北海道追分駅に宿る、炭鉄港の歴史
追分(おいわけ)という地名は日本各地にありますが、今回訪れたのは北海道安平町(あびらちょう)の追分(旧・追分町)です。
安平町追分は明治時代、夕張などの炭鉱から室蘭港へ石炭を運ぶ室蘭本線と、石勝線(旧夕張線)が交わる中継地として発展しました。
また、かつては広大な追分機関区があり、1975年12月まで日本最後の国鉄SL定期運行が行われていた歴史的な場所でもあります。

まずは、駅舎の正面に掲げられた駅名看板にご注目ください。
文字の形に切り抜かれた「立体文字」が設置されています。
各文字の上に電灯があるので、夜には文字が浮かび上がって見えるのでしょうか。
いつか夜の時間帯にも訪れてみたいと思いました。

駅の入り口隣には、「岩見沢電気所追分派出所」があります。

駅の入り口にはプランターが置かれ、色鮮やかな花が咲いていました。 手入れされた花を見ると、駅が大切にされていることが伝わってきて嬉しくなります。
プランターには、それぞれ標語が書かれていました。
「どの子にも 優しさ 厳しさ あたたかさ」

「叱るより そっと支える 思いやり」

どちらも大人向けの標語だったので、私なりに子どもたちへ向けた標語も考えてみました。
「夢をのせ 未来へ向けて 出発進行!」 by Sunny
駅舎に入ると、一角にある本棚が目に留まりました。
「Blue Tree Mini Library」と名付けられたこの図書コーナーは、青葉町在住の方から寄贈されたものです。
宮部みゆきさんや林真理子さんの著書、漫画など、多彩なジャンルの本が並んでいます。
お気に入りの一冊を手に取り、読書をしながら列車の到着を待つ。そんなゆったりとした過ごし方も素敵ですね。

構内にはイベントの告知やスタンプ台があり、今では珍しくなった有人の切符売り場も残っていました。
駅員さんの姿が見える駅は、人の温もりが感じられてホッとします。
AIが普及して便利な世の中になりましたが、こうした「人の気配」こそが、やはり機械には代えがたい魅力だと感じました。


駅を出て数メートル歩くと、D51の模型やレール、動輪のモニュメントがあり、「鉄道のまち追分」の歴史を今に伝えています。
これらは駅構内で実際に使われていたものです。
展示されている動輪の主である機関車は、かつて追分機関区に所属し、国鉄最後のSL定期貨物列車を牽引した車両でした。
しかし引退直後の1976年、追分機関庫の火災により車体の大部分が焼失。
この動輪は、その火災から奇跡的に焼け残った貴重な遺構なのです。




モニュメント前には、安平川(あびらがわ)が流れています。
川にかけられた追分橋の橋名板には、車輪がデザインされ、石炭を表す、黒みかげ石が埋め込まれています。
追分ならではのデザインに、思わず笑みがこぼれました。

町の案内板も、鉄道の町らしくユニークです。

今回はドライブの途中に10分ほど立ち寄っただけでしたが、次回は室蘭本線か石勝線の列車に揺られ、ゆっくりと鉄道旅を味わってみたいと思います。
そのときは、またnoteでレポートしますね。
