見出し画像

心に余裕(ヒマ)がある生物 なんと素晴らしい!!【寄生獣 #名言ノート92】

今回紹介させていただく名言はこちら!!

心に余裕(ヒマ)がある生物
なんと素晴らしい!!

超名作マンガ『寄生獣』の最終話からの一言です。全文は以下になります。

ある日

道で……

道で出会って

知り合いになった生き物が

ふと見ると死んでいた

そんな時何で悲しくなるんだろう

そりゃ人間がそれだけヒマな動物だからさ

だがな

それこそが人間の

最大の取り柄なんだ

心に余裕(ヒマ)がある生物

なんと素晴らしい!!


だからなあ……

いつまでもメソメソ

してるんじゃない

疲れるから自分で持ちな

いやー、やっぱり何回見てもこのシーンはすごいですね。すべてが完璧です・・・解説するのは野暮かもしれませんがやってみましょう。

このシーンの最大のポイントとしては、『人間』ではない寄生獣の『ミギー』がまるで人間代表のような顔でさも誰でも知っている常識かのように、人間とは何ぞやを人間に語り掛けているという構図そのものではないかと思います。

見てくださいこのミギーの態度を。「エッヘン」という得意げな感じが伝わってきます。



『寄生獣』という作品の魅力

『寄生獣』は単なるバトル漫画の枠には収まらない、非常に哲学的で深遠な作品です。単に人間対寄生生物という単純な構図に留まらず、人間とは何か、生命とは何か、地球環境と生物の関わりはどうあるべきか、といった普遍的なテーマを深く掘り下げています。

主人公のシンイチとその右手に宿ったミギーのバディものとしての側面もあります。異なる種族、異なる思考を持つ二人が、互いに影響し合い、成長していく過程が丁寧に描かれています。ミギーが人間的な感情を学び、新一がパラサイトの視点を得ることで、両者の間に生まれる奇妙ながらも強い絆は、多様な価値観の共存というテーマを示唆しているようにも思えます。

ミギーが常に合理性に基づいて行動する一方で、新一は人間的な感情や倫理観で葛藤する姿は、人間の複雑さや矛盾を浮き彫りにします。

『寄生獣』は、グロテスクな描写や激しいバトルシーンがありながらも、その奥底には生命の尊厳、共存、そして人間という存在への深い考察が込められています。だからこそ、多くの読者に長く愛され、名作として語り継がれているのだと思います。


寄生獣たち(パラサイト)の特徴

ミギーは、突如地球に飛来した謎の寄生生物(パラサイト)の一匹です。通常、パラサイトは人間の脳に寄生して宿主の体を乗っ取りますが、ミギーは主人公・泉新一の脳に寄生することに失敗し、右腕と融合してしまいます。このため、新一の脳は乗っ取られず、新一とミギーはそれぞれ独立した意識を持つことになり、奇妙な共生関係を築くことになります。

寄生獣たちはどこからともなく(明記はないですが多分宇宙)地球へ依頼してきました。

パラサイトは、通常、人間の鼻腔や耳などから侵入し、脳に到達して神経系を乗っ取ります。これにより、宿主の体はパラサイトの意のままに動く「操り人形」のような状態になります。脳の乗っ取りに失敗した場合(ミギーや宇田のパラサイトのように)、体の他の部位に寄生することもありますが、これは例外的です。

寄生に成功したパラサイトは、急速に人間の言語や知識を習得し、人間社会に紛れ込むことができます。最初は感情に乏しい合理的な思考をしますが、人間と関わる中で徐々に変化を見せる個体もいます。

宿主の体を乗っ取ったパラサイトは、自身のエネルギー源として他の人間を捕食します。これは彼らにとっての「食事」であり、人間にとっては衝撃的な「ミンチ殺人」として認識されます。

一般的なパラサイトは、卵を産んだり、分裂したりして増えることはありません。作中に登場するパラサイトは、あくまで地球に飛来した個体群であり、それ以上増えることはないと考えられています。この点が、地球の生物とは一線を画す特徴として描かれています。


