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儚さの方程式 13章 最終章〜 方程式にしてみた 〜

儚さの方程式 〜完成版〜 です。

統合

第1部では「何が儚いか」を見てきました。
第2部では「なぜ儚いか」の構造を見てきました。

これを基にして方程式をつくってみます。

方程式 Vol.1

H = A × I × ( L + G + T )

H 儚さ   Hakanasa
A 愛着   Attachment
I 不可逆性 Irreversibility
L 欠如   Loss
G 乖離   Gap
T 時間   Time

儚さ(H)は
愛着(A)と不可逆性(I)を前提として
欠如・乖離・時間が重なるところに生まれます。

各変数の意味

A 愛着 (Attachment)
認識があり、記憶があり、思い入れがある。
しかし、Aは大きな愛着である必要はないです。
存在を認識した瞬間にAは最小値として生まれます。
だから見知らぬ花にも儚さを感じます。

I 不可逆性 (Irreversibility)
戻れない、一回性、二度と来ない。
I がゼロなら儚さは生まれないです。
繰り返せるものは儚くならないですが、
その日限りだから儚くなります。

L 欠如(Loss)
原型からの変化・不完全な状態のことです。
存在していたものの一部が失われた瞬間に
欠如は生まれます。
欠如は「減る」だけではありません。
欠けることで、あった頃の記憶が呼び起こされる。
欠如が、存在したことの痕跡になります。

G 乖離(Gap)
記憶・期待と現実のズレのことです。
乖離は対象の外側ではなく
自分の内側で起きています。
記憶は時間とともに美化されていくため、
乖離は必ず生まれるようになっています。
二度味わうことで初めて気づけるものです。

T 時間(Time)
過去と現在の差異を可視化するものです。
時間が長いから儚いわけではありません。
時間の長さではなく「差異の認識」が本質です。
時間は儚さの原因ではなく、
儚さを私たちに気づかせるものです。

L + G + T   欠如・乖離・時間
不可逆性と愛着を前提として儚さの強度を決めます。
単独でも儚さを生みますが、
重なるほど儚さが増します。

式の限界と可能性

この方程式は完全ではありません。

係数は人によって違います。
同じ桜を見ても
儚さの強度は人それぞれです。

しかし、
儚さを感じるとき
この式のどこかが動いています。

あなたが儚いと感じた瞬間を
この式に当てはめてみてください。

あなたが儚いと感じた瞬間には、
どの変数が動いていたのでしょうか。

おわりに

儚さは喪失ではないです。

存在している ことの証明でもあり
存在していた ことも表します。

生きている今を感じているからこそ、
私たちは儚さを感じます。

だから儚さは、
人間にとって自然であり、
生きることそのものなのかもしれません。

つづく…




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