人工知能と神経理学療法
📖 文献情報 と 抄録和訳
人工知能と神経理学療法
📕Fulk, George PT, PhD, FAPTA; Editor-in-Chief. Artificial Intelligence and Neurologic Physical Therapy. Journal of Neurologic Physical Therapy 47(1):p 1-2, January 2023. https://doi.org/10.1097/NPT.0000000000000426
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■ AIとは何か?、広義のAIと狭義のAI
・IBMでは、AI (artificial intelligence)を「コンピュータサイエンス、エンジニアリング、データを用いて問題解決を可能にすること」と定義している。
・AIには、特定のタスクのために訓練されたAIである「狭義のAI」と、機械が人間と同じ知能を持つようになるという現時点での理論である「広義のAI」の2種類が一般的であるとされている。
・機械学習(machine learning, ML)は、アルゴリズムを使用してデータのパターンを識別するAIのサブセットである(📕Yu, 2018 >>> doi.)。
・ML技術は、データから継続的に学習し、その精度を向上させることができる。
✅ AIとプログラミングの違いは?
・AIとプログラミングは、目標解決までの道のりが大きく違う。
・AIは、過去のデータを提示すると、データ内容から自動的に手順を推測する。
・これに対し、プログラムは手順を詳細に提示して、初めて能力を発揮するシステム。
・また、プログラムは達成したい目標があらかじめ決まっているが、AIは目標以上の成果を期待できる。
・特に、ディープラーニングでは、従来のシステムでは達成し得なかった画像や音声の認識ができるようになった。
■ 神経系理学療法におけるAIの可能性
(a) 動作分析のセンサーとしての役割
・運動機能、歩行、機能状態、上肢の回復、動作の評価などが可能である(📕Luvizutto, 2022 >>> doi.)。
・ウェアラブルセンサーからのデータを使用して、AIは歩行イベント、異常な歩行パターン、および歩行の非対称性を検出することができる(📕Moon, 2020 >>> doi.)。
・AIは、機能的な動作中の異常な動作パターンを検出することができる(📕Kianifar, 2017 >>> doi.)。
(b) パーソナライズされた介入処方の役割
・Puyuelo-Quintanaらは、外骨格のセンサーからの圧力、動き、力のデータを利用して、歩行中に必要に応じてスマートアシストを行うAI付き膝外骨格を開発した(📕Puyuelo-Quintana, 2020 >>> doi.)
・Lyuらは、筋電信号を利用して必要に応じて動作を支援するAI人間-ロボット協調制御ロボット膝システムを開発した(📕Lyu, 2019 >>> doi.)
(c) 予後予測の役割
・神経学的障害を持つ人々の転帰を予測し、パーソナライズされたケアプランを開発するために使用することができる(📕Khan, 2020 >>> doi.)
(d) 遠隔医療におけるモニタリング/フィードバックの役割
・AIを遠隔リハビリテーション,仮想現実,身体装着型センサーと組み合わせることで,自宅でのエクササイズの種類と量を監視する効果的な方法を提供できるかもしれない(📕Chae, 2020 >>> doi.)
・患者が自宅での運動プログラムを実行できないとき、あるいは運動を修正する必要があるときに、遠隔地の療法士に警告を発することができる。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
AIとプログラミングって何が違うの?
AIの方がより複雑なものを、高機能に処理できるって感じ?
そんな位に思っていた。
が、勉強してみると、それは程度問題ではなく、世界観がまったく異なることを知った。
プログラミングは、既知事項の仕組み化。
人工知能は、機械による未知の解の創出。
前者の主人公は人間であり、委託である。
後者の主人公は機械であり、探索である。
人工知能が必要とされる理由も、プロ棋士が人工知能に負ける理由も、納得できた。
それらが供給する解が、人間が出す解とは異なっているからだ。
そして、人工知能は持ち前の疲れないボディーで、センサー、介入処方、予後予測、モニタリング/フィードバック…、千両役者の働きをする。
じゃあ、人工知能は完璧か、といえばそうでもない。
例えば、以下の問いについて考えてみてほしい。
あなたががんにかかり、腫瘍を取り除く手術が必要
・死ぬ確率が15%の人間の外科医
・死ぬ確率が2%のロボットの外科医
あなたはどちらの外科医を選びますか。
ただし、ロボットがどのように動作するかは誰も知らないし、質問もできないという条件付きです。
実はこれ、実際に執り行われたAIに関する専門家会議で出された質問で、その時には1人を除き全員が、『人間』を選んだ。
仕組みが分からない(Blackbox)を、人は選びにくいのだ。
だが、必要と実績が強固にリンクされ、ほとんど裏切らないという場合には、例外だ。
例えば、冷蔵庫の仕組みを知っているだろうか。
テレビの仕組み、洗濯機の仕組み、携帯電話の仕組みは…?
知らない。
だが、信頼して使っているわけだ。
それは、例えば「物を冷やしたい」という必要に対して、「冷蔵庫がほとんど裏切らない」ことを知っているからだろう。
仕組みの箱の中身は知らなくても、そういう選択は起こりうる。
そこに、可能性とリスクの両面があることは知っておくべきだ。
手塚治虫の「火の鳥」に、こんな局面がある。
未来の人類世界において、人々は、自分たちが作り出した最強の人工知能が搭載された機械に、国の運営のすべてを任せていた、その決定にしたがっていた。
その人工知能が、国の運営を良い方向に進めるという点において、裏切らないことを盲信して。
その結果、各国の機械同士が出した結論は、「戦争しかない」であった。人々は滅亡への戦争に盲進していくのだが・・・。その政治家に対して、以下のセリフがある。
なぜ機械のいうことなどきいたのだ!
なぜ人間が自分の頭で判断しなかった。ええっ?
2023年。
真剣に、こういう課題と向き合っていく年になるかも知れない。
人間として生き、人間として・・・。真剣に考えたい。
⬇︎ 関連 note✨
📕人工知能と神経理学療法
— 理学療法士_海津陽一 Ph.D. (@copellist) December 31, 2022
Note ドメイン↓
🔹AIとは何か?
🔹AIとプログラミングの違い
🔹神経系理学療法におけるAIの可能性
①動作分析のセンサー
②パーソナライズされた介入処方
③予後予測
④モニタリング/フィードバック
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