手放したちょっとだけ後悔している古着と、たった1着の一生物の服
学生時代から古着が好きでした。今からもう25年も前だけど。
当時はバイト代のほとんどを古着とアメリカ旅行にあてる生活で、自分ほどアメリカンカルチャーにかぶれた若造はいないんじゃないかと自惚れていました。
そんな自分も今ではすっかり落ち着いた古着おじさんとなり、昨今のヴィンテージブームも穏やかな目で眺めています。
でも。もしも、あのころに買った古着を今も持っていたら。そう思うこともたまにはあります。あの服が今じゃ◯◯万円か…とか思うと。
とはいえ、いくら界隈的に良いものと言ったって、手放すには手放すなりの理由があるもの。
そんなわけで、私がこれまでに買い、手放してきた古着たちを振り返ってみる。自分語りでスマンと思いながらも、まぁ自分のnoteだしいいかという気持ちで書く。
古着を着るようになり25年。一生物と呼ばれる名品を手にしたこともあったのだが、見た目や好みの変化に伴い、ほとんどの服は入れ替わっている。結局、あの頃からずっと着続けている服は1着しかなかった。
自分の手を離れていった古着たち
1970's Levi's 501 Big E

手放して後悔している古着の筆頭がデニム。Levi'sの501なんてずいぶんと高くなってしまった。
私の学生時代である2000年代は、501といえば普通にアメリカ製で古着は5,000円くらい。赤耳はほぼレギュラー扱いで1万円以下。ヴィンテージと呼べるのは66前期くらいからという記憶です。
私はそのころからあまり高いデニムは買っておらず、501だって「あえてメキシコ製で」とか言ってたくらい天邪鬼ではあった。でもこのBig Eは唯一の例外。サイズはたしか実寸33×31くらいで、いいぐあいの色残りで購入した。
値段はハッキリ覚えてないけど39,000円か49,000円か。当時は5万円を超えてたら買ってないはずなので。
この501は気に入ってました。写真ははじめてのアメリカ旅行ですね。501にリンガーTで、見るからに古着好きマン。このBig Eを履いて、はじめてのアメリカの大地に降り立った思い出だけで一晩飲める。
じゃあ何年も愛用したかっていうと、実はそんなことなくて。高いデニムはなんだかんだ気をつかうから、そこそこ履いて手放した。
REDWING 875

そのアメリカ旅行で買ったのが、写真のREDWINGの875。まだ円が高かったので現地でいろいろ買いました。購入先はLAのダウンタウンにあったREDWINGストア。日系人のおじさんスタッフにいろいろ教えてもらったのを覚えています。
REDWINGは875の前に8166というプレーントゥのモデルも持っていて、これは2足目。8166のほうは原宿と渋谷の間あたりにあったREDWINGの店舗で買ったんじゃなかったっけな。愛着という意味ではこの875より8166の方が実は高くて。
はじめてのブーツだったし、8166はかなり履き込み、福祿壽っていうリペアショップでオールソールまでしてもらった。
そんなブーツたちも、子供が生まれたことをきっかけに売却。家や保育園の玄関でゆっくりブーツを脱ぎ履きなんてしてられんぞってことで。今持っていたらなぁとは思うけれど、ちょっとアメカジ感が強くてやっぱり履かないかもしれない。

この写真で履いてるのが8166。それにJ.C.Pennyのウールシャツとチャンピオンのスウェットを合わせている。完璧なアメカジ野郎でした。
写真は、ガキの使いの笑ってはいけないシリーズで最初期に放送された湯河原編を見て「湯河原行こうぜ」と同級生たちと旅行したときのもの。男4人で子宝の湯に行くのが面白くね?って思ってた自分たちに寒気さえしてきます。
1950-1960's Vintage Coverall

お次はヴィンテージのカバーオール。サイズもいいし色も真っ紺。これはいま持っていたらかなり着そうなやつ。
でも、なんで手放したんだっけ。やっぱり子育てでバタバタしてたんだろうなぁ。子供が小さいころなんてユニクロかアウトドアブランドばっかり着ていたし。好きな服よりも、汚れてもいい、破れても気にならない。そんな服ばかりを選んでいた時期でしたね。
給料もそんなに良くなかったし、休日しか着られない服より目先のお金が大事だったってのもあるかもしれない。

