見出し画像

【知らないと危険】パスワード管理の正しい方法|漏洩リスクを激減させる実践テクニック

この記事はAmazonアフィリエイトを含むPRを含みます

「パスワードを変更してください」という通知が来るたびに、面倒だと感じていませんか。あるいは、複数のサービスで同じパスワードを使い回していることに、どこか不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

実は2024年、上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏洩・紛失事故は189件に達し、4年連続で過去最多を更新しました。漏洩した個人情報は約1,586万人分にのぼり、その原因の約6割が「ウイルス感染・不正アクセス」によるものです。パスワード管理の甘さが、こうした被害の入り口になっているケースは少なくありません。

私自身、バックオフィス業務の自動化やシステム運用に携わる中で、パスワード管理の重要性を痛感する場面に何度も遭遇してきました。

この記事では、最新のガイドラインに基づいた正しいパスワード管理の方法と、今すぐ実践できる具体的な対策をお伝えします。


パスワード管理をめぐる「常識」が変わった

定期変更は不要という新常識

かつては「パスワードは定期的に変更すべき」というのが情報セキュリティの常識でした。しかし2017年、米国国立標準技術研究所(NIST)がこの考え方を覆すガイドラインを発表しました。サービス提供者がパスワードの定期的な変更を要求すべきではないという方針が示されたのです。

では、なぜ定期変更が不要になったのでしょうか。なぜなら、定期的な変更を求めると、ユーザーがパスワードを単純化したり、パターン化したりする傾向があり、かえってセキュリティが低下するリスクがあるためです。

本当に安全なパスワードとは

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が公開している「チョコっとプラスパスワード」では、安全なパスワードの条件として以下を挙げています。

まず、数字・英大文字・英小文字を組み合わせ、できるだけ長い文字数(15桁程度)で構成することが推奨されています。より安全性を高めたい場合は記号を追加することも効果的です。そして何より重要なのが、サービスごとに異なるパスワードを設定することです。

日本人が使いがちな危険なパスワード

危険なパスワードには共通点があります。自分や家族の名前、ペットの名前、生年月日、住所、車のナンバーなど個人を特定しやすい要素を含むもの。「password」「baseball」「monkey」のような辞書に載っている英単語をそのまま使ったもの。「1234」「abcd」「aaaa」のような単純な羅列。これらはすべて攻撃者に推測されやすく、避けるべきです。

パスワードを安全に管理する3つの方法

方法1:パスワードマネージャーを使う

複数のサービスで異なるパスワードを設定すると、覚えきれないという問題が生じます。そこで役立つのがパスワードマネージャー(パスワード管理アプリ)です。

パスワードマネージャーは、複数のID・パスワードを暗号化して一元管理するツールです。マスターパスワードを1つ覚えておけば、あとはアプリが各サービスのログイン情報を自動入力してくれます。

多くのパスワードマネージャーは「ゼロナレッジ暗号化方式」を採用しており、運営側もユーザーのデータを閲覧できない仕組みになっています。主要なサービスには1Password、Bitwarden、Keeperなどがあり、無料で使えるものから機能が充実した有料版まで様々な選択肢があります。

パスワードマネージャーに抵抗がある方や、デジタル機器に慣れていないご家族には、セキュリティを考慮したアナログのパスワード管理帳も選択肢の一つです。ただし、保管場所には十分注意が必要です。

方法2:コアパスワード方式を活用する

IPAが推奨する「コアパスワード」という方法もあります。これは、覚えやすい「核」となる文字列を作り、サービスごとに一部を変える方式です。

たとえば「(wako)プラス(+)パスワード(Password)2024!」というフレーズから「wako+pw24!」のようなコアパスワードを作成します。これにサービス名の頭文字を付け加えることで、サービスごとに異なるパスワードを覚えやすく管理できます。

方法3:OSに標準搭載されたパスワード管理機能を使う

iPhoneやMacをお使いの方はiCloudキーチェーン、AndroidやChromeをお使いの方はGoogleパスワードマネージャーが標準で利用できます。これらは追加のアプリをインストールする必要がなく、すでに使っているデバイスやブラウザと連携しているため、導入のハードルが低いという利点があります。

普段からGoogleアカウントやApple IDを利用している方には、シームレスに使える選択肢として検討する価値があります。

多要素認証でセキュリティを強化する

パスワードだけに頼らない認証方法として、多要素認証(MFA)の導入も重要です。認証には「知識情報」「所持情報」「生体情報」という3つの要素があり、このうち2つ以上を組み合わせるのが多要素認証です。

知識情報とはパスワードや秘密の質問など、本人だけが知っている情報のことです。所持情報はスマートフォンやICカードなど、本人だけが持っているものを指します。生体情報は指紋や顔など、本人固有の身体的特徴です。

たとえば、パスワード(知識情報)でログインした後、スマートフォンに送られるワンタイムパスワード(所持情報)を入力する方式が広く採用されています。マイクロソフト社によれば、多要素認証を導入することで、アカウント侵害攻撃の99.9%以上を防ぐことができるとされています。

GoogleアカウントやSNS、ネットバンキングなど、多くのサービスで多要素認証(二段階認証)の設定が可能です。まだ設定していない方は、今すぐ有効化することをおすすめします。

より高いセキュリティを求める方には、YubiKeyのようなハードウェアセキュリティキーも選択肢になります。USBポートに差し込んで認証を行うため、フィッシング攻撃への耐性が非常に高いのが特徴です。

パスキーという新しい選択肢

パスワードに代わる新しい認証方式として「パスキー(Passkey)」が注目されています。

パスキーでは、指紋認証や顔認証などでログインでき、パスワードを覚える必要がありません。公開鍵暗号方式を採用しているため、秘密鍵が一切ネットワーク上に流れず、フィッシング攻撃に対する耐性が高いのが大きな特徴です。

まだすべてのサービスがパスキーに対応しているわけではありませんが、対応サービスでは積極的に活用していくことで、セキュリティと利便性の両立が可能になります。

今日から始める3つのアクション

ここまでの内容を踏まえて、今日から実践できることを3つにまとめます。

第一に、使い回しているパスワードを洗い出すことです。特に金融機関やショッピングサイトなど、重要なサービスから優先的に個別のパスワードに変更しましょう。パスワードマネージャーの導入を検討するのも良いタイミングです。

第二に、重要なサービスで多要素認証を有効化することです。GoogleアカウントやApple ID、SNSアカウント、ネットバンキングなど、乗っ取られると被害が大きいサービスから順に設定を進めてください。

第三に、パスキーに対応しているサービスではパスキーを設定することです。すでにAndroidスマートフォンでGoogleアカウントにログインしている場合、自動でパスキーが作成されていることもあります。

パスワード管理と併せて、セキュリティソフトの導入も検討してみてください。万が一マルウェアに感染した場合でも、被害を最小限に抑えることができます。

まとめ

パスワード管理は、デジタル時代を生きる私たちにとって避けて通れない課題です。しかし、正しい知識と適切なツールを活用すれば、決して難しいことではありません。

重要なポイントを振り返ると、パスワードの定期変更は不要ですが、流出が疑われる場合は速やかに変更すること。15桁以上の複雑なパスワードを設定し、サービスごとに使い分けること。パスワードマネージャーや多要素認証を活用してセキュリティを強化すること。そしてパスキーという新しい選択肢も積極的に取り入れていくことです。

情報漏洩のリスクは他人事ではありません。今日からできることを一つずつ始めてみてください。



いいなと思ったら応援しよう!