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「かけかけかけ!」と発破をかけられて

書けない日も書いてみる。

しかし、書きたい気持ちを抱えているのに、言葉が出ない。かれこれ2時間近くエディタ画面は真っ白なままだ。真っ白な画面ばかり見ていると、頭の中まで真っ白に飲み込まれてしまいそうだ。アンミカ氏が「白って200色あんねん」って言ってたけど、いくら何でも頭が真っ白になるのは外見的にも中身的にも嫌だ。だから、何とか書くネタを思い浮かべたい。

そうだ、味噌を切らしていたから買いに行って来よう。今買わないと、夕飯作るときに困るからねと、いそいそと出かける準備をした。そして、このところすっかりご無沙汰で埃をかぶった自転車を引っ張り出して、さっそうと坂道を駆け抜ける。味噌のために。お目当ての味噌はちゃんと見つかり、ついでに私と子どものおやつ用アイスクリームも買った。アイスを一滴も溶かさぬよう氷を袋いっぱいにもらって、自転車のカゴに放り込む。心は最速で、実際は安全運転で家に着く直前、学校帰りの長男に出会った。

「おかあさん、買い物?」
「そうだよ、味噌買ってきたの」
「でもさ、味噌以外にも買ってるよね」
「鋭い!おやつのアイスも買ってきたよ」
「やったー!早く冷凍庫に入れなきゃ」

急いで長男が玄関を開けてくれる。私は一目散に冷凍庫へ向かい、アイスをしまった。よし、セーフ。溶かさずに済んだ。

くだらないことでも、書いてみれば500字を超える。どうでもいい日常の一コマなのになぜ書くのかと言うと、午前中見てきた映画『かくかくしかじか』の日高先生(大泉洋氏)が、こう言ってたからだ。

「かけ!かけかけかけ!」

書くことが分からない日でも、とりあえず書けと。日高先生が言っていたのは絵を描くことだけど、文章を書くことにも通ずるものがある。私の場合、毎日書かないと文章が下手になる気がする。前に10日ほど書くことから離れて休んだ時、再開したらあまりにつたないものを書いてしまった。その経験があるから、劇中に出てくる「絵は毎日描かないと」という日高先生のセリフには、何度もうなずいた。

とにかく、日高先生に「かけかけかけ!」と発破をかけられ、書く気満々でPCに向かっている。正直、気持ちが空振りしたせいで、ネタを置き去りにした感はある。それに、ジタバタしながら書き上げた文章がこんなものでクオリティはどうなのかという話もあるが、今日はこんな文章しか書けない日なのでしょう。たまには諦めだって必要だ。

それでも、書くことを諦めなかった私。
よくやった!
素晴らしい。
偉い。

だって、作家先生のエッセイだって、大体雑誌に載っているものだと2000字程度。文庫に収録されているエッセイの中には、1000文字も行かない作品だってある。長さも必要な時はあるけど、今日はそんな日じゃない。たとえ短くて内容が拙くても、書けた私を最大級に褒めたい。


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