モネ展で光をリアルに感じる〜アーティゾン美術館
金曜日の夕方、インバウンドの観光客で賑わう東京駅。人混みをすり抜け、雨が降る交差点を渡って、アーティゾン美術館を訪れました。
お目当ては、パリのオルセー美術館から来ているモネの作品たちです。
オルセー美術館には、20代の頃3度ほどパリを訪れた時に足を運びましたが、あれからもう20年以上。考えただけで心が躍ります。

初めての絵に入り込む感覚
モネの風景画を、年代に沿って、その時々のテーマを交えながら追っていく今回の展覧会。
ノルマンディーとフォンテーヌブローを描いたモネの作品には、バルビゾン派の影響が色濃く出ているな、と思いながら次の順路へ。
雪景色のテーマの作品を順に見ていき‥現れたのは「かささぎ」の絵。じっと見ていると、絵の中に吸い込まれて、晴れた冬の朝、しーんと静まり返った冷たい空気の中、まさにその場所で朝日を浴びているような感覚に。
30年以上美術館に足を運び数々の作品を見てきましたが、ここまで絵の中に入り込んだのは初めてでした。
その余韻を残したまま、足を進めていきます。
「パリ、モントルグイユ街、1878年6月30日の祝日」でも無数の三色旗がはためく音とざわめきが聞こえ、「サン=ラザール駅」では暗い駅のホームから少し向こうの眩しい外を背景に機関車の煙が立ちこめる様子を眺めている自分を感じました。
そして、「昼食」。赤い小さな花が咲き乱れた庭で、あっ、麦わら帽子が枝にかかっている、と思っていると、鳥の鳴き声が聞こえてきました。
振り返ってみると、今まで絵画を見るときには、いつも一定の距離から作品を鑑賞する自分がいた気がします。この構図いいな、ここに描かれているものや色彩が好き、なんだか好きな雰囲気。あくまでも外から眺めている感覚です。それはそれで、その時々の自分が現れていて、自分を知るよい機会になっていたのですが、絵の中に入り込む感覚もいい。
モネの絵の秀逸さがそのような感覚を呼び起こしたのには違いないですが、今までもたくさんモネの絵を見てきています。海外への旅行や、数々の美術館に足を運んだこと‥さまざまな独自の体験がこの新しい体験へつながったのでしょうか。
モネの光を模写するためにじっくり観察する
数々の体験の中で、一つ具体的に思い当たったのは、2年ほど前に友人が主宰した、モネの睡蓮がテーマの子ども向けアートワークショップを手伝ったことです。
そのワークショップの準備のために、自分でも模写をしたのです。といっても短時間で子どもが描くことを想定した簡単なもの。
YouTubeの描き方動画を色々見て参考に、友人の提案で色画用紙を使って背景を塗り潰す手間も省き、主にクレヨンで描いたものです。
それでも、描くためにどんな色がどのように含まれているか、じっくり絵の細かいところまで観察したことが、モネの光をリアルに感じることに、ゆる〜くつながったのかもしれません。
気軽に模写をしてみませんか?
ちなみに私は絵を見るのは好きですが、描くのは得意ではないタイプ。このワークショップの手伝いまでは、子どもとポケモンを描くくらいでした。
実際に描いた絵はこんな感じです↓ワークショップでの参考のためにだいたいの構図が描けたところで記録のために写真を撮っていたので、その写真も参考までに載せています。






2年ほど前なので、どのYouTube動画を参考にしたのか定かではないのですが、私たちが試した方法に近いショートを見つけました。ご参考までに。
ちなみに、模写の時に使用した材料は、家にある子どもが使わなくなった色画用紙とクレヨン、水彩絵の具です。
美術がそれほど得意でなくても、新しいものを創造しなければならないというプレッシャーもなく、マネをすればいいだけ、展示されることもない自分が楽しむだけの模写。また、今度週末にでも描いてみようと思いました。
さいごに
今回の展覧会、無料の音声ガイドがついているので、イヤホンを持っていくことをおすすめします。美術館の外でも聞けるようで、主要な作品の写真を見ながら楽しめます。
帰宅してから気づいたのですが、モネんぴょうというメニューがあって、年表に沿って歳を重ねるモネと一緒に主要な作品を辿ことができ、こちらもおすすめです。年表にかささぎが止まっていたり、日傘が飛んでいったりと、作品のモチーフのイラストも可愛らしいです。
ちなみに、かささぎはフランス語でla pie(ラ・ピィ)と言うそうです。より可愛らしい響きで私は原題の方が好きです。
会場の混み具合ですが、かなり混んでいると聞いたので、仕事帰り、金曜日の17:30からの回を予約しました。雨ということもあり、会場は思ったほど混んでいませんでした。これから展覧会終盤にかけて更に混んでくるかもしれませんが、夕方は狙いめかもしれません。5月の土曜日は20時まで夜間開館もするようです。
オルセー美術館の作品がこれほど東京へ来ることもなかなかありませんので、皆さんもモネ展へ足を運んでみませんか?
関連書籍・サイト
アーティゾン美術館モネ展特別動画
子ども向けワークショップ情報
上述の保育園での子ども向けワークショップ自体の様子は、「ひろがる鑑賞」p.226〜に出ています。武蔵野美術大学の教科書ですが、一般にも販売されています。
親子向けアートブッククラブやミュージアムツアーを主宰するkotobiのサイトはこちら:
