「読まれない」小説を「読まれる」にする、とっておきの作戦とは?
「……ひなた。これ、最後まで読める?」
あすかがスマホを差し出してきた。
画面には、あすかが昨日書いた小説が表示されている。
私はベッドに寝転がったまま、スマホを受け取った。
一行目を読む。
二行目。
三行目。
そして――。
「……長い」
「まだ三行しか読んでないよ?」
「だから長いの」
「意味わかんない!」
隣では、黒猫のクロが丸くなっている。
たぶんクロも、
「人間は難しいことを言うなあ」
と思っている。
知らんけど。
ここは、とらねこ村の「カフェひなた」。
私は、ひなた。
13歳。
基本、だらだらしている。
やる気はない。
でも、noteのことになると、ちょっとだけ口うるさい。
そんな私が、今日はあすかに小説の書き方を話している。
「あすか。この小説、話そのものが悪いわけじゃないよ」
「じゃあ、何がダメなの?」
「読者が、物語に入る前に帰っちゃう」
「……帰る?」
「うん」
私はスマホをテーブルに置いた。
「小説ってさ。読者に『ここから物語ですよ』って説明するものじゃないんだよ」
「じゃあ、何するの?」
私は少し考えてから答えた。
「読者を、いきなり物語の中に落とす」
「落とす?」
「そう」
読まれる小説には、いくつか共通する「仕掛け」がある。
たとえば…。
タイトル。
最初の3行。
主人公が欲しいもの。
それを邪魔するもの。
説明ではなく、場面。
そして、次を読みたくなる小さな事件。
「そんなにあるの?」
あすかが目を丸くする。
「あるよ。でも、全部を難しく考えなくていい」
「じゃあ、どうすればいいの?」
私は、あすかの小説をもう一度開いた。
「まずね。読者に『この先どうなるの?』って思わせる」
「それだけ?」
「それだけじゃないけど……最初は、それでいい」
たとえば。
『私は昔から小説を書くのが好きだった。』
これでは、悪くない。
でも、続きを急いで読みたくなるかと言われると、ちょっと弱い。
それなら…。
『私の書いた小説が、今朝、殺されていた。』
「……え?」
あすかが固まった。
「なにそれ?」
「続き、気になるでしょ?」
「めちゃくちゃ気になる」
「これが入口」
読者に説明するんじゃない。
まず、場面を見せる。
何かが起きる。
主人公には欲しいものがある。
でも、それを邪魔するものが現れる。
その小さな事件を一つずつ積み重ねる。
そして最後に、
「え、ここで終わるの?」
と思わせる。
「……なるほど」
あすかがスマホを握り直した。
「じゃあ、私の小説も直せる?」
「もちろん」
「どうやって?」
私は少し笑った。
「それはね…」
クロがテーブルに飛び乗った。
そして、あすかのスマホを前足で、
ぽん。
と叩いた。
「あ」
「クロ?」
画面が暗くなった。
「……クロ、今いいところだったんだけど」
クロは何事もなかったように毛づくろいを始めた。
「つまり、クロが『続きは有料で』ってこと?」
「いや、それは違うと思う」
でも。
実はここからが、本当に面白い。
小説は、ただ「面白い話」を書けば読まれるわけじゃない。
読者がページをめくる理由を、文章の中に置いておく。
その「置き方」が大切なんだ。
そしてこれは、小説だけの話でもない。
noteの記事にも、そのまま使える。
ここから先は、今回の本題。
「読まれない小説」を「読まれる小説」に変えるために、私が意識している10個のルールを、一つずつ具体的に見ていく。
もちろん、
「小説を書いたことなんてないよ」
という人でも大丈夫。
むしろ、noteを書いている人ほど知っておいてほしい。
なぜなら、この10個は小説だけじゃなく、
「最後まで読まれる文章」を作るための考え方
にもつながるから。
そして今回は、この内容をさらに深掘りして、メンバーシップ「カフェひなた」の限定掲示板でもお話しする予定。
文章を読んで終わりではなく、
「じゃあ、自分の記事ならどう使う?」
まで一緒に考えていく。
それでは、ここから先は…
カフェひなたの奥の席へ。
クロには、ちょっと席を外してもらおう。

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