女性の集合的ペインボディとは何か―『さとりをひらくと』を読む(25)
はじめに
エックハルト・トール『さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる』(徳間書店、2002年、あさりみちこ訳)を読む。原著では Eckhart Tolle, The Power of NOW, A Guide to Spiritual Enlightenment。本書は1997年の出版である。「いま、この瞬間、ここに在る」をテーマとしている。
スピリチュアル分野の書籍としてベストセラーなのだが、あえて既存の「心」の分野と関連付けるなら、禅仏教、キリスト教神秘主義、スーフィズム、ヒンドゥー教、アドヴァイタ・ヴェーダンタなどの伝統から普遍的な智慧を抽出し、統合している。但し宗教としてではなく、意識の覚醒(awakening)や今ここ(Presence)の実践として提示したものだ。つまり宗教的偏見が無い。哲学的な縛りもない。
精神のことだが、心理学や医療応用ではない。よってスピリチュアルといわれる。但しオカルトとかサブカルといったものではない。彼はロンドン大学キングズ・カレッジで文学・言語・哲学などを学んでいたのだが、29歳の時に霊的覚醒が起こったのだそうだ。経験そのものは他人に分かりようがないし、言葉(語彙)の指しているものも「正しく」伝えようはないのだが、本書は丁寧かつ容易に書かれている。
本書は10章からなり、各章は均すと10節程度で構成され、問答の記述となっている。今回は第8章「さとりに目覚めた人間関係をきずこう」の第6節「女性の方がさとりをひらきやすい?」から読んでいく。
なお、日本語訳を読んでいるが、それを著者が言った、書いたものとして本記事は扱っている。
8章6節 女性の方がさとりをひらきやすい?
問い さとりをひらくことの障害は、男女間で違いはありますか?
答え いいえ、ちがいはありません。ただし、それぞれ特徴は異なります。一般的に言って、女性の方が、自分のからだを感じ、その中に住まうことを、得意としています。女性の方が、生まれつき「大いなる存在」に知覚しやすく、男性よりもさとりをひらく可能性は高いのです。
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