【ローコード革命】Microsoft Dataverseとは?業務効率化を実現するデータベースを初心者向けに解説
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Microsoft 365やPower Platformを業務で使っている方なら、「Dataverse(データバース)」という名前を聞いたことがあるかもしれません。でも、「結局何ができるの?」「ExcelやSharePointと何が違うの?」という疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ITエンジニアとしてVBAやRPAで業務効率化を推進してきた筆者の視点から、Microsoft Dataverseの概要と活用メリットをわかりやすく解説します。
Microsoft Dataverseとは?
Microsoft Dataverseは、Microsoftが提供するクラウド型のデータベースサービスです。Power Apps、Power Automate、Dynamics 365などのMicrosoft Power Platformと連携して使用されることを前提に設計されています。
以前は「Common Data Service(CDS)」という名称で提供されていましたが、2020年11月に「Dataverse」へと名称が変更されました。この名称変更は、単なるデータベースではなく、「データの宇宙(Universe)」のように様々なデータを統合管理できるプラットフォームであることを表現しています。
Dataverseの特徴は、ビジネスアプリケーションで使用されるデータを安全に保存・管理できる点にあります。データは「テーブル」という形式で格納され、従来のリレーショナルデータベースと同様に行と列で構成されています。
Dataverseで何ができるのか
Dataverseを活用することで、以下のようなことが実現できます。
まず、ローコードでのデータベース構築です。従来のデータベースでは、SQLなどのプログラミング言語の知識が必要でした。しかしDataverseでは、クリック操作だけでテーブルの作成やリレーションの設定ができます。ITの専門知識がなくても、業務担当者自身がデータ構造を設計できるのは大きなメリットです。
次に、Power Platformとの連携による業務アプリの構築です。Power Appsで作成したアプリのデータソースとしてDataverseを使うことで、高速かつ安全なアプリケーションを構築できます。Power Automateと組み合わせれば、データの更新を起点としたワークフローの自動化も可能です。
また、Dynamics 365との統合も重要なポイントです。Dynamics 365で扱う顧客データや企業データはDataverseに格納されるため、CRMやERPのデータを活用したアプリ開発がスムーズに行えます。
さらに、APIやSDKを通じた外部システム連携も可能です。既存のCRMシステムやERPシステムとDataverseを統合すれば、異なるデータソースの一元管理が実現し、データのサイロ化を防ぐことができます。
SharePointとDataverseの違い
「SharePointがあるのに、なぜDataverseが必要なの?」という疑問は多くの方が抱えています。両者は似ているようで、実は用途が大きく異なります。
SharePointは主にドキュメントの保存と共有を目的としたツールです。WordやExcelのファイル、画像などを格納し、チーム全体でアクセスするシーンに適しています。バージョン管理や同時編集機能を備えているため、ドキュメント管理の効率化に有用です。
一方でDataverseは、複雑なデータの効率的な管理やアプリケーション開発のためのデータ保存に焦点を当てています。リレーショナルデータベースとしての機能を持ち、テーブル間のリレーションシップ設定や、行単位でのセキュリティ制御が可能です。
パフォーマンス面でも違いがあります。検証結果によると、Power AppsからDataverseに接続する場合、SharePointリストと比較してCRUD処理が40〜60%程度の処理時間で完了するという報告があります。これは、同じPower Platformのサービスであるため、API managementを介さずに直接接続できるためです。
また、SharePointリストには「5000件問題」と呼ばれる制約があり、大量のデータを扱う場合は回避策を講じる必要があります。Dataverseではこうした制約を気にせず、大規模なデータ管理が可能です。
使い分けの基準としては、シンプルなデータ管理やファイル共有が中心であればSharePoint、複雑なデータ構造や高度なセキュリティ、大規模データ処理が必要であればDataverseを選択するとよいでしょう。
Dataverseのライセンスと費用
Dataverseは単独で購入するのではなく、主にPower Appsのライセンスに含まれる形で利用します。
代表的なプランとして、Power Apps Premiumプランがあり、1ユーザーあたり月額約2,998円です。このプランではDataverseを自由に使え、アプリの数も無制限となります。250MBのデータベース容量と2GBのファイル容量が付与されます。
小規模な導入やテスト運用には、Power Apps per appプランが適しています。1ユーザーあたり月額約778円で、特定のアプリ1つだけを利用する場合に向いています。
実は一部のMicrosoft 365プランにも、Dataverseの機能が限定的に含まれていることがあります。すでにMicrosoft 365を契約している企業は、追加費用なしで利用できる場合もあるので、まずは自社の契約プランを確認してみることをおすすめします。ただし、これらの限定機能では、カスタムアプリの作成やプレミアムコネクタの使用はできない点に注意が必要です。
