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ぬくもりが足りない時代。


※約1,200文字あります(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)


子どものころ。

しゃがみ込んで、
アリの行列をずっと眺めていた日があった。

「このアリはどこへ行くんだろう。」
「何を運んでいるんだろう。」

そんなことを考えながら、
時間を忘れて夢中になっていた。

名前も知らない草花を眺めたり、
空を流れる雲を追いかけたり。

何も特別なことはしていないのに、
心はちゃんと満たされていた。

今思えば、
あの頃は時間がゆっくり流れていた気がする。

でも今はどうだろう。

立ち止まることよりも、
先へ進むことが求められる時代。

スマホを開けば、
次から次へと情報が流れ込んでくる。

便利になったはずなのに、
心はいつも何かに追われている。

何もしない時間に
「もったいない」と感じてしまう。

ぼーっと空を見上げることさえ、
減ってしまった気がする。

もちろん、
時代が変わることは悪いことではない。

便利になったからこそ助かることも、
たくさんある。

離れて暮らす人とも、
すぐにつながれる。

知りたいことも、
すぐに調べられる。

だけどその一方で、
何か大切なものを少しずつ
置いてきてしまったような、
そんな感覚になることがある。

うまく言葉にはできないけれど、
昔とは空気が違う。

人と人との距離は近くなったはずなのに、
心の距離は遠くなっているような。

画面越しではつながっていても、
孤独を感じる人は増えている。

笑顔の絵文字は届いても、
本当の笑顔には触れられない。

便利さと引き換えに、
ぬくもりを感じる瞬間が
少なくなってしまったのかもしれない。

だからこそ今、
優しい言葉には大きな力があると思う。

「ありがとう。」

「大丈夫?」

「無理しないでね。」

たった一言でも、
その言葉に救われる人がいる。

誰かの話を最後まで聞くこと。

目を見て笑い合うこと。

相手を思いやること。

そんな当たり前のことが、
実は一番のぬくもりなのかもしれない。

アリの行列を眺めていたあの日のように、
少しだけ足を止めてみる。

風の音を聞く。

空を見上げる。

季節の匂いを感じる。

そんな時間を持つだけでも、
心は少しずつ呼吸を取り戻していく。

時代は変えられなくても、
自分が届けるぬくもりは選ぶことができる。

忙しい毎日の中でも、
誰かに優しい言葉をかけること。

大切な人の話に耳を傾けること。

そして、自分自身にも優しくすること。

そんな小さなぬくもりが、
誰かの今日を少しだけ温かくする。

私はそう信じています。

便利さだけでは満たされないものがある。

だからこそ今、
この時代に必要なのは、
人の温度を感じられる
言葉や時間なのかもしれません。

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