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4.2日欠勤 & 7千$増。2型糖尿病の従業員はコストがかかる

📖 文献情報 と 抄録和訳

大規模な雇用者保険に加入している18-64歳の従業員における2型糖尿病に関連する生産性損失と医療費

📕Park, Joohyun, Elizabeth Bigman, and Ping Zhang. "Productivity Loss and Medical Costs Associated With Type 2 Diabetes Among Employees Aged 18–64 Years With Large Employer-Sponsored Insurance." Diabetes care 45.11 (2022): 2553-2560. https://doi.org/10.2337/dc22-0445
🔗 DOI, PubMed, Google Scholar, 全文 🌲MORE⤴ >>> not applicable

[背景・目的] 18~64歳の従業員における2型糖尿病(type 2 diabetes, T2D)による生産性損失とコスト、医療費を推計すること。

[方法] 2018~2019年のMarketScanデータベースを用いて、職場の欠勤、短期障害(short-term disability, STD)、長期障害(long-term disability, LTD)に関する記録がある従業員の中から、T2Dを持つ従業員または糖尿病を持たない従業員を特定した。T2Dに起因する一人当たりの平均年間時間損失とその関連コストを推定し、時間損失に平均時間給を乗じて算出した。T2Dの直接医療費は、全体およびサービスタイプ別(入院、外来、処方薬)に推計した。全体および年齢・性別によるサブグループ分析には,2分割モデル(生産性損失とコスト,入院・薬剤費)および一般化線形モデル(総費用と外来患者費用)を使用した。コストはすべて2019年米ドルであった。

✅ 短期障害(STD)と長期障害(LTD)の定義
・障害保険の領域で用いられる用語
・障害保険は、重大な病気や怪我をした場合に、給与を得る能力を保護する特殊な保険。
・障害保険は、一般的に短期と長期に分類され、それぞれの保険種類によって給付期間、除斥期間、給付額などが異なる。
■ STD:就業不能期間が7日~30日(14日が最も一般的)
■ LTD:就業不能期間がほとんどの標準的な保険では90日。

🌍 参考サイト >>> site.

[結果] T2Dの従業員は、糖尿病でない従業員に比べ、4.2日の超過損失日数(28.2 vs. 24.0 days、6.4対3.3のSTD、1.0対0.4の LTD)があった。生産性コストは13.3%(680ドル)高く、医療コストは2倍(合計11,354ドル対5,101ドル、外来患者4,558ドル対2,687ドル、入院患者3,085ドル対1,349ドル、処方薬4,182ドル対1,189ドル)であり、T2D患者は、糖尿病のある従業員より高かった。18~34歳の従業員では、STD日数および外来患者費用がより高かった。女性は男性よりも欠勤とSTDの日数が多く、外来患者費用が高かった。

[結論] T2Dは、一人当たり年間約7,000ドルのコスト増に寄与しており、その大部分は過剰医療費によるものである。我々の推計は、雇用主が労働者のT2D予防やより良い管理を支援する努力によって得られる潜在的な金銭的利益を評価するのに役立つかもしれない。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

「〇〇さんが、濃厚接触者で休みです」
「〇〇くんが、陽性で休みです」

この数年ほど、職場が健全に機能する上で、『健康状態』の重要性が体感されたことはないだろう。
とくに、中間管理職より上の立場の人たちは、大変だ。
報告を受けたとき、内心では嵐のような状況になっていたとしても、その立場、全体への士気を考えると、ポーカーフェイスを貫かねばならぬ。
心の防波堤が鍛えられたという人間が、少なくないのではないか。

その中で、僕は強く感じていたことがある。
「病気や欠勤は、仕方がないよね」
ほとんどが、この態度で対応されるのだが、その是非を問いたい。
確かに、目の前の欠勤者/疾病罹患者に対しては、その態度でいいだろう。
「仕方がないよ、ゆっくり休んでね。心配しなくていいからね」と。
だが、長期的な集団の態度として、それ『のみ』でいいのか?
僕たちは、理学療法士として、『Excercise is Medicine(EIM)、運動は薬だ』などと標榜し、患者にはあらゆる疾病リスク低減のために、継続的な運動が重要であることを指導している。
だが、ひとたび自分のこととなると、どうだろう。
「最近、運動してる?」
ぼくの周囲では、この質問に『Yes』である人間は、5〜10人に1人くらい。
「医者の不養生」という諺は、かなり真理に近いことをいっている。

「医者の不養生」
→「non-EIMにより疾病発症」
→「欠勤 or 医療費↑」
→「結局、集団が打撃を受けている」

で。
この状況があることを知った上で、「病気や欠勤は、仕方がないよね」だけで、その場しのぎだけで、いいのだろうか?
僕は、職員の健康を維持することに、事前にコストを割いて、予防することが重要だと思っている。
例えば、①自転車通勤者を優遇する、②業務中の運動を課す(週3回40分間)、③ウェアラブル端末のアプリで身体活動量をモニターし一定以上の場合に優遇する、など。
それにより、疾病リスクが下がりコスト減少を見込めることはもちろん、EIMのエビデンスは生産性(成績)の向上が期待できることを示唆している。

ある本に、「年功序列から健康序列へ」という言葉が書いてあった。
この数年を振り返ると、健康状態を維持できることは、集団にとって死活問題である。
その問題のすべてを、個人の責任範囲とすることは、正しいとは思わない。

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