Dataverseのセキュリティと信頼性
Dataverseは、Microsoft Azureの強力なインフラ基盤上に構築されています。日本国内には東日本と西日本に2拠点のデータセンターがあり、ペアリングされてバックアップも冗長化されています。
技術的な構成としては、Azure SQL、Blob Storage、Cosmos DBで構成されており、コンテンツの内容に応じて自動で適切なストレージに振り分けられます。リレーショナルデータは SQL で動作し、添付ファイルはBlob Storageに保管、監査ログはCosmos DBに格納されるという適材適所な管理が行われています。
セキュリティ面では、ユーザー、部署、セキュリティロールとアクセスレベルという多層的な機能を備えています。データは行単位で制御を行うことが可能で、きめ細かいアクセス権限の設定ができます。
コンプライアンス面でも、Microsoft Purveを使用してすべてのAIデータアクセスの監査ログを取得でき、法令遵守が求められる業界でも安心して利用できます。
2025年最新のDataverse動向
2025年リリースサイクル1では、Dataverseがスケーラブルで相互接続されたCopilotアプリケーション、自動化、エージェントを簡単に構築できるローコードデータプラットフォームとして進化を続けています。
注目すべき点として、生成AIワークフローとCopilotアプリケーションへの対応が強化されています。様々なソースからのデータとメタデータを、生成AIワークフローで簡単に活用できるようになりました。Azure OpenAI大規模言語モデル(LLM)を使用して、根拠のあるエンタープライズデータで動的プロンプトを作成し、外部ソースに接続することも可能です。
1,000を超えるPower Platformコネクタ、Power Automateフロー、AIプラグインとの連携により、Microsoft 365アプリ用のCopilotやDynamics 365アプリのネイティブコパイロット、カスタムビルドコパイロットなど、様々な場面でエンタープライズデータを活用できるようになっています。
Dataverseを学ぶには
Dataverseの学習を始めるなら、まずはMicrosoft公式の学習プラットフォーム「Microsoft Learn」がおすすめです。「Microsoft Dataverseの利用開始」というラーニングパスが用意されており、環境の作成、テーブルの設計、フィールドの定義などを体系的に学べます。
書籍で学びたい方には、「ひと目でわかるPower Apps ローコードで作成するビジネスアプリ入門」がおすすめです。最新版ではMicrosoft Dataverseやモデル駆動型アプリの利用方法も加筆されており、実践的な活用法を学べます。
実際に手を動かして学びたい方には、Power Appsの開発者向けプラン(無料)を使うことで、個人環境を作成してDataverseを試すことができます。
Dataverseの活用シーン
Dataverseは様々な業務シーンで活用されています。いくつかの例を紹介します。
顧客管理(CRM)では、Dynamics 365と連携して顧客データを一元管理し、営業活動の効率化を図ることができます。営業担当者が外出先からスマートフォンで顧客情報を確認・更新するといった使い方が可能です。
在庫管理アプリでは、Dataverseをデータソースとして、Power Appsで在庫の閲覧・登録・編集ができるアプリを構築できます。Power Automateと組み合わせれば、在庫が一定数を下回った際に自動で通知を送る仕組みも実現できます。
承認ワークフローでは、経費精算や休暇申請などの承認プロセスをDataverseとPower Automateで自動化できます。申請データがDataverseに保存され、承認者への通知、ステータス更新、完了通知までを一連のフローとして構築できます。
Microsoft Accessからの移行先としても、Dataverseは有効な選択肢です。Accessの「テーブル」構造をクラウド上で構築・共有できるようなイメージで、既存のAccessフォームをそのまま活用しながらデータだけをDataverseに移行することも可能です。これにより、インターネット環境があればどこからでもアクセスできる環境を実現できます。
まとめ - Dataverseを活用すべき人
Microsoft Dataverseは、Power Platformを本格的に活用したい方にとって欠かせないデータ基盤です。特に以下のような方におすすめです。
Power AppsやPower Automateで本格的な業務アプリを構築したい方、Dynamics 365との連携でCRM/ERPデータを活用したい方、SharePointリストの制約(5000件問題など)に困っている方、そしてAccessのクラウド化を検討している中小企業の担当者の方には、Dataverseの導入を検討する価値があります。
ローコードでデータベースを扱えるため、属人化した作業を仕組み化し、誰でも運用できる体制を構築することが可能です。IT部門に依存せず、業務部門主導でデジタル化を進めたい企業にとって、Dataverseは強力な武器となるでしょう。
まずはMicrosoft Learnの無料コースや開発者向けプランで試してみて、自社の業務に合うかどうかを確認してみてはいかがでしょうか。
データベース設計やPower Platformの活用についてより深く学びたい方は、書籍での学習も効果的です。
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