ボート日和と17才
札幌の公園でボートが楽しめるところが,2か所ある。
一つは中島公園,もう一つは月寒公園である。
両方の公園を訪れるたび,ボートに乗ってみたいと思っていた。
けれども,初心者の私が,1人でボートを漕ぐのは危ういので,
「ボートに乗らない?」
と夫に声をかけてみるものの,
「今日は,寒いぞ」
とか,
「こんな風の強い日は,転覆するぞ」
などと,首を縦に振ってもらえなかった。
日曜日の午後,1週間分の買い物を済ませ,夕食まで時間があるので,ドライブにでも行こうかという話になり,それならば「ぜひ,ボートに乗りに行こう!」と提案。
今日は天気も穏やかで,断る理由が見つからなかったのか,夫からやっとオッケーが出た。
行先は,月寒公園のボート池に決まった。
転覆の恐れがあるので,携帯は車に置いておくようにと夫が言う。
そこまで気を使わなくとも…と思ったが,素直に従う。
現地に着き,誰もボートに乗っていないと思いきや,7艘ほどのボートが池を遊覧していた。
自動券売機で券を買い(1艘3人乗り・ 30分¥350),係の人に渡す。
「ボートを漕ぐ方が,中央にお座りください」
「さあ,漕ぐぞ!」
とボートに乗りこもうとしたら,夫がスーッとボート中央に座った。
なーんだ!やる気満々じゃないの!
オールが水面をとらえ,スムーズにボートが進んでいく。
視線が低くなり,見える景色も変わる。
岸辺の柳の下を通ると,涼しくて気持ちが良かった。

浮島には,ピンク色のハマナス,紫紺色のショウブが咲いている。
今日は絶好のボート日和だ。
ボートの上では,盛岡の「高松の池」が話題にのぼった。
夫は,学生時代,友人と高松の池へ行き,ボートに乗ったそうだ。
他のボートへ乗り移ったり,結構デンジャラスなことをしたらしい。
その中の1人が,バランスを崩して池へボチャン!
危うく溺れそうになったとのこと。
私の思い出は,部活帰り,みんなでボートに乗りに行ったこと。
誰と乗るかは,くじ引きで決めた。
男子生徒が多い高校だったが,なぜか私のボートは,同じ学年の子と一学年先輩と私の女子3名になった。
JK3人が集まれば,昔も今も,話すことといったら,恋バナでしょう。
最近,彼氏ができた先輩が,
「16歳と17歳では,全然違う」
と言う。
「どんな風に違うんですかぁ?」
同学年の子が興味津々に尋ねた。
「なんて言えばいいんだろう。
見える景色が違うというか…。
たった1歳の違いだけれど,全然違う。
17は特別。
あなた達も,17になればわかるわよ」
と先輩。
17歳になれば,何かが変わるのだろうか…。
南沙織の「17才」や桜田順子の「十七の夏」のメロディーが頭の中で流れた。
それから1年が経ち,学校の勉強がますます難しくなった以外,とりたてて変化はなかった。
さて,夫が20分漕いだところで,船着き場に戻り,選手交代。
残り10分,私が漕ぐことにした。
勢い込んでオールを握ったが,水を上手く捉えられず,四苦八苦。
たまにグーンとボートが進むと嬉しくなる。
少し慣れてきたところで,時間になった。

もうしばらくすると,札幌は紫陽花の季節を迎える。
次は,池のほとりの紫陽花を見ながら,ボートを漕ぎたいなと思った。

