21-1. はじめての外泊 前編【すっとんきょうな出来事 〜精神科に入院した私の記録〜】
※この記録は実体験をもとに書いています。登場人物はすべて仮名とし、個人が特定されないよう、一部の設定や時系列などの細部を変更しています。
おはようございます。
スットンキョウと申します。
入院生活にもすっかり慣れてきた2週目。
主治医の先生とのお話で、
ついに外泊の日程が決まりました。
閉鎖病棟ですから、外出や外泊は一大イベント。
他の患者さんが私服に着替えて外出する姿を見ては、「いいなあ」と思っていたので、
自分の外泊が決まり、「ついに!」とテンションが上がります。
家族の予定とも照らし合わせて、
次の土日と決まりました。
そこからはもうウキウキです。
外泊や外出ができない方もいらっしゃるので、
あまり大きな声で言うことでもないのですが、
我慢しきれず仲良しメンバーに報告しました。
みんなも
「おっ、ついに!」
というリアクション。
外泊は、お祭りレベルのイベントなのです。
とはいえ、外泊には不安もあります。
普通の社会に戻っても問題なく過ごせるのか。
病院は情報量も少なく、守られた環境です。
しかし一歩外へ出れば、
絶え間なく走る車、
目に飛び込んでくる大量の情報、
そして家族を含めた人間関係。
そうした情報量の多い複雑な世界に戻ることで、体調を崩してしまう方も少なくありません。
楽しみ半分、不安半分。
そんなイベントなのです。
先輩患者さんに、外泊の時に買って持ち込んだほうがいい物を聞いてみました。
「めんぼう。」
確かに、耳掃除には便利です。
何人かに聞いてみたのですが、返ってきた答えは
めんぼう。
それだけでした。
そんなに重要なのかな、めんぼう。
他には腕時計もこの機会に調達しようと思い、メモ帳に
・めんぼう
・腕時計
と書き込みました。
今回の外泊は一泊二日。
土曜14時から日曜16時まで。
日曜16時までのシンデレラです。
うきうきしながら、何をしようか考えます。
ふと、ネイルが頭に浮かびました。
入院前も子どもの世話で忙しく、ネイルなんてすっかり遠い存在になっていました。
子どもは遠方の実家で預かってもらっていたため、外泊中も会うことはできません。
でも、逆に言えば、自分のためだけに時間を使える貴重な機会。
しかも病院では化粧もおしゃれも禁止です。
ネイルくらい楽しんでもいいんじゃないかな。
そんなことを考えました。
しかし。
「ネイルはNGだよ。」
先輩患者さんが教えてくれました。
酸素飽和度を測るクリップを指先につけるため、ネイルは禁止とのこと。
それでも諦めきれず、看護師さんに聞いてみます。
「あのー、ネイルって…大丈夫ですかねぇ。」
看護主任さんが優しく、
「うーん、ちょっとダメかなぁ。」
と教えてくれました。
ですよね。
少しがっかりしましたが、仕方ありません。
そもそも外泊は、自宅で過ごし、日常生活に戻れるかを確認するためのもの。
気を取り直して、外泊中にやるべきことを整理しました。
まずはメガネの購入。
実は手ぶら入院だったため、メガネもなく、視力0.1以下のぼんやりした世界で生活していました。
初日はワンデーコンタクトをつけていたのですが、そのタイミングで自宅のメガネが壊れており、差し入れてもらうこともできなかったのです。
もちろん不便でしたが、病院の中はスローライフ。
「まあ、ぼやけててもいいか。」
そんな気持ちで過ごしていました。
とはいえ、外泊にはメガネが必須です。
そしてもう一つ。
自宅の荷物整理と、実家への発送。
退院後は遠方の実家で療養することを決めていたため、子どもの用品を含め、当面必要な生活用品を送らなければなりません。
この二つのミッションをクリアできれば、外泊クエスト成功。
そう決めて計画を立てました。
メガネは受け取りまで時間がかかる可能性を考え、一日目に。
荷物整理は二日目の午前中。
完璧な作戦です。
次回、いよいよ外泊の日を迎えます!
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わぉ、こんなスットンキョウな私にチップを贈りたいと思ってくれたんですね。その気持ちだけで十分です。すみませんカッコつけました、チップぜひお願いします(土下座)