレビやスクリーンで見る姿とはまったく違いました。写真が変顔ばかりになってしまうのです。目がこわばる、片目だけつぶってしまう、白目になる、口が歪む……とにかくどこか表情が落ち着かない。動画として見れば、キラキラ表情が変わり、その愛くるしい感じが活きると思うのですが、スチールとなると……女優さんって、難しいですね。
もう一人、新垣結衣さんも印象的でした。「逃げるは恥だが役に立つ」で表彰を受けたときのこと。とにかく笑わないのです。表情が平板。こうした舞台が苦手なのでしょうか。上に挙げた写真が最も“笑顔”だったもの。でもこの程度です。この時は後にパートナーとなる星野源さんも登壇し、こちらはどこかだらしない(失礼)笑顔で、今思えばガッキーにぞっこんだったのでしょうか。とても対照的でした。
最後に~壇上の人を撮る、ということ
イベント中に写真を撮るのは、撮影会とも、グラビア等の撮影とも違うある種のスキルが求められると思います。それは被写体の
最高の瞬間を収めること
その時の思いを想起させる写真を撮ること
です。だから、壇上での会話をしっかり聞いておく、そしてイベントの対象となった作品や会話の背景も理解しておく。こうしたことが大事なのかなと。それが分かって撮影できるのがプロかな、と思います。