田宮玲子

田宮玲子という、単なる敵役のパラサイトではなく、物語のテーマ性を深める上で非常に重要な役割を担う、キャラクターが登場します。新一が通う高校の数学教師として現れたパラサイトで、他のパラサイトと比べても特に高い知能と学習能力を持っています。

新一とミギーの特殊な共生関係に強い興味を持ち、彼らを観察対象とします。時に新一を脅したり利用したりしながらも、結果的に彼の成長に大きな影響を与えます。「なぜパラサイトは生まれたのか?」、「人間とパラサイトの関係とは?」といった、作品全体を貫く哲学的な問いを常に持ち続けます。


広川剛志

市長である広川は、パラサイトたちを束ねる存在です。人間こそが地球を蝕む存在だと断言し、地球環境を守るためにパラサイトの存在を肯定しようとする思想は、非常に過激でありながらも説得力を持って読者に迫ります。


浦上

浦上は人間の快楽殺人者(シリアルキラー)です。彼は若い女性を中心に惨殺を繰り返していました。彼の最も特異な能力は、人間とパラサイトを視覚的に見分けることができるというものです。

この能力は、彼が人間を「遊び」の対象として惨殺する中で、自然と身についたとされています。彼はこの能力によって、人間の中に紛れ込んでいるパラサイトを見抜くことができます。

浦上の存在は、『寄生獣』が単なる異種生命体との戦いを描くだけの物語ではないことを強調します。

パラサイトが捕食という「役割」を全うする一方で、浦上のような人間が無差別に同種を殺害する姿は、「人間らしさ」や「善悪」の基準を揺さぶります。彼の存在は、作中で度々語られる「人間こそが地球の寄生獣」という思想にも通じるものがあります。

読者に強い不快感を与えるキャラクターでありながらも、『寄生獣』という作品の持つ哲学的な深みを一層際立たせる、忘れがたい存在です。


新一とミギーの対比

田宮、広川、浦上といったような個性的なキャラクターの存在もさることながら、寄生獣という作品を語るうえで外せない要素として主人公の新一とミギーの対比は外すことはできません。

◆ミギー

新一は普通の高校生男子ですが、右手にパラサイトを宿してしまいます。そのパラサイトの目的は新一の脳を食いつぶして取って代わることだったのですが、右手から体内に侵入を試みたことで脳まで達することができずに右手に定着してしまいました。ちなみに右手だからミギーです。

パラサイトは非常に学習能力が高く、どんどん言語を習得していきます。特にミギーは好奇心が旺盛な個体だったようで、言語習得だけにとどまらずありとあらゆる知識を吸収しようとします。

最初の数話の日本語覚えたてのころこそ野蛮な印象のしゃべり方をしますが、宿主である新一が寝ている間も一晩中本を読み漁ったりして、あっという間にシンイチよりも博識になってしまいます。

そしてなによりも超合理的です。感情に流されず、常に本質を見極めた発言をします。ミギーの一人称は『私』ですからね。笑

アニメ版ではミギーの声は女性の声優さんが担当されてましたが(涼宮ハルヒやアンパンマンのコキンちゃんでも有名な平野綾さん)、個人的にはミギーは男性の印象が強く、渋くて落ち着きのある声のイメージがしっくりきます。

もしもミギーが人間社会で働くことになっていたら、プレーヤーとしてもマネジャーとしてもとんでもなく優秀な成績を収めそうです。ただ、役職とか起業とかには興味なさそうですね。はっきり言って理想の上司です。笑

自分で言うのも何なんですが、わたしは感情論よりも合理的な会話が好きなので、ミギーと対話できるんならしてみたいですね。新一とミギーのどっちと友達になりたいかと聞かれたらミギーと即答する自信があります。笑

運命共同体であるシンイチという宿主とのコミュニケーションをとおして、ミギーは人間とは何なのかを理解していきます。決してミギー自信が人間らしくなるわけではないのですが、そこら辺の人間よりもよっぽど『人間とはなんなのか』を理解するようになり、物語が進むにつれて、若干発言が人間臭くなっていくように感じます。

