仏具店で受け取った温かな贈り物
唐突ですが、みなさんお墓参りはしていますか。
うちの場合は、お墓が住まいから離れた場所にあるので、頻繁に行くことは難しく、お盆や連休などにお参りしています。
子どもがまだ小さかった頃は、大人数でお墓参りをしていました。
人数が多いと、率先して桶に水を汲みに行く人、花の長さをそろえる人、ろうそくに火をつける人、口だけ出す人、静かにその場にいる人…とさまざまでした。
一番ごたごたしたのは、ろうそくに火をつけて、その火をお線香にうつし、一人一人に渡すとき。風が強いとなかなか火がつかず、「こうしたほうがいい」「いやこうしろ」と、それぞれが良かれと思ったことを話し始め、まさに「船頭多くして…」状態。ちょっとした騒ぎになるのです。
何年も前から、この場面がスムーズにいかないかとずっと考えていました。来月のゴールデンウイークには回忌法要があり、親戚の方々もおいでになるので、お墓の前のごたごたは、なるべく避けたいと思っています。
あるときふと、頭の中に下りてきました。
花火に火をつけるような、どっしりと安定感のある「自立する太いろうそく」があればよいのではないかと。
そんなろうそくを探して、いろいろお店を回りましたが、ろうそく立てに差し込む小さなろうそくだったり、長すぎるろうそくだったり、自分が思い描いていたものには、なかなか出会えませんでした。
一昨日、札幌円山をぶらついていたとき、仏具店の前を通りかかりました。いかにも仏具店というより、品数を厳選したとても洗練されたイメージのお店でした。もしかしたら、私の探しているろうそくに出会えるかも…と期待を込めて中に入りました。
感じの良い女性店員さんが応対してくださり、私は、先のお墓参りの話をして、「自立する太いろうそく」がないか尋ねました。店員さんは、レジ裏の棚を開けて、
「これはいかがですか」
と見せてくださいました。
それは、透明なケースに入った、白いどっしりとしたろうそくでした。
「これです!私が探していたのは」
思わず声が大きくなりました。
これこそが、私が求めていたものでした。
その流れでお線香も見ました。北海道らしいラベンダーの香りがあり、とても癒される香りだったので、おじいちゃん、おばあちゃんもきっと喜んでくれるだろうとこちらも購入しました。

買い物が済んで、店内を少し見せていただきました。マンションやアパートにも置けるようなコンパクトなお仏壇がありました。
サイズ感も良いですし、デザインも素敵です。見ているだけで心が整うようでした。
「数年前、北海道に引っ越してきたとき、アパート住まいに合うコンパクトなお仏壇を探していたのですが、なかなか見つからなくて…。こちらのお仏壇は、今まで見た中で一番良いです。もっと早くに来ていれば良かったです」
「そうですか。ありがとうございます」
「結局、『帯に短し…』で良いのが見つからず、ホームセンターで木材を買って、夫がトンカチトンカチやって仏壇を作ったんです」
すると、店員さんが一呼吸置いて、こうおっしゃいました。
「それが一番良いじゃないですか。一番心がこもっています」
店員さんの言葉が、胸にジーンときました。しかも、「仏具屋さんの店員さんの言葉」ということに、救われるような温かさを感じました。
最後に、お鈴(おりん)の澄んだ音色を聞かせていただきました。
連休の回忌法要もきっとうまくいきそう。私は、清々しい気持ちでお店を後にしました。
