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好きなことを、嫌いにならないために

フォトグラファーになって5年目くらいの頃、一度大きなスランプを経験しました。

撮影には慣れていました。
技術も身についてきて、自分なりのスタイルも少しずつ見えてきた頃です。

でも、なんだかしっくりこない。

撮影はちゃんとできているのに、心がさっぱりしない。
思い描いた写真と、実際に撮れた写真が、うまく重ならない。

頭の中のイメージと技術が、あと少しのところでリンクしないような感覚がありました。

当時働いていたスタジオで、私の写真の先生がこんなことを言っていました。

「フォトグラファーは2〜3ヶ月に一度、波が来るんだよ」

その時は半信半疑でしたが、今なら本当にそうだなと思います。

順調に撮れる時期もあれば、急に何もかも上手くいかなく感じる時期もある。
好きで始めたことなのに、好きなはずなのに、思うようにいかないだけで苦しくなることがあります。

そんな時、私が思い出すのは『魔女の宅急便』に出てくる、森に住む絵描きのウルスラの言葉です。

描くのをやめる。
散歩したり、昼寝をしたり、景色を見たりして過ごす。
そのうちに、急に描きたくなってくる。

その言葉に、私は何度も助けられてきました。

好きなことを続けるって、好きなことを嫌いにならないように工夫すること。
だから調子が悪い時ほど、無理に答えを探さないようにしています。

散歩をしたり、本を読んだり、犬と過ごしたり。
少し写真から離れることもあります。

すると不思議なことに、「撮りたいな」という気持ちがまた戻ってくるのです。

たぶん私は、写真だけが好きだから続けているわけではありません。

もちろん写真も好きです。

でもそれ以上に、子どもたちが好きなんだと思います。

撮影の日に出会う子どもたち。
最初は人見知りしていた子が、少しずつ心を開いてくれる瞬間。
何年かぶりに会った子が、大きくなった姿を見せてくれること。

その時間が好きだから、またカメラを持ちたくなる。

スランプを乗り越える方法は、頑張って無理やり抜け出すことではありません。

一度立ち止まること。

そして、自分が何を好きだったのかを思い出すこと。
そうすると不思議と、また歩き出せるのです。

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Hiroka Nomura/SunflowerPhotography 読んでくださってありがとうございます。