「自ら考え、求め、行動し、自分の道を創る」大学生を育てるために、小学校でできること
「大学は、自ら考え、求め、行動し、自分の道を創るところです」
講話で聞いたこの言葉が、胸に強く残りました。かつて待ちの学生だった私が、今、小学校の現場で子どもたちにどんな学びを届けられるか。
大学で主体的に学ぶ力は、小学校から育てられると感じたお話です。
今日は、私が住む自治体にある大学の学長を講師に招き、講話を聞く機会がありました。普段なかなか聞けない大学での話をたくさん聞くことができ、とても印象深い時間でした。
講師の先生は、学生に冒頭の言葉をいつも伝えているそうです。その理由として、「大学にはカリキュラムがない。だからこそ、自分が学びたいことを自分で探し、学ぶことができる」とお話しされていました。
しかし現実には、自ら学ぼうという姿勢が育っておらず、「与えられなければ動けない」学生も少なくないのだそうです。今回は、「自ら考え、求め、行動する力」大学生を育てるために、小学校でできることを考えて記事にまとめました。
私自身も「待ち」の学生だった
私自身、大学時代は完全に“待ちの人間”でした。「教育について自ら学ぼう」なんて思ったことは一度もありません。
何となく大学4年間を過ごし、就職のために、当時採用倍率20倍の教員採用試験を突破するために、がむしゃらに勉強しただけでした。
私が小学校教員養成課程を選んだのも、「両親が教員だったから」。正直なところ、教師への強い憧れがあったわけではありません。
今思えば、それは義務教育の学びが“受け身”だったことの影響が大きいのではないかと感じます。
「自ら学ぶ子ども」を育てる難しさ
理想としては「自ら学ぶ子どもを育てたい」と誰もが願います。けれど現実はそう簡単ではありません。
たとえば、私の娘も、学習時間を決めなければ自分から勉強しようとはしません。時間があれば、YouTubeを見たり、漫画を読んだり、絵を描いたりして過ごしています。
だからこそ私は、まず学習を習慣化し、「やればできる」「勉強って楽しい」と感じられる体験を積むことが出発点だと思っています。そのうえで、自分が「もっと知りたい」と思えるテーマを見つけられるよう、機会を与えていくことが大切です。
理想と現実のあいだで
とはいえ、現場の小学校教師として考えると、総合的な学習の時間も「本当に子どもが好きなことを自由に探究できる」とまでは言い難いのが現状です。
成果物を求められる以上、ある程度のレールを敷かざるを得ません。「できる課題」「できるまとめ方」「できる発表の仕方」を設定し、決められた時間の中で終わらせなければならない。
理想と現実の狭間で、小学校教員はいつももがいています。それでも私たちは、自ら学び、考え、行動する子どもを育てるために奮闘している。そのことだけは、知っていただきたいのです。
「勉強が面白くなってきた!」
通級指導教室に通う6年生のAさんの話を紹介します。
Aさんは、5年生まで授業中ほとんど寝て過ごしていました。宿題もせず、勉強への意欲は皆無。ところが6年生になってから、こんな言葉をかけてくれるようになったのです。
「勉強が面白くなってきた!」
「もう授業では寝てないよ!」
「テストで80点取ったよ!」
「どうしてそんなに変わったの?」と尋ねると、「分からない!でも、もう寝ないで勉強頑張るよ!」と笑顔で答えてくれました。
明確なきっかけは分かりませんが、これまでの担任の先生の粘り強い働きかけが、少しずつ実を結んだのだと思います。
「できるようになってきた!」が、すべての出発点
私は通級指導の担当として、週1時間の自立活動の中で「きっかけをつかませる」ことを意識しています。
算数の計算ができるようになってきた!
漢字に少し自信がついてきた!
友達と話すのが怖くなくなってきた!
学校がちょっと楽しくなってきた!
こうした感覚は、根拠のない自信かもしれません。けれど、その“なんだかできるようになってきた”という感覚こそ、主体的に学ぶ力の芽だと私は思います。
小学校で育てる「学びの根」
大学の先生の講話を通して、改めて義務教育段階の学びの重要性を実感しました。特に、小学校での経験が「自ら学ぶ姿勢」を形づくる基礎になると感じています。
私は、小学校教師として、そして通級指導教室の担当として、将来、子どもたちが大学や社会で自ら考え、求め、行動し、自分の道を創ることができるよう、その“根っこ”を育てていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