かなりいいけどなー。今なら中にはスウェットじゃなくシャツを着るんでしょうね。この写真に写っている娘も今は中学2年生だから、ずいぶん前の話です。
ORVIS Shoulder Bag
現行だけど後悔が強いモノってことで、ORVISのバッグ。これはどこで買っただろう。たしかLAかサンフランシスコか、ポートランドか。そのいずれかのORVISストア。あまり広くない店で、たしか70ドルくらいでした。

これ、現行品だったのにちゃんとMade in USAなんですよ。創業150年を記念したシリーズらしくて。

これもめちゃくちゃかっこいいと今でも思いますね。レザーはあまり高級感はないけどそれもまた良くて。
ただ、微妙に使いにくかったのもたしかで。フラップの留めがピンバックルだから荷物の出し入れがしにくい。サイズもノートPCがギリギリ入らず。だからこのバッグも休日専用となり、断捨離のタイミングで手放しました。
Old Budweiser T-Shirt
これは私の古着史上、もっとも残念な別れ方となったTシャツ。古いバドワイザーT。

どう残念だったのか、いきさつはこうです。
私は学生時代、セブンイレブンでバイトをしていました。あるときそのセブンでバドワイザーを大きく展開するフェアがありました。
レジ前の特設台にバドワイザーのビールをドカッと並べて盛り上げて。こういうときはチマチマやってても売れないからとにかく大きく展開するのがポイントでした。
その祭りに、学生バイトながら何か貢献できないかと思案する私。そうだ。「自分、バドワイザーグッズ持ってるっす!」と、自慢のバドワイザーバンダナやニットキャップ、それにこのTシャツを持ち込み、ディスプレイさせてもらったのです。

あのときはこうして貢献できるのがうれしくてねぇ。その満足感だけで楽しかった。
さて、バドワイザーの展開開始からしばらくして、このTシャツの姿が見えなくなりました。一応私物なので、気になってまわりのバイト仲間に聞きます。
「バドワイザーのTシャツ知ってる?」
「いや、知らん」
同じ時間帯のバイト仲間に聞いても誰もその所在を知らない。結局バイト中にはわからなかったので、あがってから、事務所にいたオーナーにも聞きました。
すると「あれノベルティだと思ってバドワイザー買った人に渡しちゃったわよ!」とのこと。
マジかよ!
あのときショックでショックで。古着好きならまだしも、普通にコンビニでビール買っただけの人に渡ったのも悲しくて。
でもその後、私物だったことを知ったオーナーは、普段は厳しい人だったけどこのときばかりは平謝りしてくださって、こっちが恐縮したほどでした。

ま、今にして思えばMサイズなんてもう着れないし、生地も薄いからいずれはどこかで手放しただろう。今もバイト仲間同士で話せるエピソードになってもいるんだからヨシとしましょう。
1980's THE JACKSON'S VICTORY TOUR T-Shirt
これはスペシャルなTシャツでした。1984年のツアーT、ほぼデッドストックから贅沢に着用。
マジでかっこよかったけど、プリントのインパクトが大きく、ファッションとして合わせる機会が減ったことで手放したはず。


このパワーあるデザイン、今ならいいんだけどな。
ちょっと気になって最近の価格を調べてみたら、メルカリで17,000円くらいで買われているのも見つけた。学生時代の自分は高くてもTシャツなら6,000円くらいまでしか出してない気がするから、やはり値上がりしてますね。今だったら古着屋でもTシャツは1万円くらいするもんなぁ。
1970's ROLEX OYSTER DATE 6694

ロレックスのヴィンテージウォッチ。これは手放した後悔というより「この時計をずっと使っていればよかったのに」という後悔。
というのも、この時計は私にとってはじめてのロレックスで、現行のギラギラしたやつより古いロレックスのほうがかっこいいだろと買ったもの。実際良かったんだけど、結局この時計をきっかけにほかのロレックスや高級時計にも目が向くようになり、かなりの金額を時計に費すことになってしまった。
ここで止まっていればどんなに良かったか。このロレックスはたしか20万円くらいだったはずで、それでも高いなぁと思いながら買ったのに。その後は文字通りケタ違いの時計にまで目がいってしまい、ずいぶんお金を失いました。
1960-1970's Stadium Jacket

これぞ!って感じのスタジャン。状態もデザインも最高。だけど、今にいたるまでスタジャンを納得して着れた試しがない。
Old Ray-Ban WAYFARER


これもモノ単体ではめちゃくちゃかっこよかった。アメリカ製のウェイファーラー。ハタチそこそこだった自分では、このサングラスをうまく活かすことができなかった。
1960's Whipcord sports jacket


