【写真詩】命の謳歌
マスデバリアに寄せて
迷い心のなかに灯る 未練の焔(ほむら)
この胸から溢れ出す想いを
淡く揺れる残り香をたぐり寄せ
つかのまの 夢の中に 花を咲かせたい

消えゆく 魂の叫びを
消える命の儚さを 抱きしめて
燃え上がる 神秘の焔は
想いの抜け殻が 燃える 最後の光
鮮やかな装いの 造形美は
命を焦がした 情熱の証し
魂に火をつけて
消したつもりの 消えない憂い
無我の夢路をゆきながら
自分の存在の意味を探している
怯え 震え それでも
この焔で 夢の続きを終わらせはしない
鋭く 気高く 紅く染まって
一途な想いを
このマスデバリアは 求める絆をたぐり寄せ
無常なる世に咲き 散り急ぐ運命(さだめ)にあっても
その姿は ただひたすらに 今を 謳歌している
見つめているのは あなたの魂
それは消えゆくための 火 ではなく
明日を そして未来を照らすための 魂の焔
たそがれ老人のつぶやき
ー後書きー
八十路(やそじ)という月日の果てに、静かに熱く灯る「残り火」がある、 繰り返す時が、いつか未来に変わるまで、燃え続ける想いを表現する者として、残り少ない夢路を、灯し続けたい。
今回の写真は、アンデス山脈などの涼しく湿った高地に自生する蘭「マスデバリア」です。一般的な花びらではなく、3枚の「萼(がく)」が大きく発達した独特の姿をしています。花言葉は「鮮やかな装い」「妥協のない美」「注意」「強い意志」。
実はこの写真、マクロレンズで捉えた実物の姿を「上下逆転」させています。 本来は下向きに俯いて咲く、可憐で凛とした花ですが、あえて逆さまにすることで、鋭く尖った萼片が「未来へ向かう強い意志」として燃え上がるように表現しました。
震える手でたぐり寄せたこの瞬間(とき)を、鮮やかな命を写し取った言の葉を、写真詩(うた)に変えて、未来へ 。
私の命の行方が、いつか誰かの心を灯す光になるのなら。
想いたぎる 残り火を抱きしめ、夢の続きを歩んでいこうと思います。
この焔の花の中に、限りある永遠と、まだ見ぬ来世への鍵を隠して。
