男女併学の高校に通っていた話
私が通っていた山口県の高校は、「男女併学(だんじょへいがく)」だった。
男女共学でも、男女別学でもなく、そのどちらでもない、他ではあまり聞いたことがない制度だ。
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在学当時、普通科は10クラスあり、男子クラスが6、女子クラスが4に分かれていて、教室は完全に男女別だった。男子クラスの教員はすべて男性で、女子クラスには女性の教員もいた。
校舎もまた、男子校舎と女子校舎のあいだに理科校舎を挟むように配置され、靴箱やトイレも別々だった。授業時間中に男女が顔を合わせることは、基本的にはなかった。

ただし、すべてが分断されていたわけではない。生徒会活動や部活動、学校行事(修学旅行を除く)になると、男女で一緒に行った。図書館も共用だ。
私は物理部に所属していた。当時(1970年代後半)、「PONG(ポン)」というゲームができるという理由だけで入部したのだ。部には女子もいて、それが私の高校生活の中で数少ない女子との接点のひとつだった。なお、文系だった私は物理を選択できなかったので、物理部なのに物理の授業を一度も受けたことがなかった^^;
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男子だけの教室は、気をつかわずに済む、気楽な空間だった。ところが放課後になると、用事があったり、人気のある男子に会いに来たりして、女子が教室にやってくることがあった。教室に女子がいるというだけで、そこは異空間に変わったように感じられた。
多感な時期に、異性のいない日常というのは、思えばどこか決定的に彩りを欠いていた。アニメで男女共学のクラスのシーンを見るたび、「ああ、自分はこういう青春とは無縁の高校時代だったな」と、今でもふと思う。
運動場の向こうには商業高校があった。そこは女性の比率の方が高くて、かつ男女共学だったので、本当にうらやましかった。しかも中学の同級生で人気のあった女子が二名が通っていたのだ。
中学の卒業式の時にそのうちの一人に制服のボタンをねだられて渡したけど、その後の具体的な進展は何もなく、陰キャだった私はどうすることもできなかった^^;
大学に進み、基礎演習の教室に入ると、男女が自然に同じ空間で過ごしている光景が広がっていた。そんな当たり前の環境に久しぶりに身を置いた私は、正直少し戸惑ってしまった。特に都会育ちの同年代の女子は、田舎の男子クラスで育った私にはまぶしすぎて、どう接すればいいのか最初はまったく分からなかった。
そのぎこちなさは時間をかけて少しずつほどけていったけれど、高校時代に身についた「異性に慣れていない感じ」は、自分で思うよりずっと長く、心のどこかに残っていた。
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そんな、地味な高校生活を送ってきた私だが、来年、久しぶりに同窓会が開かれるという。当然そこには男子だけでなく、女子も集まってくる。
思えば15年ほど前にも一度出席したが、そのときは参加している女子の大部分が誰なのか分からなかった。そもそも、同級生にどんな女子がいたのか、私はほとんど知らないのである。よほど印象的だった人を除けば、記憶の中に顔が残っていない。
もっとも、男子だって長い年月のなかで随分と変わってしまった人もいて、当時親しかった相手でも、すぐには気づかなかった。だとしたら、女子となれば、なおのこと――わからなくなっているのだろう。
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ネットで検索してみると、この母校は2000年前半には完全男女共学に移行したらしい。校舎は当時のままみたいなので、トイレなどを含めていろいろ改装されたのであろう。
これを読まれたみなさんは、「男女併学なんて初めて聞いたよ」という人が大半だと思う。しかし、そんな少し不思議な環境のなかで過ごした時間もまた、振り返れば自分の青春の一部だったのだ。
とはいえ、高校生時代には戻りたいとは思わないけどね^^;