どんどん人間性背失っていってしまう人間の新一との対比として描かれています。

◆新一(シンイチ)

対して主人公の新一は、当初は普通の男子高校生だったのですが、ミギーとの出会いを通してどんどん『変質』していきいます。物語の初期では命を大切に扱う好青年だったんですが・・・

ほかのパラサイトたちとの殺し合いやある大きな喪失を経ることでどんどん人間性を失っていってしまいます。(ある事件をきっかけにミギーの体の組織が体全体に広がることになったことも影響しています。)

変わりはじめたころは自分の心境や考え方の変化に驚くこともありましたが・・・

物語の中盤では完全に別人のようになってしまいます。考え方だけでなく、発言や見た目もまるで別人です。

彼女にも人違いといわれてしまうほど『変質』してしまった新一・・・

『寄生獣』という物語はパラサイトとの出会いを通して完全に価値観が変質してしまった新一が、人間性を取り戻すまでの過程を描いていると解釈することもできます。

死んでしまった犬のことを無表情で『イヌの形をした肉』とまで言い切ってしまうところまで行きついてしまった新一が、どうやって人間性を取り戻していくのか・・・それはぜひ作品を通して知っていただきたいです。


寄生獣は最高の哲学書

寄生獣完全版最終巻(8巻)の表紙を飾るシンイチ。右手ではなく左手にペンで書いたミギーの似顔絵を描いているところがなんとも印象深い。もしかして鏡に映した右手かも?

『寄生獣』はマンガでこそありますが、最高の哲学書と言っても過言ではないんじゃないかなと思います。表面的にはバトル漫画ですが、作品全体を貫くテーマは、まさに「人間とは何か」「生命とは何か」という根源的な問いです。

寄生生物(パラサイト)という異質な存在を登場させることで、私たち人間が当たり前だと思っている「人間性」とは何かを問い直します。「生きる意味」「存在意義」といった根源的な問いを、提示することで、読者は自己を見つめ直すきっかけを得られます。

なによりもミギーが最高の『哲学者』です。

運命共同体という意味ではシンイチとミギーは相棒(バディ)ですが、シンイチの精神的な成長という視点で見ると、シンイチは生徒でありミギーは師として導くような役割を担っています。

それが、今回紹介させていただいている名言の一言にもつながっていきます。(この名言は『寄生獣』の最終回でミギーが別れの言葉としてシンイチ・・・というか人間に贈る言葉です。)

心に余裕(ヒマ)がある生物
なんと素晴らしい!!

まさに哲学の巨匠が一番弟子に贈る言葉としてこれ以上ない一言ではないでしょうか?

寄生獣の魅力はまだまだこんなもんじゃありません。新一がどんなに変化していっても支え続けた彼女との関係性。ひとつの体に5体のパラサイトを宿した最大の敵である後藤との死闘。その後藤を倒す決め手となった人類の業。敵を倒せばあとはすべて丸く収まる!といったような単純な勧善懲悪に収まらならない深いテーマ・・・。

これらすべてをテキストだけで解説できる自信はありません。是非作品そのものを直接手に取ってみていただきたいです!

個人的にはこのバージョンの完全版がおすすめです!表紙が良すぎる

📢おしらせ

最後まで読んでいただきありがとうございました。『スキ』や『フォロー』大歓迎です!Noteでの活動の励みになります!

改めましてこんにちは。『Nick』と申します。大学は出てないけれど読書を続けて外資系企業で10年以上。そんな等身大のサラリーマンが200冊以上の読書経験と、日々の仕事や暮らしの中で出会った「心に刺さる名言」を紹介します。マンガ・アニメ・映画などサブカルチャーからの引用も多数掲載!

自己紹介とご挨拶

自己紹介とメイントピックの紹介はこちら!▼

名言ノート一覧リストはこちら!▼

いつか本を出版してみたいなと夢見てたりもします!▼


いいなと思ったら応援しよう!

名言ハンターNick 読んでいただきありがとうございます。この記事の内容がちょっとでもあなたの人生の役に立てばうれしいです。