5. はじめての院内夕食 【すっとんきょうな出来事 〜精神科に入院した私の記録〜】
※この記録は実体験をもとに書いています。登場人物はすべて仮名とし、個人が特定されないよう、一部の設定や時系列などの細部を変更しています。
おはようございます。
スットンキョウと申します。
昼ごはんも食べないまま、13時半ごろ急きょ入院。
かなりの空腹で迎えた、入院初日の夕食。
夕食の時間が近づくと、ラウンジに少しずつ人が集まってきました。
精神科病棟なので、当然ながら皆さん患者さんです。
歩くスピードがゆっくりな方も多く、パジャマ姿の老若男女(20代〜90代)が、ゆっくりゆっくり集まってきます。
ちなみに、ラウンジで食事をするのは比較的元気な方たちです。
体調や気分によっては部屋で食事をされる方もいます。
夕食の席には暗黙の指定席があります。
知らずに座っていると、本来その席の方がゆっくり近づいてきて、
「あの……えっと……」
という空気を醸し出します。
普通なら「そこ私の席です」と言えば済む話ですが、精神科病棟では、そういうことをはっきり言える人は少ないのです。
なので誰かが近づいてきたら、
「あっ、この席でしたか!」
と察して、そっと席を譲る。
これが病棟でのマナーでした。
約束どおり、軍事マニア君が同じテーブルまで案内してくれました。
向かいには軍マニ君。
その隣には仲良しの20代女性、るるかちゃん。
私の右隣には、80代くらいの上品なおばあちゃま、鵠沼さん。
なかなか良いメンツです。
席に着いた時点で、私は「お腹すいた」を10回くらい連呼していました。
こちらの病院は、配膳方法にも特徴があります。
看護助手さんと看護師さんが、一人ひとり席まで運んでくれるのです。
アレルギーなどの配慮で食事には名前札が付いていて、
「○○さーん」
「はい...」
というやり取りをしながら配膳されます。
これは楽でありがたい反面、とてももどかしい。
なぜなら、運ばれてくる順番が毎回バラバラだからです。
一番の日もあれば、自分だけ最後の日もある。
病棟ではお菓子は禁止。
一日三食だけなので、みんな基本的にお腹が空いています。
なのにシーンとした空気の中、席でじっと待つしかありません。
(病院なので元気におしゃべりしてる人はいない)
同じテーブルでも、自分の食事が来た人からどんどん食べ始めます。
なので、自分だけまだ来ない日は、
「頼む!早く私にも持ってきて!」
と心の中で叫んでいました。
初日の夕食のメニューは覚えていません。
覚えているのは、軍事マニア君、るるかちゃん、私の順に配膳されたこと。
二人はすぐ食べ始めました。
でも私は、隣の鵠沼さんの食事が来るまで待っていました。
空腹で騒いでいたくせに、料理が来た瞬間から急にスンっとおとなしくなる私。
周りから見たら、
「さっきまであんなに騒いでたのに、なんで食べないん?」
という人だったと思います。
でも、長年染み付いた「みんな揃っていただきます」の感覚が抜けなかったんですよね。
そしてようやく鵠沼さんにも配膳され、
「いただきます。」
最初の一口。
美味い!!!
おいおい米なんて備蓄米では無いなこれ。
ふっくらつやつややないかい。
おかずの量もばっちり、米お代わりできないのこれ?
ラッキーーーーー
病院食なんてマズイのが常識なのに完全アタリ病院や!!!
と思ったくらいでした。
病院食はおいしくないものだと勝手に思い込んでいたので、完全に予想を裏切られました。
空腹も相まって、おいしさはMAX。
入院中ずっと食事はおいしかったので、たまたまではなく、本当にレベルが高かったんだと思います。
他の患者さんにも
「ご飯おいしいですよね?」
と聞くと、皆さん口をそろえて「おいしい」と言っていました。
そして私の”自己満足配慮”は、食後も続きます。
皆さん食べ終わると、さっと片付けに行くのですが、私は鵠沼さんが食べ終わるまで席で待っていました。
一緒に
「ごちそうさまでした。」
と言ってから片付ける。
自分がまだ食べている横で、みんなが一斉に席を立ったら少し寂しい気がして。
なおトイメンの軍マニ君は、食事のスピードがめちゃ早くて光の速さで食べ終わり、さっさと片付けていました。
それはそれでええんやで。
食事は病棟生活最大の楽しみだったので、つい熱が入って長くなってしまいました。
食事ネタは、まだまだ続きます。

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わぉ、こんなスットンキョウな私にチップを贈りたいと思ってくれたんですね。その気持ちだけで十分です。すみませんカッコつけました、チップぜひお願いします(土下座)