これはそこそこ着たはず。ウィップコードのスポーツジャケット。今見てもかっこいい。肉厚で、表地はザラっとしていて。なんだろうなぁ、作業着っぽすぎる感じが違ったのだろうか。今ならもうちょっと上手に着れるはず。
上にあげたスタジャンやサングラスは今でも活用できる自信がないが、このスポーツジャケットはイケそうな気がしています。
1980's BIG MAC Heavy Flannel Work Shirts


トリコロールカラーのネルシャツ。写真でわかる通り、襟が擦り切れるまで愛用しました。自分の古着史上でも最初期に購入した服ということもあり、相当な愛着がありました。このネルシャツにカーハートのブラウンダックダブルニーを組み合わせて。
1980年代製だから、当時はほぼレギュラー感覚。BIGMAC以外にもFIVE BROTHERとか、ヘビーネルはいろいろ持っていて、一番着た服かもしれません。
CONVERSE ALLSTAR Made in USA


このコンバースもよく履いた。小指のあたりに穴が開くまで履いた。
「USA製だからデザインが良い」という理屈は実はあまりわかってない。街ゆく人のコンバースを見てもアメリカ製かどうかわからないし。結局気分の問題でしょうね。アメリカ製を履いてるだけで満足でした。
唯一、20年以上着続けている服
先に書いた通り、ここまで紹介してきた服はすべて手元に残っていない服たちです。着古したとか、上手に着こなせなかったとか。
着こなせないものはまだしも、着古した服は同じ型を買い直すこともできますよね。でも実際そうするのはほとんどなくて。ある程度着たら満足もするし、また別の服を試したくもなるのでしょう。
だけど1着だけ、何度着古しても同じ型を買い続けている服があります。これはきっと、自分にとって趣味を超えた必需品と呼べる服なのかもしれない。
U.S.Army ECWCS GORE-TEX PARKA

それがこのECWCS ゴアテックスパーカ。大学生から41歳まで、20年以上、これのない秋冬を過ごしたことがない。
この服がいいのはとにかくその機能性と汎用性。大学生のときはスノーボードにも着ていたし、汚れが目立たないから子供と遊んだり自転車での送迎でも着れる。
中にフリースやニットを着ればかなり寒い時期でも大丈夫。雨風をしのげるから旅行にもとりあえず羽織っていく。ウッドランド柄がトゥーマッチに思えるときもあったんだけど、自分が慣れたからか、そんなに気にならなくなりました。
長く着るとどうしても袖の部分がほつれてくるのでその都度買い替えて、合計3〜4着は買ったと思う。値段も1.5万〜3万円くらいで買いやすいし。
購入するときのワクワクは圧倒的にヴィンテージデニムのほうが上なんだけど、着用頻度でこの服を上回る1着にはまだ出会っていない。こういうのが自分の一生物ってことなんでしょうね。四半世紀、飽きずに着てるってわけですし。
この服を着ている写真はいくらでもあるので、古いものを振り返ってみる。

上の鳥居の写真を撮ってくれた長女が幼児のころ。長女は現在中2で、彼女が生まれたときから着ている。

この写真はさらにもうちょい前かな。テレビディレクターの同僚たちと月島でメロンパンを食べているときの写真。

着用写真で最も古いのがこれで、2009年ごろだと思う。新幹線のなかで修学旅行の高校生となぜか写真を撮った。
実はこの写真の前日に、私がアシスタントディレクターをしていた番組のロケで出会ったのが彼ら。たしか広島方面から修学旅行に来ていたはず。原宿を歩いていた彼らに声をかけ、30分くらい撮影に協力してもらったんです。
そしてその次の日。私はまた別のロケで大阪に行く必要があり、たまたま乗った新幹線の同じ車両に彼らがいたのです。奇跡的な再会シーンでした。
「おぉ!きのうの!」とお互いに驚いて撮った写真です。
彼ら、元気にしてるかしら。当然みんな高校生じゃなく、立派な社会人してるんだよな。
こんな思い出が簡単に蘇るほど長く着ている1着でした。おじさん狙いのアイテムはよく一生物だとか言われるけど、本当に残るモノなんて一握り。私にとってはこのゴアテックスパーカがそれでした。
写真を見てもわかる通り、若くてイケイケの自分から、40過ぎたおっさんの自分まで着れているわけですからね。いい服なんだと思います。
