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3D Gaussian Splattingにおける光沢物撮影テクニック(時計編

こんにちは。SUPER SCAN STUDIO 所属のhunyunです。

目的

今回は金属光沢のある時計を3D Gaussian Splattingにて生成していきます。
金属の Gaussian Splattingは撮影環境をこだわらなくても3D化することは
そこまで難しくはありませんが、写真の撮影方向に強く依存しますので映り込みや反射が見る角度ごとに変わってしまいます。そのため場合によっては、くすんで見えてしまう。ということも少なくありません。

工芸品や装飾品などが対象物の場合、映り込みや反射を整えて撮影することでより対象物の魅力を引き出し、3D Gaussian Splattingならではの表現もできますので、そのあたりをこだわりながら撮影を行っています。

対象物

時計です。(Rolex/rolex oyster perpetual自動巻きクロノメーター)

針の向きのバランスは一般的に美しいといわれる、10時8分37秒がで合わせます。
(この辺りはメーカーによって違い、文字盤のデザインや日付表示位置などによって変わってきます。)

ライティング環境構築

ドーム状の乳白色アクリルをphotogrammetry撮影用にレンズ入れる部分をカットしたものを使います。

今回対象物を回転させ撮影していくので、中央に回転するテーブルを置き
かぶせるようにドームを配置します。
この時高さは、回転テーブルとドームの縁が同じ高さになるよう合わせます。

写り込みを防ぐために、黒い布を下部にかけ白いボードをカメラと対象物の間に架けています。

手前側は白で受けているのは、撮影時に光を受ける可能性がため、白のボードを配置しています。
下部を黒にしているのは、全体が白っぽくなりすぎないよう、引き締める部分(黒)を使用しています。
ただし、対象によってはグレーの方が良い場合もあるのでテスト撮影しながら検証していきます。

下部は黒の布・手前は白のボードを配置

テスト撮影を繰り返しながらライトの位置やレフ版を調整していきます。

ライティング調整と撮影を繰り返す。
画面は最適露出でも盤面が白っちゃけてしまっているので調整しているところ。


最終的にはこのように、左サイドからのストロボで下部のシャドウを消し、後ろからのストロボを当てています。右側にレフ板を置き全体に光が回るよう調整しています。

カメラ設定


今回F値22にしています。多少回析ボケがあっても
どこががピンとから外れて大きくボケるより良い
という判断です。
ピントの合わせたところから手前1:奥2が概ね合っている状態になっており、時計全体に合わせております。


撮影写真

今回片面1週24カット角度5段 表裏撮影のため×2 の240枚で作成しています。

今回撮影プランとしては、3D映えを押さえつつフラットに撮影することを目的にしております。

ライティング:
特定の角度で綺麗に見せるためのライティングはさまざま方法があるのですが、3D化にあたって対象物を回転撮影したときにに真っ黒になったり真っ白になったりしないよう、全体的にフラットになるようなライティングを
押さえながら調整しています。

ただし、ラインを出すような表現(例えばベゼルのラインなど)は、光が回っていないことによって生まれることもあるため、この辺りはどこを撮るのかは難しい課題です。

文字盤と金の表現:
文字盤縁にあるギザギザの部分は金色なのですが、全体をフラットにしすぎると金の部分もベタになってしまうため、そうならないようにバランスを取る必要があります。
またフラットにすると金の部分や真板の中の針・マーク・文字 の色が弱くなってしまうという課題があります。
それらを調整するために盤面のハレを押さえるため、該当部分の光をカットできるよう 円形のシートを配置しました。

盤面調整用円形シート

一般的な時計撮影方法と今回の方法

今回の撮影では、全体をフラットに見せることを重視している点など、一般的なセオリーとは異なる部分が多いです。

広告用の時計などのプロダクト撮影では、1shotで完成している写真はほぼなく、文字盤は文字盤だけ、ベゼルはベゼルだけ、ベルトはベルトだけなど、パーツごとに別々に撮影して、一番美しく見えるパーツを組みあわせて合成し、完成度の高い写真を作成することが多いです。

これは、パーツごとに最適な見せ方や情報(数字、ロゴなど)を表現するためであり、特に文字盤の数字が欠けないように撮るといったセオリーがあります。
通常の撮影では、フェース(文字盤部分)は正面を向き、ベルトは上の部分を短く、下の部分を長くして、その丸みで見せ方を作る。などを行います。
今回のように小さいものだと、見せたい部分以外をトリミングしてしまうこともあります◦

この辺りが3D撮影とイメージカットとの違いになり、
3Dでは写真での後加工というわけにはいかない部分が多く難しいところになります。

3D Gaussian Splatting結果

今回アライメントをreality capture、生成をpostshotにて作成しています。
写真撮影時に書いた内容のこだわりポイントが反映されている。ことが確認できます。

しかし、ドーム撮影の都合上真上をカバーできていなかったため
真正面は課題があるある仕上がりになっています。
この辺りはケアすべき部分でした。
またルーペ部分の表現も丁寧に行おうとすると上部中心の撮影枚数を
もっと増やす必要がありました。

正面の表現が弱い

3D Gaussian Splattingビューイングはこちら



まとめ

このように光沢物での3D Gaussian Splattingは何を優先するのかによって
表現が大きく変わります。
今回金属の質感再現を中心に3Dとして破綻の少ない撮影を目指しました。
そのあたりは達成できたのですが、時計としての商品価値を(数字、ブランドロゴなど)を正確に伝えることへのケアはもっと必要でした。
そういった要素を優先しつつも、いいところの3Dはしっかりと出す。そういった撮影が要求されるのでそのあたりはPhotogrammetryとはまた違った表現を目指せる部分が3D Gaussian Splattingの面白い部分と感じました。


SUPERSCANSTUDIOでは、より良いデジタルアーカイブを実現できるよう
新規技術の検証を行っておりますので是非、高評価・スキ よろしくお願いいたします。